経理屋が読み解く『MMT入門』

『MMT入門』(L・ランダル・レイ,2019,東洋経済新報社)をベースにMMTを解説します。ときには自分の思うところを書き綴ったり。

第2章 自国通貨の発行者による支出

2-7.章まとめ 自国通貨の発行者による支出

学生は皆、我々の通貨が「法定」-何も裏付けがない、単なる債権-だと知っている。通貨の裏側をのぞいてみよう。そこには何かあるのだろうか? 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 114/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいて…

2-6.爆発の条件

ジェームズ・ガルブレイスは、赤字支出の持続可能性を評価するための代表的なモデルを構築した。カギとなる公式は、こうだ。 Δd=-s+d*{(r-g)/(1+g)} ここで、dは当初の債務額対GDP比率、sは「プライマリー黒字」(すなわち、純支払利息を控除した後の財政黒字…

2-5.様々な取引とその仕訳

従って、一国の(閉鎖)経済を全体として捉えるならば、純金融資産は合計するとやはりゼロになる。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 138/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一…

2-4.租税が貨幣を動かす その3

今や先の質問-なぜ誰もが政府の「法定不換通貨」を受け取るのか?-に答えることができる。それは、政府の通貨が、政府に対して負っている租税などの金銭債務の履行において、政府によって受け取られる主要な(たいていは唯一の)ものだからである。租税の不…

2-3.租税が貨幣を動かす その2

今や先の質問-なぜ誰もが政府の「法定不換通貨」を受け取るのか?-に答えることができる。それは、政府の通貨が、政府に対して負っている租税などの金銭債務の履行において、政府によって受け取られる主要な(たいていは唯一の)ものだからである。租税の不…

2-2.租税が貨幣を動かす その1

今や先の質問-なぜ誰もが政府の「法定不換通貨」を受け取るのか?-に答えることができる。それは、政府の通貨が、政府に対して負っている租税などの金銭債務の履行において、政府によって受け取られる主要な(たいていは唯一の)ものだからである。租税の不…

2-1.「主権通貨」とは

国の通貨はしばしば「主権通貨」と呼ばれる。つまり、主権を有する政府により発行される通貨である。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 113/553pp 公式な計算尺度として認められる計算貨幣を決定する権限を有するのは、主権を有する政府だけである。さら…