租税は、「悪行」を思いとどまらせるために利用できるーその場合、租税の目的は「悪行」をなくすことなので、最適な水準の租税は悪行をなくし、ゆえに歳入をまったく生まないであろう。
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。
こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事注釈で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
目次
本日のお題
[5-1]では「税は財源ではない」ということを説明しました。
さらに、[5-4]では「税に再分配の機能はない」ということも説明しました。
この説明をすると、当然出てくる疑問が「じゃあ、税っていらなくない?」です。それに対してMMTは、「そんなことはない。税には複数の大事な機能と役割があるからだ。」と答えます。
- 「租税は貨幣を動かす」
- 「租税は総需要を減らす」
と2つの機能を紹介してきました。
続きまして、本日のお題はこちらです。
( ゚д゚)<ババン!
「租税は"悪行"を減らす。」
「租税は"悪行"を減らす。」とは
ではまず、「租税は"悪行"を減らす。」
そもそもこのフレーズがどういう意味なのかを説明しましょう。ちなみに、悪行に" "が付いているのには意味があります。
それでは、今回は理屈をこねる前にまず実例を示すスタイルでいってみましょう。
私でございます
租税が"悪行"を減らした実例がこちらです。
まるで成長していない・・・
— たか (@ta_ka270) January 23, 2021
安西先生の画像を拝見し
xb(@xbtomoki)さんの
正岡子規を安西先生風に描きました。 pic.twitter.com/YNlC75YuDN
そうです。私でございます。私のアイコンはたかさんのイラストを使わせていただいております。
実は私、去年2020年の4月末から禁煙をしとりまして、それ以来、いまのところ1本も吸っておりません。すごいでしょ。
( ゚д゚)<はいはい。ごいすー。
(´・ω・ `)<でしょー?では、私が禁煙に成功した秘訣をお教えしましょう。
( ゚д゚)<いや、別に聞いてへんよ。
(´・ω・ `)<えっ?
( ゚д゚)<えっ?
(´・ω・ `)<まずですね…
( ゚д゚)<聞いてへんっちゅうに。
(´・ω・ `)<えっ?
( ゚д゚)<なにこのひとこわい。
xb式禁煙術
まずはよくある禁煙本を買って、タバコ依存のメカニズムとかを勉強しました。
そして1週間くらい禁煙しては解禁し、しばらくして再禁煙しては1週間くらいで解禁するというサイクルを5,6回繰り返して、
(´・ω・ `)<私には禁煙は無理なのかもしれない…
と、私は諦めかけました。
そんなある日、ふと思ったんです。
(´・ω・ `)<もし毎月1万円貯めたら、いったいいくらのお金が貯まるんだろう…
私の喫煙ペースは20箱/月くらいだったので、月々のタバコ代が1万円くらいでした。1万円/月てことは12万円/年になるわけで、これを年利5%で20年積み立てたらどうなるかを計算してみました。すると、
(`・ω・´)<400万貯まるやんけ!逆に考えれば20年で400万もタバコにカネ使うことになるんか!わいはもっと別のことに使いたい!やめた!
かくしてタバコ税は私を禁煙させることに見事成功したのでした。
めでたしめでたし。
タバコ税がぎょうさんかかっとる
( ゚д゚)<つまり、どういうことだってばよ。
(´・ω・ `)<つまり、わいが禁煙できたんはタバコ代が高かったからや。ほいで、なんでタバコ代が高かったんかっちゅうたら、タバコ税がぎょうさんかかっとるからや。
財務省さんによると、1箱540円のタバコ代のうち、333.97円はタバコ税だそうです。もしタバコ税というものが存在せず、タバコが1箱200円だったら、私のタバコ代は48000円/年だったことになります。これでさっきと同じ計算をしてみると…
(´・ω・ `)<170万か。そんくらいなら気にすることもないな。
と、こんなにうまくいくかは分かりませんが、
私個人ではなく、もし全国1400万人の喫煙者の方々へ訴えかける場合には、「170万かかりますよ」より「400万かかりますよ」の方がより多くの人に禁煙を決意させることは間違いありません。
ミクロでは不確かなことがマクロでは自明になったりするんです。不思議ですね。
租税は"悪行"を減らす
政府が国民に対して、
( ゚д゚)<○○するのやめてほしいねん。
と伝えたいときには、いくつかの手段があります。
いちばん強烈なのは"犯罪として取り締まる"です。その他にも、"反則行為(駐車違反とか)として取り締まる"とか、"行政処分(営業停止命令とか)を出す"とか、いろいろ選択肢があります。
そのいろんな選択肢の中でもかなりマイルドなものとして、「やめてほしい行為に課税する」というものもあります。
ある行為に課税すれば、マクロ視点では必ずその行為をする人は減ります。その行為にかかるコストが増えるからです。
これが「租税は"悪行"を減らす。」の意味するところです。
なぜ悪行に" "が付いてるのかは、こちらの動画をどうぞ。
要するに、ここで言う"悪行"とは、絶対的なリアルガチ悪行を意味するのではなく、「政府がやめてほしい行為」という意味です。
親の心、子知らず
但し、政府が課税している行為=政府が悪行と見なしている行為、とは限りません。例えば、住民税という税がありますが、まさか住民であることを悪行と見なしているわけではないでしょう…たぶん…
いや、住民であることを否定すると税制優遇を受けられる仕組みがありましたね。やっぱり住民であるのは"悪行"かもしれません。
さて、日本にはおよそ40種類のさまざまな税があります。
私の見た印象に過ぎませんが、この一覧からは、悪行防止を目的としてるっぽい税は見つけられません。もしかすると、政治家は租税が"悪行"を減らすことを知らないのかもしれないという気すらしてきます。
が、しかし、租税は生みの親が何を考えているかなんか気にもかけず、粛々と"悪行"を減らします。
こちらは個人消費の推移です。適用された消費税率別に色分けしています。
2000年~2014年の期間ですでにじわじわと減っているわけですが、2014年の5%→8%の増税で実質消費はL字型にシフトダウンしたような推移をしています。8%→10%の影響はコロナショックで不明瞭になっていますが、少なくとも上がってはいません。
消費税は、5%→8%→10%とパワーアップしながら、粛々といまもせっせと消費を減らし続けています。
( ゚д゚)<消費税には別の目的があるから!
(´・ω・ `)<そういう話じゃないねん。消費税は消費を減らすよねって、そんだけのことを言っとんねや。話をすり替えるのやめんしゃいや。だいたいな、目的を持っとんのはあんたであって、消費税に人格はないやろ。
"善行"を増やすこともできる
租税は悪行を減らすわけですが、これを利用してちょっと工夫すれば"善行"を増やすこともできます。
例えば、所得税と住民税には分離課税という仕組みがあります。
これは投資周りなんかではメジャーな話題なのですが、かなりざっくり説明すると、「利子とか配当として得た所得は、給与とか事業とかで得た所得とは別の税率を適用します。」というものです。
給与所得等にかかる税率は累進制で最高55%ですが、分離課税時の税率は一律20%になっています。
ですから、同じ1億円の所得でも、それが給与所得なら5500万円が徴収されます。手残りは4500万です。ところが、もしそれが利子所得なら2000万しか徴収されず、8000万の手残りとなります。
つまり、働いて給与を得るより、利子や配当の不労所得を稼いだ方が3500万もおトクな仕組みになっているわけです。
(゚⊿゚)<さあ、みなさん、もう働くのはやめて、一日中画面とにらめっこしながら株を売ったり買ったりして暮らしましょう!
(´・ω・ `)<お前、正気か?
悪行税は税収を生まない
さて、政府はタバコ税を課すことで税収を得るわけですが、そしたらタバコ税をじゃんじゃん増税していけば、税収をじゃんじゃん増やすことができるでしょうか。
( ゚д゚)<喫煙者にとってタバコ税が"大したことない"うちはそうかもしれんけど、じゃんじゃんしていったら、そのうち"大したことある"額になってきて、そしたらみんなじゃんじゃん禁煙するけー、いつかは喫煙者が絶滅してタバコ税の税収はゼロになるんちゃうか。
(´・ω・ `)<えっ?
( ゚д゚)<えっ?違うんか?
(´・ω・ `)<そのとおりや。
( ゚д゚)<お前ほんまええかげんにせえよ。
おまけ
なお、本記事に禁煙を推奨したり、礼賛したりする意図はありません。
喫煙したい人は喫煙すればいいし、禁煙したい人は禁煙すればいいと思います。別に私が禁煙できたことをすごいとも思いませんし。
( ゚д゚)<すごいでしょ言うてたやないか。
(´・ω・ `)<えっ?
( ゚д゚)<もうやだこのひとこわい。
禁煙すると、節約できることは確かですけど、健康についてはどうなんでしょう…とりあえずいまのところは変わりないです。体重も食事の量も変わってないです。
タバコの話題は、あんまり深くつっこむと怖い人が湧いてきそうなのでこのへんで・・・
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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