経理屋が読み解く『MMT入門』

『MMT入門』(L・ランダル・レイ,2019,東洋経済新報社)をベースにMMTを解説します。ときには自分の思うところを書き綴ったり。

4-13.章まとめ 自国通貨を発行する国における財政オペレーション

本章では、次のトピックである政府支出、課税、金利設定、国債発行ーつまり、自国通貨を発行する政府の財政政策ーの検討に取りかかろう。なお、財政政策と金融政策を完全に切り離すことはできず、とりわけ国債発行の領域では不可能である。それゆえ、本章では中央銀行による金利誘導オペレーションを含めて論じることにする。

『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 215/553pp


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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MMT現代貨幣理論入門

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恒例の手抜き回です。

おつかれさまでした。第4章「自国通貨を発行する国における財政オペレーション」は、前回記事の「4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか」までとなります。

 

本記事では、第5章に進む前に、第4章(4-1~4-12)のまとめをしておこうと思います。

 

4-1.基本的な原則 

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  • 政府は、貨幣の計算単位を決定し、その計算単位によって課税する。
  • 政府の支払方法は、保有している貨幣を譲り渡すというものではない。政府は、新しく貨幣を発行して、支払先に付与するという方法によって支払を行う。
  • 政府は、自身が決定した計算単位建て(自国通貨建て)で売られているものであれば、いくらでも購入することができる。
  • 政府と企業・家計との間の貨幣のやりとりは、銀行の仲介のおかげで成り立っている。
  • 政府支出のプロセスでは、日銀当座預金と銀行預金が増える。
  • 日銀は、翌日物金利をコントロールできる。
4-1.基本的な原則 - 国債乱発派のMMT解説

 

4-2.財政赤字が貯蓄に与える影響 その1 

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結論としては、基本的には、政府収支は赤字であることが普通だと考えるべきでしょう。

民間部門の全員が黒字になるためには、民間部門が全体として黒字でなければならず、民間部門が黒字になるためには、政府収支が赤字でなければなりません。

誰かが黒字になるためには、別の誰かが赤字にならなければならないことが避けられない以上、その赤字を引き受けるのは"負け組"ではなく、政府であるべきです。

4-2.財政赤字が貯蓄に与える影響 その1 - 国債乱発派のMMT解説

 

4-3.財政赤字が貯蓄に与える影響 その2 

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政府は、国債のB払いで支出します。なので、政府は、(日本円建てで売られていれば、)財・サービスをいくらでも購入することができます。

4-3.財政赤字が貯蓄に与える影響 その2 - 国債乱発派のMMT解説

 

4-4.財政赤字国債金利 その1(債券の金利と価格)

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債券金利=総支払額-債券価格

この数式を"債券の価格と金利恒等式"と呼ぶことにします。これは、国債金利のことを理解するのに欠かせませんので、非常に重要です。

4-4.財政赤字と国債金利 その1(債券の金利と価格) - 国債乱発派のMMT解説

 

4-5.財政赤字国債金利 その2(株価の仕組み)

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このように、成行の買い注文が入ると株価は上がり、成行の売り注文が入ると株価は下がります。

但し、注意しておきたいことがあります。それは、成行注文で株価が上下するには、その成行注文で今現在の株価のところに貯まっていた指値注文が約定しきって無くなってしまうことが条件であるということです。

4-5.財政赤字と国債金利 その2(株価の仕組み) - 国債乱発派のMMT解説

 

4-6.財政赤字国債金利 その3(日銀の国債金利操作)

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日銀は、

  • いくらでも買える
  • いくらでも売れる
  • 儲ける気が無い
という異次元の存在ですので、国債金利を思うがままにコントロールできます。よって、「いつか国債の価格が暴落して、金利が急騰するかもしれない。」みたいな心配には意味がありません。国債の価格・金利がどうなるかは日銀が決めます。
4-6.財政赤字と国債金利 その3(日銀の国債金利操作) - 国債乱発派のMMT解説

 

4-7.財政赤字国債金利 その4(国債の意義)

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でありますから、政府から「国債買わない?」なんていうお誘いがあれば、メリットしか無いので、銀行はこれを断る理由がありません。政府も首尾よく日銀預金を回収できて万々歳となります。

これが国債発行の目的であり本質だ、というのがMMTの解答です。これのどこが"借金"なんでしょうか。

4-7.財政赤字と国債金利 その4(国債の意義) - 国債乱発派のMMT解説

 

4-8.財政赤字国債金利 その5

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なぜ彼らは、いつまで経っても自分たちの理論が間違っていることが理解できないのでしょうか。 それは主流派経済学の二大トンデモ理論

を信じ込んでいるため、根本的な部分で貨幣というものを誤解していることが原因なのではないかと思います。
4-8.財政赤字と国債金利 その5 - 国債乱発派のMMT解説

 

4-9.外国人の国債保有

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ということで、外国人がたくさん日本国債保有したら日本はマジやばい説はどうやら間違いで、外国人がたくさん日本国債保有しても大してやばくはないみたいです。

4-9.外国人の国債保有 - 国債乱発派のMMT解説

 

4-10.国際金融のトリレンマ

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MMTの回答は「国によってベストの選択肢は異なる。但し、最も政策余地を広げる選択肢が、為替レート固定を諦める(つまり、変動相場制を採用する)であることは間違いない。」です。

4-10.国際金融のトリレンマ - 国債乱発派のMMT解説

 

4-11.日本国債はデフォルトしない

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つまり、日本政府は B⇄C と、往復するばかりで、いつまで経ってもA→B→C→D→・・・というポンジー状態になりません。ポンジーにならないわけですから非自発デフォルトに追い込まれることもない、というわけです。

4-11.日本国債はデフォルトしない - 国債乱発派のMMT解説

 

4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか

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日銀がドル建ての日銀預金を発行できないのは、アメリカ政府に禁止されているからではありません。それが真珠湾攻撃と同じ意味を持つからです。

外貨建て国債を発行する政府は、その外貨を自前で発行できない以上、国債を返済するのに必要な通貨を輸出等で稼がなければならず、それに失敗すれば、「3、2、1、ポンジー!」からの非自発的デフォルトに陥ってしまいます。

4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか - 国債乱発派のMMT解説

 

それでは本日ここまで。

 

おまけ

本日のおまけはオススメ動画の紹介です。


IMF様の言う通り、最大限の政府支出を! さらに支出を積み増せ! [三橋TV第346回] 三橋貴明・高家望愛

安定の三橋TVです。見やすい。分かりやすい。

このIMFの積極財政推奨コメント、ほんとに全くマスメディアで見ないですよね。期待するだけ無駄なんでしょう。今後も情報発信がんばります。

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

‪最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか

主権を有しない政府はポンジーになってしまう可能性がある。つまり、租税収入で債務を返済できず、利息支払いのために市場に借りに行かなければならなくなってしまう可能性がある。

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本日のお題

前回に引き続きまして、本日のお題は、"MMTと言えば" のこちらです。

( ゚д゚)<ババン!

「主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ない。」

 

前回のおさらい

前回記事では、"主権通貨建ての国債を発行するので非自発的デフォルトに陥らない政府"の例として日本政府を挙げて、こんな感じで説明しました。

  • "ポンジー状態"とは、借金Aの返済のために借金Bをして、借金Bの返済のために借金Cをして、借金Cの返済のために借金Dをして…という状態。
  • "非自発的デフォルト"とは、ポンジー状態に陥った政府がそれ以外の選択肢を失った結果として行うデフォルトのこと。
  • 日本政府は、借金Aを返済するときには日銀に借金Bをして、それを借金Cに借り換える。そして借金Cを返済するときには、また日銀に借金Bをして、さらにまた借金Cに借り換える。B⇄Cの往復をするばかりで、いつまで経ってもポンジーしない。
  • 日本政府はポンジーにならないわけだから非自発的デフォルトにも陥らない。

 

なぜ外貨を勝手に発行できないのか

さて、お題の「主権通貨建ての〜」を裏返すと、

「主権通貨建てでない国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得る。」

ということになるわけですが、本記事では、これがなぜなのかを説明しようと思います。

( ゚д゚)<なぜなのかって、例えば日本政府がドル建て国債を発行して、ドルを用意できなかったら非自発的デフォルトになる、こんなの当たり前じゃあねえかい。ええっ?

(´・ω・ `)<円建て国債なら、日銀が円建ての日銀預金を発行してくれるからポンジーせえへんのは前回で理解しとるよね?じゃあドル建て国債でも日銀がドル建ての日銀預金を発行したらええやん。

( ゚д゚)<日銀はドル建ての日銀預金を発行したりできひんやろ。そんなん当たり前やんけ。ええっ?

(´・ω・ `)<なんで円建てならサクッとできるのにドル建てになっただけで途端にできひんくなるんや。数字を打ち込むだけやん。同じことやん?

( ゚д゚)<ええっ?なんでって・・・ええっ?

(´・ω・ `)<すまん、論破してもうたわ。悪い癖や。よっしゃ、ほいだら、おっちゃんが懇切丁寧に説明したろ。

 

主権通貨とは

そもそも"主権通貨"って何なんでしょう。[2-1]の復習になりますが、大事なことなので、しっかり確認しておきます。

 

計算貨幣とは

まず"計算貨幣"という概念があります。計算貨幣とは、貨幣の単位のことです。例えば、とかドルとかユーロとかです。なんと、円って単位なんですよ。知ってました?円の信認って何なんですかね?

そして計算貨幣には2種類の分類軸があります。

  • 主権通貨or外貨
  • 自国通貨or非自国通貨

ただ、"主権通貨で、かつ、非自国通貨"というのはあり得ません。主権通貨であれば、必ず自国通貨です。

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国債がデフォルトするかどうか、という話をするときには、それが主権通貨建てかどうかが重要な意味を持ちます。一方、それが自国通貨かどうかはほぼ関係ありません。

( ゚д゚)<円は主権通貨やんね?

(´・ω・ `)<どの国の話か言ってくれんと困るわ。なにがしかの計算貨幣が主権通貨に該当するかどうかは話題にしとる国との関係で決まるもんや。円は日本にとっては主権通貨やけど、アメリカにとっては外貨や。

( ゚д゚)<あっそ。

(´・ω・ `)<しばくぞ。

 

用語説明

用語説明をあと2つだけちゃちゃっと・・・

 

準備預金

"準備預金"とは、民間の銀行等が中央銀行の預金口座に持つ貨幣のことです。例えば、日本なら日銀当座預金のことです。

通貨

"通貨"とは、現金(硬貨と紙幣)と準備預金の総称です。銀行預金や国債は、"貨幣"ですが、"通貨"には含まれません。

 

主権通貨とは

ある計算貨幣Xがある国家Aの主権通貨であるとき、XとAは必ず次の条件を全て満たします。どれか1つでも満たさない計算貨幣は、すなわち外貨です。

  • Xは、A国の政府が独自に創り出した計算貨幣である。
  • A国の政府は、X建ての通貨を発行する権限を独占している(A国政府以外がX建ての通貨を発行することを禁止している)。
  • A国の政府は、Xについて変動相場制を採用している。
  • A国の政府は、X建てで支出と徴税を行う。

( ゚д゚)<日本にとっての円は?

(´・ω・ `)<主権通貨や。

( ゚д゚)<フランスにとってのユーロは?

(´・ω・ `)<外貨や。フランス政府にユーロ建て通貨の発行権は無いからの。

( ゚д゚)<中国にとっての人民元は?

(´・ω・ `)<外貨や。中国政府は変動相場制を採用しとらん。

( ゚д゚)<甲府は!

(´・ω・ `)<こうふ?

 

めちゃくちゃにしたるけーの!

( ゚д゚)<ほれみろ!やっぱりヨソが勝手に通貨発行するのを禁止しとるやないか。てことはワイが最初に言った"日銀はドル建ての日銀預金を発行したりできひんやろ。"で合っとるやないか。日銀にはドル建て通貨の発行権が無いのよ。

(´・ω・ `)<どこぞの国はやめてっていくら言っても尖閣に船よこしてくるやんけ。国家間で権限の有る無しなんぞ、その程度のもんや。議論の本質はそれのもう一歩先よ。

( ゚д゚)<ハー!

(´・ω・ `)<なんやそれ。逆にやな、ヨソの通貨を勝手に発行するってことがどういう意味を持つんかを考えてみたらええねん。

 

またまた復習になりますが、主権通貨を発行できる政府は、

わけですから、

ヨソの政府が勝手に円建て通貨を発行できてしまうと…日本国内で売られてるものを全部買い占めてくなんてこともできてしまうし、日本国内の金利にもイタズラできてしまうわけです。

つまり、ヨソの通貨を勝手に発行するということは、

( ゚д゚)<テメーの国の経済、めちゃくちゃにしたるけーの!

こう言ってるのと同じです。

 

まとめ

( ゚д゚)<けーの!となれば、もうこれは戦争です。

日銀がドル建ての日銀預金を発行できないのは、アメリカ政府に禁止されているからではありません。それが真珠湾攻撃と同じ意味を持つからです。

外貨建て国債を発行する政府は、その外貨を自前で発行できない以上、国債を返済するのに必要な通貨を輸出等で稼がなければならず、それに失敗すれば、「3、2、1、ポンジー!」からの非自発的デフォルトに陥ってしまいます。

 

主権通貨を持たない国は、自分で通貨を発行して生み出すことができませんから、ヨソの主権通貨国が発行してくれた外貨をなんとかして自国内に落としてもらわないと経済が成り立ちません。そのため、発展途上国の多くやユーロ加盟国は、外国人観光客の誘致や国際競争力の強化に注力する必要があります。

一方、[4-11]のとおり、主権通貨を持つ国は、外貨がなくても経済が成り立ちます。よって、日本経済にとって、外国人観光客も国際競争力も、別に大した意味はありません。菅さん、インバウンドとかいらんのやで。 

 

 
それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

ウソみたいだろ。局アナなんだぜ。これで…。 


レモンチダンス踊ります!【フル】

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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4-11.日本国債はデフォルトしない

主権通貨を有する政府にとって借入れは必要不可欠なものではないし、政府はキーストロークを使って常に債務を返済できるので、決してポンジー状態ではない。

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こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本日のお題

早速ですが、本日のお題は、"MMTと言えば" のこちらです。

( ゚д゚)<ババン!

「主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ない。」

いやー、堅苦しい。すみませんね。ちょっと表現の正確性に全振りしたら、こうなってしまいました。ニュース記事とかだと、「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」くらいの書きぶりが多いですけど、それだとちょっと正確さに欠けています。ポイントは「自国通貨」かどうかではなく、「主権通貨」かどうかですから。

 

次回予告

それから、もう一つ、

さっきの「主権通貨建ての〜」を裏返すと、

「主権通貨建てでない国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得る。」ということになるわけですが、これがなぜなのかをちゃんと説明している記事とか動画とかって意外と少ないと思うんです。

三橋貴明さんとかでも「外貨建て国債はデフォルトしますよ。当たり前です。」みたいに「当たり前です」で済ませちゃってたりすることが多い印象ですが、ここの理解は主権通貨建て国債がデフォルトしないことの理解と同じくらい重要だと思います。

ただ、そこまで行くと長くなってしまうので、"なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか"については、次回にします。

 

今後の予定

それでは、「主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ない。」こちらの説明に取り掛かりましょう。

説明の仕方なんですが、「主権通貨とは?」から入って、次は「主権通貨建ての国債とは?」みたいに順を追っていくのも、まー、ダメじゃないんですが、長ったらしくてもっさい感じがします。

なので、まずは"百聞は一見に如かず"ということで、理屈をこねる前に、主権通貨建て国債の具体例として日本国債について日本政府が非自発的なデフォルトに追い込まれることがあり得ないことを見てみましょう。

そんで、次回記事で"なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか"を理解してもらえれば、本丸の「なぜ主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ないのか」が分かると思います。書いてみて補足が要りそうな感じやったら補足記事も書いて3部構成にします。

 

非自発的デフォルトとは

ただ、先に「非自発的なデフォルト」って何なのかを説明しておきます。

まず「非自発的」はなんとなく雰囲気で分かるかと思います。自分の意思ではなく、そうするしかないからそうする的な感じですね。

そして、「デフォルト」とは、広い意味では、借金返済等の債務履行が「約束どおりに行われないこと」で、例えば返済が1日遅れたとかも含まれるんですが、普通、デフォルトと言えば「債務履行を完全に放棄して、その債務を無かったことにしてしまうこと」を指します。破産申し立てみたいなものです。

 

キーワードは"ポンジー"

続いては、こちらの動画をご覧ください。


殆どの投資詐欺はこのカラクリです

( ゚д゚)<みなさんも気ぃつけてください。「絶対儲かる」とか「元本割れ無し」とか「高配当を保証」とかを言い出したら、その投資話は100%詐欺です。

 

ポンジーかポンジーでないか

この詐欺の手口に由来して、いまある借金Aを返済するために新たな借金Bをして、その借金Bを返済するために借金Cをする・・・みたいなのを「ポンジーファイナンス」とか「ポンジー状態」なんて呼びます。

いったんポンジー状態に陥ると、A<B<C<…と金利なり返済期限なりがどんどん厳しくなっていき、FかGあたりで誰からも借金ができなくなり、デフォルト以外に選択肢がなくなってしまうことが大半です。

これが「非自発的デフォルト」の意味です。

ですから、ポンジー状態にならなければ、非自発的デフォルトに追い込まれることもありません。ポンジーかポンジーでないか、それが問題です。

 

日本政府はポンジーにならない

国債に関する支払には、元金の支払(償還)と、利息の支払(利払い)の2パターンがあります。

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ただ、どちらも結局は、"政府が日銀預金を支払う取引" であることには変わりありませんから、問題は"政府がどうやって日銀預金を用意するか"です。

政府は、この借金A(既発国債)を返済するために、日銀に借金B(T-Bill)をお願いして日銀預金を用意させます。その後、政府は支払った日銀預金を回収するために借金C(借り換え債)を発行して、借金Bは返済されます。[4-3]で解説した政府支出のプロセスと全く同じ仕組みです。

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日本政府はB⇄Cを往復するだけ

さて、政府はこの借金Cを返済するために借金Dをする必要があるでしょうか?

( ゚д゚)<分からん!

(´・ω・ `)<元気があってよろしい!正解は、借金Dなんかいらんのよ。政府は借金Cを返済するときには、また借金Bをして、借金Bをしたら借金Cをして、借金Bを返済するんやけど、その借金Cを返済するときには、また借金Bをするんよ。

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つまり、日本政府は B⇄C と、往復するばかりで、いつまで経ってもA→B→C→D→・・・というポンジー状態になりません。ポンジーにならないわけですから非自発デフォルトに追い込まれることもない、というわけです。

 

補足

せっかくなんで、もうちょっと突っ込みます。

ポンジー状態では、金利なり返済期限なりが非自発的にどんどん厳しくなりますが、B⇄C往復は、どれだけ繰り返されても、[4-6]のとおり、金利は日銀が決めたとおりにしかなりませんし、返済期限はその国債を発行するときに政府が決めます。

つまり、今後、日本国債金利や返済条件がいまより厳しくなることはあり得ますが、そうなるのは日本政府が自ら条件を厳しくすることを決めたときだけです。非自発的にそうなることはありません。

 

 

 
それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

書いた後で、こんな反論をする人もいるかもしれないなと思いました。

( ゚д゚)<返済期限も金利も政府が決めるにしても国債残高はどんどん増えてしまうやないか。

(´・ω・ `)<それがどうかしたん?国債残高は増え続けるのが普通や。[4-2]をご覧くださいな。ちょっと余計なこと言わせてもらうけど、なんできみたちはそーゆー基本的なところをすべからく間違っとんの?

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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4-10.国際金融のトリレンマ

有名なトリレンマに従えば、政府は次の3つのうち2つしか選ぶことができない。すなわち、国内政策の独立(通常は、金利の安定と表現される)、固定為替相場制、資本移動の自由の3つである。

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こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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本日のお題

国際金融のトリレンマという理論があります。あのマンデルさんが考えたらしいです。あの"マンデルフレミングモデル"なるトンデモ理論で有名なマンデルさんですね。"最適通貨圏理論"とかいうのも提唱されてて、"ユーロの父"とか呼ばれてるらしいです。ギリシャの人たちにごめんなさいって言え。あとイタリア人とスペイン人とフランス人とポルトガル人と・・・書ききれんけど、全員にごめんなさいって言え。

ja.wikipedia.org

とはいえ、何を言ったかではなく、誰が言ったかで判断するほど愚かなことはありません。国際金融のトリレンマ自体は、おそらく正しい理論であると考えられます。

 

ウィキペディアさんに聞いてみよう

で、国際金融のトリレンマとは、何なのかと言いますと、ウィキペディアさんには、こう書いてあります。

概説

以下の3つの政策は同時に実現することができず、同時に2つしか実現できない 。
・自由な資本移動
為替相場の安定(固定相場制)
・独立した金融政策

国際金融のトリレンマ - Wikipedia

f:id:xbtomoki:20201223195259p:plain

というわけで、本記事では、これをもうちょっと噛み砕いてみます。

 

ワード解説

まず、いちいちワードが分かりにくいので、それぞれを解説しましょう。

 

トリレンマとは

まず、「トリレンマ」って何やねんっちゅう話なんですが、

これは一言で言うと、"3つが全部同時には成り立たない現象"のことです。

中華屋さんとかで、

「ラーメンセットのサイドメニューを【唐揚げ・天津飯・餃子】のうちから2つ選んでください。」みたいなのがあるやないですか。あれはラーメンセットのトリレンマですね。

"3つのうち、2つまでしか選べない。" もしくは"3つのうち、1つは諦めなければならない。" とも表現できます。考え方をちょっとポジティブに変えれば、"1つを放棄すれば、残りの2つを同時に成立できる" ということにもなります。

 

自由な資本移動とは

"資本移動 自由"とかでググると、とにかく難しげなのがわんさか出てきますが、"資本移動"とは、要するに、為替取引のことで、"自由な資本移動"とは、為替取引を制限しないことと考えてもらえれば、たぶん9割くらいは問題ありません。

「日本円でアメリカの国債を買う」なんかがイメージしやすい資本移動の例じゃないかと思います。しかし、米国債はドル建てなので、日本円をいくら積み上げようが1口も買えないわけで、実際には、

  1. 日本円を米ドルに両替する。
  2. その米ドルで米国債を買う。

という2段階の手順を踏む必要があります。

このうち、2.の「米ドルで米国債を買う」は制限しようが無いわけで、もしアメリカ政府が「日本円でアメリカの国債を買う」という行為を制限したければ、1.の「日本円を米ドルに両替する。」を制限しなければなりません。

つまり、【資本移動の制限=為替取引の制限】であって、自由な資本移動=為替取引の制限無し ということになります。

 

為替相場の安定(固定相場制)とは

"固定相場制"とは、為替レートを政府が決めた価格に固定する政策のことです。固定相場制の逆は、"変動相場制"で、これは為替レートは市場に放任して政府はタッチしない政策です。

固定相場制を採用する政府がどうやって為替レートを固定しているかと言うと、[4-6]国債の価格・金利を日銀が決める仕組みを説明しましたが、これとちょっと似ています。

つまり、為替レートの目標を決めて、そこより安くなったら買い注文を入れて、高くなったら売り注文を入れるわけです。

f:id:xbtomoki:20210121162934p:plain

日銀の金利操作と勝手が違うのは、B払いが効かないところです。これは今後の記事で重要なポイントになってきます。売る分については、自国通貨を発行すればいくらでも売れますが、買う分については、買うための外貨を事前に準備しなければならず、"いくらでも買う" ができないので、宣言するだけで市場をコントロールしたりはできません。

 

独立した金融政策とは

"独立"とは、何らかの決定が外部からの影響を受けていないことです。

それから、主流派の性でしょうか。マンデルさんはなぜか金融政策に限定してますが、限定する意味は無いので、「国内政策」と表現するべきでしょう。

"独立した国内政策"の例は、いっぱいありますが、昨年の10万円一律給付が分かりやすいかと思います。あれは日本人が自分たちだけで決めた政策でした。できるだけ早く、2回目の給付を、今度は100万円に金額を上げてやるべきだと思います。声を上げていきたいです。

逆に、独立でない国内政策の例としては、[4-9]で紹介したギリシャEU・ECB・IMFから要求された増税・公務員削減・年金改革・民営化などなどの緊縮財政政策が挙げられます。ギリシャ危機をもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

www.akashi.co.jp

 

国際金融のトリレンマとは

さて、ワードの解説が済んだところで、冒頭のトリレンマ3兄弟をちょっと私なりに書き直してみます。

  • 為替取引を制限しない
  • 為替レートを固定する
  • 独立した国内政策決定

これが3つ同時には成り立たない、というわけです。本当でしょうか。

 

具体例で検証してみよう

試しに【為替取引を制限しない】【為替レート固定】の条件で、政府が全国民に毎月10万円を配ることを決めたとしてみましょう。

全国民の貯蓄が増えるので、中にはその10万円で国外の資産(例えば米国債)を買う人もいるでしょう。すると、円→ドルの両替(円売り)が行われるので、円安になります。

政府は為替レート固定のためにドル→円の両替(ドル売り)をしなければいけません。これが毎月ですので、政府はどんどん手持ちのドルを売り続けます。

てことは、政府は、手持ちのドルが尽きた時点で、次のどれか少なくとも1つを行わなければなりません。

  • 外資産購入を禁止する。
  • ドル売りを止める。
  • 毎月10万円給付を止める。(もしくは、アメリカに円を買ってもらう)

これは、

  • 「為替取引を制限しない」を諦める。
  • 「為替レートを固定する」を諦める。
  • 「独立した国内政策決定」を諦める。

ということです。

ほらね(´・ω・ `)

この3つは同時には成り立たんのです。

ただ、注意しておきたいのは、資本移動を完全に自由化してる国は存在しませんし、 変動相場制だからといって全く為替介入していない国もありませんし、外部から何の影響も受けずに政策決定している国も無いことです。全ての国が、0~100の間のどこかに位置しています。
 

じゃあどれがいいのか

じゃあどれを諦めるべきか、という点に話が進むわけですが、
MMTの回答は「国によってベストの選択肢は異なる。但し、最も政策余地を広げる選択肢が、為替レート固定を諦める(つまり、変動相場制を採用する)であることは間違いない。です。
 
表にして比べてみましょう。

f:id:xbtomoki:20210122105759p:plain

おかわりいただけるでしょうか。
"為替レート固定を諦める"(変動相場制を採用する)の選択肢は、為替取引制限もしないでいいし、為替介入もしないでいいし、政策決定の独立も保たれますから、もっとも政策余地を広く確保することができる、というわけです。 
 
 
それでは本日ここまで。

 

おまけ

ネットフリックスにオリジナルドラマで"TheGoodPlace"ってのがありまして、リスニング練習に使ってるんですが、このタハニさんの英語がめっちゃ聞き取りづらいんですが・・・これって私だけでしょうか?


The Good Place- Tahani's Best Moments

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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4-9.外国人の国債保有

海外の「国債自警団員」が米国債から逃げ出してしまうという懸念は、大したリスクをもたらさないというのが結論である。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 246/553pp


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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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MMT現代貨幣理論入門

MMT現代貨幣理論入門

 

 

目次 

 

本日のお題

"日本国債の90%以上が国内機関保有分だ。だから暴落したりしないんだ。"という議論があります。本当でしょうか。財務省のホームページに記載されてるデータを見てみましょう。

f:id:xbtomoki:20210119155143p:plain

"日本国債の90%以上が国内機関保有分だ。"これは間違ってないみたいです。

では、"だから暴落したりしないんだ。"はどうでしょう。

 

外国人はマジハンパねえ。リアルだ。

"だから暴落したりしないんだ"というのを、もうちょっとちゃんと説明すると、

  • 国債が投げ売りされて価格暴落なんかしたら、日本国内が大混乱になる。
  • 国内機関が自分からわざわざそんな自傷行為みたいなことをするわけがない。

ということです。なかなか説得力がありますね。ただ、問題があります。

何が問題かと言えば、この理屈が成り立つなら、こんなことも言えてしまうんです。

"ところが、外国人は日本国内が大混乱になろうが知ったこっちゃないから、めちゃくちゃやってくるかもしれん。てことは、海外機関の保有割合が増えたら、国債暴落からの財政破綻というシナリオが現実味を帯びてくる。マジハンパねえ。リアルだ。"

最近では、前回記事でも紹介した小黒さんもこんな記事を書いています。

news.yahoo.co.jp

なんつーかもうちょっと分かりやすく書けないんですかね・・・要するに言いたいことは、「まじやばいような感じがするかもしれない」でしょ?ええ年して、難しげなワードを次から次に出してきて、読み手が訳分からんくなって思考停止したところでワンダーランドに連れていくのやめなよ。みっともない。

 

検証してみましょう

この手の話題でよく例に挙げられるのが、いわゆるギリシャ危機です。たしかに、かつてギリシャでは外国人がめちゃくちゃやったせいで国債暴落が起きました。

ギリシャ経済危機(2015年)とは - コトバンク

それでは、外国人がたくさん日本国債保有したら日本はマジやばい説の真偽を検証してみましょう。

 

何がやばいのか

まずは、日本国債の海外保有率がいまは7%ちょいなわけですが、これが例えば30%とかになったら、具体的には何がやばいんでしょうか。そもそも誰がそんな大量の国債を売るんだ、すでにその時点で投げ売りされとるじゃねえかっちゅう話なんですが、それはいったん置いときます。よく言われるのは次の2つです。

  1. 金利を要求してくるかもしれない。
  2. 円安になるかもしれない。

金利要求説

これは大口保有者である外国人がこんなことを言い出すんじゃないか、という説です。

( ゚д゚)<もっといっぱい金利を払ってくれないと国債売っちゃうぞー。そしたら暴落して困っちゃうよね?ね?ほらほら!分かったらさっさと利率を上げる!あーげーろ!あーげーろ!さっさとあーげーろ!ひっこしー!

(´・ω・ `)<暴落?何を言っとん?国債の価格は日銀が決めるんよ。例えば下図の板をご覧なさい。これできみが"保有国債を全部売ります"って言い出すとするよね。そしたら日銀が全部130円で買い上げるわけよ。これ、1円も価格下がってへんよね。詳しくは[4-6]を読んで、どうぞ。

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円安説

続きましてー、これは大口保有者である外国人がこんなことも言い出すんじゃないか、という説です。

( ゚д゚)<国債売りまくってゲットした円を売りまくって円を暴落させちゃうぞー。そしたら困っちゃうよね?ね?ほれほれ!分かったらさっさと金利を上げる!あーげーろ!あーげーろ!さっさとあーげーろ!ひっこしー!

(´・ω・ `)<うっとうしいのう。変動相場制って分かるかな?円が暴落してあたふたするくらいなら最初っから変動相場制なんかやっとらんわけよ。売っちゃうぞーとか言われたところで、

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なぜギリシャは危機に陥ったのか

ということで、外国人がたくさん日本国債保有したら日本はマジやばい説はどうやら間違いで、外国人がたくさん日本国債保有しても大してやばくはないみたいです。

ひとまず安心なわけですが、じゃあなんでギリシャは危機に陥ったのでしょうか。

外国人が国債を大量保有するのが、日本ならOKなのに、ギリシャはピンチになりました。両者の違いは何だったのか。

( ゚д゚)<何だったのか!?

(´・ω・ `)<そういうのいらんから。ええか?端的に言うと、B払いができるかどうかってことなんよ。詳しい説明は別記事にするけど、"国債売っちゃうぞー"って言われても、日本国債は主権通貨の円建てやから、日銀が日銀預金のB払いで全部買ってハイハイワロスワロスってなもんや。ところが、ギリシャ国債は外貨のユーロ建てで、ギリシャ銀行にはユーロ建て貨幣の発行権が無いから、B払いがでけへん。ギリシャ銀行にできるのは、いま持っとるユーロ建て資産のA払いだけやから、それが尽きたらお手上げや。

※主権通貨"とか"外貨"とかの詳しい定義は[2-1]をどうぞ。

※「国債自警団」とは・・・いろいろイチャモンつけては、その国の国民の生活なんかおかまいなしに( ゚д゚)<金利をあーげーろ!って喚く人たちのこと。

 

 
それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

※「株ブタ」とは・・・いろいろイチャモンつけては、その会社の社員の生活なんかおかまいなしに( ゚д゚)<配当をあーげーろ!って喚く人たちのこと。 

 

 

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4-8.財政赤字と国債金利 その5

本節では、財政赤字と貯蓄の関係、さらには財政赤字が準備預金と金利に与える影響を確認する。以下の議論は、一般的な性質に関するものである。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 220/553pp


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こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

おかげさまでシリーズ完結です

1ヵ月くらいかかりましたが、財政赤字国債金利シリーズは、これで完結となります。

本シリーズのテーマ

財政赤字が増えると(減ると)、国債金利はどうなるか」

への解答は、こうでした。

財政赤字がいくら増えようが減ろうが、国債金利はどうもなりません。上がりも下がりもしません。」

なぜこう言えるのかと言えば、国債金利は、[4-6]で解説したとおり、日銀が決めたとおりに決まるものだからです。

 

やっぱりクラウディングアウトなんかなかった

( ゚д゚)<じゃあ「財政赤字が増えると(減ると)、国債金利はどうなるか」とか言わなくても、普通に「国債金利は日銀がこうこうこうやって目標を決めて操作します。」だけでよかったんちゃうんか。

それはおっしゃるとおりです。シリーズの途中で、変な風呂敷広げてもうたな・・・と何度か思いましたが、よかろうもんの精神でここまでやってきました。ただ、何の考えも無しに広げた風呂敷ではなくて、もちろん財政赤字国債金利国債発行の仕組み・国債の意義を解説するのが第一の目標だったのですが、

もうひとつ言いたかったのは「やっぱりクラウディングアウトなんてありえんよな」っちゅうことなんです。クラウディングアウトっちゃあ何かと申しますと、主流派経済学者が唱えている、こういう仮説です。

  • 貯蓄が減ると、金利が上がる。
  • 財政赤字が増えると、民間が使える貨幣(貯蓄)が減る。
  • よって、財政赤字が増えると、金利が上がる。
詳しい中身は下記リンクで解説しました。もしよかったらどうぞ。

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まず、"貯蓄が減ると、金利が上がる。" これは間違いです。さっきも言いましたが、[4-6]のとおり、国債金利は、日銀が決めたとおりに決まります。

続いて、 "財政赤字が増えると、民間が使える貨幣(貯蓄)が減る" これも間違いです。真実は逆です。[4-2]のとおり、政府の財政赤字は、民間部門の貯蓄を増やします。

よって、"財政赤字が増えると金利が上がる。" これは間違いです。

ということで、クラウディングアウト仮説は、初めから終わりまで間違っています。当然、実際のデータにも合致しません。

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1990年~1995年の財政赤字の伸びに対して、国債金利はぐんぐん下がっていきました。1995年以降の財政赤字の横ばいっぷりに対して、国債金利はさらに下がっていきました。全然関係ない動きをしています。もともと全然関係ないんだから当たり前です。

ところが、主流派経済学者は、いまだにクラウディングアウトありきで経済を語り、こんな記事を書いています。普通の人なら1995年の時点で"あれ?変だな?"ってなりそうなもんですけどね・・・

www.tkfd.or.jp

なぜ彼らは、いつまで経っても自分たちの理論が間違っていることが理解できないのでしょうか。

それは主流派経済学の二大トンデモ理論

を信じ込んでいるため、根本的な部分で貨幣というものを誤解していることが原因なのではないかと思います。

 

お金のプール論とは

プールというのは、こういうのじゃなくて、

f:id:xbtomoki:20210114100103p:plain

こういう溜め池とか貯水池とかをイメージしてもらった方がいいかと思います。

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三橋貴明さんの新経世済民新聞にも記事がありますが、

【三橋貴明】「おカネのプールは存在しない」という恐怖 | 「新」経世済民新聞

この理論は、理論とすら呼べるようなものじゃないんですが「この世の中に存在する貨幣の量は一定で有限である。」という教義で、「その一定で有限の貨幣を政府と民間が取り合うことでバランスが成り立っている。だから、政府が取り過ぎてしまうと民間が使える貨幣が減ってしまう。これをクラウディングアウトと呼ぶ。」となってしまうわけです。

もちろん間違いです。

貨幣は、B払いの記録ですから、B払いが成立すれば、いくらでも増えます。

 

お金のアバター論とは

Aさんの資産がこうなってたとします。

f:id:xbtomoki:20210118093831p:plain

現金が50、銀行預金が100、合計は150です。

ところが、主流派はこう考えます。

「お金が150ある。そのうち50は現金として持っている。残りの100は銀行預金として持っている。」

一見同じことを言ってるようですが、全然違います。

どう違うかと言うと、もしもAさんが現金50をX銀行に預けたら、現金が0・銀行預金が150になりますが、現金は消えるわけではなくて、X銀行の手元に移るわけなので、こうなって、

f:id:xbtomoki:20210118093845p:plain

Aさんが現金を銀行に預けると、貨幣の総量が増えます。現金預け入れの本質は貸付ですから当たり前ですね。[3-1]

ところが、主流派にはこれが理解できません。

( ゚д゚)<A→Xにお金が移動したらお金が増える???んなわけないだろう!!バカ言ってんじゃないよ!おととい来やがれってんだ!こんちくしょうめってなもんだよ!!!いいか?"お金"という本質的なモノが存在するんだよ。それが時と場合によって現金や銀行預金に姿形を変えるんだ。天照大神様と大日如来様だって元々はおんなじもんだろう?それと同じことよ。現金も銀行預金も"オカネ様"のアバター(化身)なんだ。要するにだよ、"お金のプール"ってもんがあってさ、オカネ様は一定で有限なんだよ。それだってえのに、オカネ様が現金から預金に姿を変えたら増えちまうってじゃあ、世の中のオカネ様がどんどん増えちまうじゃあないかい。何を言ってんだか意味不明だよ!!

これも間違いです。

主流派にとっては意味不明かもしれませんが、貨幣総量が増えるのは事実ですから、その現象が意味不明なんじゃなくて、それは主流派が理解できていないだけです。

"お金"というモノは存在しません。実際に存在するのは、現金や銀行預金であって、"お金"は、それらの総称に過ぎないわけです。

 

貨幣観を正さないといけない

しかし、主流派経済学者は、この二大トンデモ理論を基本原則くらいのノリで語ってきます。彼らは間違った理論を基本原則と思い込んで、そこを出発点にしているので、全部間違います。

クラウディングアウトは、その一例ですが、それ以外にも、主流派は数々のトンデモ理論を打ち立ててきました。

  • 国債は国の借金論
  • 又貸し論
  • 貨幣数量説
  • マンデルフレミングモデル
  • 税は会費論
  • 均衡財政論

貨幣とは何か、ここを正さないと国債は国の借金論をやっつけたところで次は又貸し論、その次は貨幣数量説で…キリがありません。

大事なことなので、貨幣とは何かを再確認しておきます。

貨幣とは、B払いの記録です。その所有者にとっては金融資産であり、その発行者にとっては金融負債です。

 

 
それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

小黒一正さんの2020年財政破綻論ってあったじゃないですか。あの訳の分からんやつ。おまけコーナーなので言葉は選ばずにいきます。先日ツイッターで朴先生が本人につっこみをされてたアレです。

訳が分からなすぎて、仮にも大学教授が、いったい何を考えてこんなトンデモに至ったのかが、長らく分からなかったんですが、やっと分かった気がするので、勝手に解説してみます。

 

まず、小黒さんは、毎年の経済収支をこんな感じで考えてあるんでしょう。

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この2段目の"国債発行でAの預金が減る"っていうのが、壊滅的に間違ってるんですよね。減りませんからね。「減りませんからね」って反論するのもばかばかしいレベルなんですが・・・ 

で、これ(国債残高だけが毎年1円増える)に基づいてシミュレーションをしてみます。試しに、政府に1円、A社に9円を持たせて、年数を進めていくと、

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10年目で国債残高がAの預金を超えてしまいました!財政破綻ダー!クニノシャッキンガー!

 

 

小黒さん、正しくはこうですよ。

f:id:xbtomoki:20210118123806p:plain

これも違うんですけどね。やっぱり単式簿記では表現に限界があります。

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ですから、国債残高がAの預金を超えることは永久にありません。これに懲りたら二度とクニノシャッキンガーって言わないでください。迷惑なんですよ。

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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4-7.財政赤字と国債金利 その4(国債の意義)

本節では、財政赤字と貯蓄の関係、さらには財政赤字が準備預金と金利に与える影響を確認する。以下の議論は、一般的な性質に関するものである。

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こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

政府支出のおさらい

まずは[4-3]で解説した政府支出の仕訳を確認してみます。

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途中経過も含めて示すと、こうです。

  1. 企業・家計が政府に請求する。
  2. 政府が国庫短期証券(T-Bill)を発行して、日銀から日銀預金を調達する。
  3. 政府が日銀と銀行を経由して企業・家計に請求額を振り込む。
  4. 政府が国債を発行して、銀行から日銀預金を調達する。
  5. 政府がT-Billを返済する。

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ちょっとややこしいですが、まず、この流れを頭に入れてください。そうしてもらえないと話が進まんのです。

 

謎かけ編

本日のお題はこちらです。

「政府は何のために国債を発行するのか?」

( ゚д゚)<どういうこと?

そりゃそうなりますよね。補足します。

 

国債がなくても政府支出はできる

もう一度仕訳図を見直してみましょう。

f:id:xbtomoki:20210112120419p:plain

これ、最後の4と5、つまり国債発行って無くてもよくないですか?

というのは、3まででいったん仕訳を合計してみると…

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これだけでも企業・家計はしっかりと請求しただけの銀行預金が振り込まれてますし、銀行は銀行預金(負債)が増えてますけど、その分は政府から日銀預金(資産)が振り込まれて増えてるので収支は±0です。

ということは、政府支出はこの3の時点で一応カタが付いとるわけであって、理屈上は、別に国債を発行しなくても、政府支出をつつがなく執り行うことは可能なはずです。

 

国債発行とは貸借関係の再構築

じゃあ、国債発行とはいったい何なのか。

3までの合計と5までの合計を比べてみましょう。

f:id:xbtomoki:20210112120914p:plain

[政府]-(T-Bill)-[日銀]-(日銀預金)-[銀行] が、

[政府]-(国債)-[銀行] こう変化しています。

政府-日銀間のT-Billと、日銀-銀行間の日銀預金を消し去って、政府-銀行間に新たに国債を作り出したわけですね。

要するに、この貸借関係の再構築が国債発行の本質であるわけです。

 

お題の趣旨

じゃあ、「なんでわざわざT-Billと日銀預金を消して国債を発行、なんていう面倒なことをやってるのか。」

こちらが本日のお題

「政府は何のために国債を発行するのか?」

の趣旨です。

 

解答編

「政府は何のために国債を発行するのか?」

まずは、これに対するMMTの解答を紹介します。

それに加えて、"こういう考え方もあるんじゃなかろうか"という私見も書かせていただこうかと思います。

 

MMTの解答

では、まずMMTの解答から行きましょう。

さっき見たとおり、国債発行をせずに、3でプロセスを終わらせたら、こうなるわけですね。

f:id:xbtomoki:20210112120634p:plain

ここで銀行に注目しますと、日銀預金が増えてます。

国債発行の目的は、これを解消することだ、というのがMMTの解答です。

( ゚д゚)<と言いますと?

国債発行をしないと仮定すると、政府支出をするたびに日銀預金総量が増えていきます。

もちろん徴税で減る分もあるわけですが、[4-2]で解説したとおり、政府収支は赤字(政府支出>徴税)が基本ですので、結局のところ、正味の増減量は増える方が優位になります。

銀行の日銀預金がどんどん増えると、[3-6]で解説したとおり、翌日物金利がどんどん下がります。

日銀には、"翌日物金利を適切な水準に保つ"という責務がありますので、下がった翌日物金利を上げ直して、適切な水準に戻すために売りオペをしなければなりません。ところが、国債が発行されてなければ、売る国債がありません。

もうおしまいです。銀行部門に日銀預金が溢れ返り、翌日物金利はただひたすらに下がっていきます。日銀の金利コントロールが効かなくなり、金融政策が破綻してしまいました。

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と、こんなことにならないように、政府は、政府支出の副産物として生まれた日銀預金を回収しなければなりません。

そこで、銀行にとって日銀預金よりもオイシイ金融資産である国債を発行して、それとの交換を持ちかけるわけです。

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銀行にとって国債購入とは

例えて言うと、銀行にとっての国債購入は、「当座預金から貯蓄性預金への振替」みたいなものです。当座預金って何(´・ω・ `)?っていう方は、「現金の銀行口座への預金」でもいいと思います。

さて、銀行が日銀預金を国債に振り替えたときのメリットは、利息収入が得られるようになることです。それに対してデメリットは、流動性が下がる(支払に使いづらくなる)ことです。でも、今なら日銀さんが「いつでも額面どおりの値段で買うよ」って宣言してるので、このデメリットは、あってないようなもんですね

でありますから、政府から「国債買わない?」なんていうお誘いがあれば、メリットしか無いので、銀行はこれを断る理由がありません。政府も首尾よく日銀預金を回収できて万々歳となります。

これが国債発行の目的であり本質だ、というのがMMTの解答です。これのどこが"借金"なんでしょうか。

 

これは私見なんですが・・・

"増えてしまった日銀預金の回収"が国債発行の本質であるのは疑いようが無いわけですが、ちょっと斜め方向から別の見方もしてみようかと思います。

( ゚д゚)<と言いますと?

しつこいようですが、国債発行をせずに、3でプロセスを終わらせたら、こうなるわけですね。

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ここでやはり銀行に注目すると、日銀預金と銀行預金が増えとるわけです。

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( ゚д゚)<それがどうした

ポイントは、(原則的には)日銀預金には利息が付かず、銀行預金には利息が付く、ということです。

 

さっきも言いましたが、政府収支は赤字(政府支出>徴税)が基本ですから、政府が国債を発行しないと、日銀預金と銀行預金はどんどん増えていきますので、このままでは、銀行の利息負担はどんどん重くなっていってしまいます。

これはさすがにフェアじゃない。銀行は政府支出を手伝わされて、その上、利息まで払わされてちゃあ、たまったもんじゃありません。

そんなこんなの原因を作った政府は、銀行預金の利息に見合うような利息が付く資産と交換してあげるのが筋っちゅうもんですよ。だから、国債っちゅうのは、銀行が政府にお情けで買ってあげるもんなんかじゃあない。逆だ。政府が銀行に「いつも世のため人のためにめんどくさい仕事を引き受けてくれてありがとよ」なんつって、感謝と労りの気持ちを持って渡してあげてるもんなんだと解釈するべきなんじゃないかと思います。

余談ですが、最近、銀行ってマイナス金利で日銀にシバかれて、半沢直樹で変なイメージ付けられて、総理大臣に「半分つぶすわw」とか言われて、可哀想すぎませんかね。菅さん、"地銀の生産性ガー"とか言うんだったら、さっさとマイナス金利やめようよ。あれ、何の意味があるんや。

 

 
それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

ときどき見かけるんですが、この手の財政破綻論ありますよね。

「銀行が国債を買わないって言い出したら、政府は資金調達ができなくなって財政破綻するー。クニノシャッキンガー。」

たしか小林慶一郎さんも言ってたかな。

www.tkfd.or.jp

 

まず、政府支出は、国債発行をしなくても政府支出のオペレーションをつつがなく執り行うことができます。ついでに言うと、政府支出は本質的にB払いなので、そもそも資金調達なんかする必要はありません。

よって、資金調達ができなくなって財政破綻するわけがありません。

 

もうひとつ、銀行が国債を買わないって言いだすわけがありません。

小林さんは、国債が特別に優良な金融商品であることを理解されていないのでしょう。そしてそれがどれだけ特別なことなのかも。

f:id:xbtomoki:20210111135935p:image

「元本割れなし」ってデカデカと書いてありますけど、こんなん国債の広告じゃなかったら、絶対詐欺ですからね。

銀行にとっての国債は、言ってみれば、[1口100円・1等101円・2等100円・ハズレ無し]のくじ引きみたいなものです。

小林さんは、「いや、銀行にはそのカネを株式投資とかに回すという選択肢もある。」という反論をされるかもしれませんが、銀行がやってるのは、"株か国債か"なんていう二者択一じゃないんですよ。両方買うことも、先に国債を買って、後で株に振り替えることも可能なんです。

通常、銀行の最も合理的な行動は、「いったん国債を買って安全資産を確保しておいて、もし、その後にリスクを取って株を買いたくなったら国債を売って、株に振り替える。」でしょう。

政府としては、新規発行国債がいったん売れてしまえば、そこで日銀預金の回収は済んでしまいますので、その後、市場に売り出されても別に構いやしません。市場で銀行同士が売り買いしても、日銀預金の総量は変化しませんから。

よって、小林さんの描く財政破綻ストーリーは、まさに杞憂に過ぎないわけです。

なお、これは日本国債が円建てでデフォルトリスクがゼロであることが前提です。まかり間違って、政府が外貨建て国債を発行した場合は、[1口100円・1等101円・2等100円・ハズレ有り]になりますから、全然話が変わってきます。たぶん小林さんは、そこの区別ができてないのでしょう。

なんで日本国債が円建てである限り、デフォルトリスクはゼロなのかは、また後日、記事にしようと思います。

 

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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