次に、フォーステイターはこう述べたー何に課税するかを決めるための基本理念は、「悪に課税せよ、善ではなく」であるべきだ。
『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 288/553pp
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。
こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事注釈で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
目次
補遺でございます
補遺(読み)ホイデジタル大辞泉の解説もれたりした事柄をあとからおぎない加えること。また、そのもの。「全集の補遺編」
前回記事でおっぱいがどーのこーのとかふざけたせいで手軽に読めるボリュームを超えそうになって書ききれなかったテーマがありますので、前回を第5章の〆にするつもりだったのですが、もう1本記事を書いておこうと思います。
無税国家は可能か
[5-1]でこんなことを書いたわけですが、「税は不要なのでは?」にちゃんと答えてませんでした。
ただ、「税は何者なのか?」については、もう答えは出ています。"税"とは、政府が国民から一方的にカネを徴収する制度のことです。答えはこれ以上でも以下でもありません。「税とはいったい何なんだろう・・・」なんていう思索は哲学者に任せることにします。おまけに書いたとおり、下手に意味付けをしようとすると、ろくなことになりません。
ということで、問題になるのは「税は不要なのでは?」、こちらの疑問だけです。これについて答えるために、次回以降では、税の果たす機能と役割を解説していこうと思います。
5-1.税は財源ではない ver.3 - 国債乱発派のMMT解説
結論から言うと、
無税国家は不可能です。
"租税は貨幣を動かす"とはどういう意味だったかを確認しましょう。
租税には主権通貨をちゃんと主権通貨として通用させる役割があるわけです。
5-2.租税は貨幣を動かす - 国債乱発派のMMT解説
ですので、無税国家にするということは、主権通貨を捨てるということです。
続いて、"税は財源ではない"とはどういう意味だったかも確認しましょう。
主権通貨を持つ国の政府は、支出をするために事前に徴税をする必要は無く、たとえ税収がゼロであっても、いくらでも支出することができる。
5-1.税は財源ではない ver.3 - 国債乱発派のMMT解説
ですから、主権通貨を持たない国の政府は、"税は財源ではない"が通用しないので、税を徴収しなければ政府支出ができません。
よって、無税国家は成り立たない、というわけです。
悪に課税せよ、善ではなく
これはどちらかと言うと、べき論なので、税にまつわる7つの事実のような絶対的な話ではないのですが・・・
[5-2]のモズラーの名刺の話、( ゚д゚)<皿洗いするー!ってやつを思い出していただくと、税というシステムの根本的な目的は、"国民を公共目的のために働かせること"でした。
「であれば、租税は"悪行"を減らすわけだから、公共目的に適うような行為つまり"善行"に課税して"善行"を減らすのは、国民の善行を減らすことで国民を善行へと仕向けているわけで、これはとても非効率だ。どうせ課税するのであれば、"悪行"に課税した方が効率的だ。悪に課税せよ、善ではなく。」
ランダル・レイさんは『MMT現代貨幣理論入門』の中で、このように述べています。
"悪い税"ランキング
前回記事でランダル・レイさんが考える"善を課税対象にしてしまっている税"つまり"悪い税"として、社会保険料・消費税・法人税を紹介しました。法人税については、納得できないところがありますが、社会保険料と消費税については、廃止するべきという意見におおいにあぐりーです。
さて、日本には本当にたくさんの税目があります。財務省のホームページにまとめられてたのを数えたら48種類ありました。
社会保険料・消費税の問題は前回で説明済みですので、それ以外で私が考える"善を課税対象にしてしまっている税"つまり"悪い税"ランキングを書かせてもらおうと思います。以下の内容にMMTは関係ありません。
第1位 住民税
- 課税対象:住所を持つこと
- 税率:所得の10%+5000円
- 課税根拠:地域社会の会費
何がいかんのか。
住所を持つなってことでしょうか。
さらに(非課税限度額はありますが)税率がフラットなので低所得者ほど負担がきつい逆進性の税になっています。
そして課税根拠が根拠になっていない。税は財源ではない、と何回言えば・・・
さっさと廃止して、所得税に一元化するべきだと思います。
住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか? : 財務省
第2位 相続税
- 課税対象:相続をすること
- 税率:課税遺産総額が3000万円から課税、最高55%
- 課税根拠:富の再分配
何がいかんのか。
相続するなってことでしょうか。相続する人は(普通は)したくてしとるわけではありません。
何が問題なのかは私がダラダラ書くよりもこちらの動画を見ていただければと思います。
GHQが埋め込んだ相続税という日本破壊装置(安藤裕×森井じゅん)
そしてこれも課税根拠が根拠になっていない。税に再分配の機能は無い。
第3位 入湯税
- 課税対象:温泉に入ること
- 税額:1回150円程度
- 課税根拠:不明
温泉旅館に泊まったときに税金(入湯税や宿泊税)がかかりました。あれはどういう税ですか? : 財務省
第4位以下
以下、まとめて書きます。どれも何がいかんのかさっぱり分からん・・・
おまけ
本日のおまけはおすすめ動画です。
国民の9割が騙されている?池上彰の大嘘 国庫の資金繰りを徹底解説(室伏謙一×森井じゅん)
森井さん、さいきんよく見ますね。地上波にもツテのある方が積極的に発信していただけるのは心強いです。
さて、内容なんですが、序盤の12分あたりまでで、 [4-3]で私がダラダラと説明した内容がイラストを使って分かりやすく簡潔に説明されています。
やはり、税は財源ではないし、国債も財源ではない。
政府は支出するためにカネが必要になったら自分で作って支払う(B払い)ができるんです。
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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