経理屋が読み解く『MMT入門』

『MMT入門』(L・ランダル・レイ,2019,東洋経済新報社)をベースにMMTを解説します。ときには自分の思うところを書き綴ったり。

【0-1】イントロダクションその1:政府の役割

For the past 4,000 years (“at least”, as Keynes put it), our monetary system has been a “state money system”. To simplify, that is one in which the state chooses the money of account, imposes obligations (taxes, tribute, tithes, fines, and fees), denominated in that money unit, and issues a currency accepted in payment of those obligations.

ー過去4000年(ケインズが言うには、これは"少なくとも"である)の昔から、そして現在においても、我々の貨幣システムは「政府型の貨幣システム」である。

 「政府型の貨幣システム」とは、ざっと説明すると、次のようなものである。まず政府(またはこれに類する公権力)がカネの単位を決める。そして、政府は国民に税や罰金等の義務を課す。その義務の大きさは最初に決めたカネの単位によって表す。続いて、政府は国民に通貨を発行する。国民が政府から通貨を受け取り、今度は逆に先に述べた義務の支払のために、この通貨を政府へ差し出したとき、政府はこれを受け取る。

『Modern Money Theory:A Primer on Macroeconomics for Sovereign Monetary Systems』kindle版 21/453pp(訳文:xb)

 

当ブログは以下の記事の内容を理解していただいていることを前提に執筆しています。

xbtomoki.hatenablog.com

xbtomoki.hatenablog.com

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログは、『MMT入門』(ランダル・レイ(著) 島倉原(監訳) 鈴木正徳(訳)、通称"金ピカ本")の内容を解説するものです。

MMTを勉強したいと思って金ピカ本を買ってみたものの、書いてあることがいまいち分からん」という人に向けて、いくばくかの助けになればという考えをもとに書いています。

なお、こちらが英語版(原版)です。こちらも適宜参照しながら書いていきます。

 

 

目次

 

本日のお題

(´・ω・ `)<ほいだら、本編はじめよか。

( ゚д゚)<うい、まずは何からやろうっちゅうんや。

(´・ω・ `)<まずはポイントのところだけをざっと説明して雰囲気を掴んでもらおうかの。なんでそうなっとるんかとか、データの裏付けはあるんかとか、そーゆーあんまり詳細な部分とかは端折って、結論のところだけを説明していこう。

( ゚д゚)<ほんほん。

(´・ω・ `)<まず最初のポイントは貨幣っていうシステムの中で政府がどんな役割を果たしとるんかっちゅう話から行こうかの。よろしゅう。

( ゚д゚)<まかしときー。

(´・ω・ `)<ちゃうちゃう、ぼくが教える側よ。

( ゚д゚)<おお、こりゃいかん。

(´・ω・ `)<ほいじゃ、よろしゅう。

( ゚д゚)<まかしときー。

(´・ω・ `)<ダメだこりゃ。

 

1.政府の重要性

MMTは「貨幣」というシステムにおける政府の存在・役割を極めて重要かつ特別なものであると位置づけます。これは従来の経済学が政府を個人や企業と同列に扱うのと対照的です。

 

1.1 政府は通貨単位とカネの量の基準を定める

貨幣システムにおける政府の役割の第一は「通貨の単位を決める」ことです。例えば日本の政府は通貨の単位を"円"と定めていますし、アメリカの政府は"ドル"と定めています。ここで単位を決めるのは通貨(政府が発行するカネ)であって、貨幣一般ではないことに注意してください。

そして政府はこの単位を用いて、次の2つを行います。

  • 課税=国民に税や罰金等の(政府に通貨を支払わなければならないという)債務を課す。
  • 支出=国民に仕事の報酬として、または単に年金等の給付として、もしくは貸し出しとして通貨を支出する。

政府が通貨の単位を定め、その単位を使って課税・支出の量を表せば、カネの量の基準が定まります。

( ゚д゚)<は?どういうこと?

(´・ω・ `)<んとな、例えば、ぼくが政府やとしよう。きみは国民な。

( ゚д゚)<なんでや。ぼくも政府がええわ。

(´・ω・ `)<それやと説明しづらいんや。ちょっと我慢してくれるか。

( ゚д゚)<しゃーないの。クソが。

(´・ω・ `)<はいはいクソクソ。

( ゚д゚)<適当に流されたわ。クソが。

(´・ω・ `)<まずは通貨単位を決めようか。せやな…「ポンポン」にしよか。我が国の通貨単位は「ポンポン」や。

( ゚д゚)<はいはい、ポンポンね。

(´・ω・ `)<いや、「ジージー」にするか…どっちがええと思う?

( ゚д゚)<どっちでもええわ。ポンポンにしとけ。

(´・ω・ `)<そか、そこまで言うならポンポンにしとくかの。

( ゚д゚)<クレヨンしんちゃんか。で?ぼくは何したらええの?

(´・ω・ `)<うむ、きみに仕事をお願いしよう。庭のお花を水をあげるんや。そしたら100ポンポンをあげよう。

( ゚д゚)<なんやそれ、もうちょっとアクティブなやつにしてや。

(´・ω・ `)<うーん、じゃあ、でんぐり返しをしなさい。1でんぐりにつき、10ポンポンをあげよう。

( ゚д゚)<いや、そこそこアクティブやけれども。もっとこう、なんつうか、その、あるじゃろ。他にもいろいろさ。

(´・ω・ `)<文句ばっか言いよるやつじゃの。まあええわ。とにかく、これで10ポンポンはどのくらいのもんか、100ポンポンはどのくらいのもんかってのが定まったじゃろ。

( ゚д゚)<10ポンポンはでんぐり返し1回分くらいで、100ポンポンは水やり1回分くらいってこと?

(´・ω・ `)<そうそう。100ポンポンはでんぐり返し10回分とも言えるな。

(´・ω・ `)<その他にも水たまりにはまっとる虫さんを助けてあげるとか、月の光を集めるとか、いろいろ仕事はあるわな。

( ゚д゚)<なんやきみ妖精の国から来たんか?

(´・ω・ `)<はいはいクソクソ。

( ゚д゚)<どうやら違うみたいじゃの。

(´・ω・ `)<で、そういうのにそれぞれ5ポンポンだの、20ポンポンだのと報酬を定めれば、それぞれの金額がどのくらいの仕事に見合うもんかが定まっていって、さらにそれぞれの仕事同士の価値の大小の関係が定まっていくわけやな。「カネの量の基準が定まる」ってのはそういうことや。

 

1.2 課税の意味

( ゚д゚)<あれ?今の話、課税が出てきてなくない?

(´・ω・ `)<おっ、ええところに気づいたの。そのとおり。通貨の量の基準を定める、つまりは「どのくらいの金額がどのくらいの仕事に見合うかを決める」ってのに課税は直接的には関係ないんよ。

( ゚д゚)<えっ、どういうこと?

(´・ω・ `)<んと、それはな…ところで、きみさっき「でんぐり返しで10ポンポン」ってのをナチュラルに受け入れとったけど、そんなんもらってどうするん?コンビニでお弁当でも買うんか?

( ゚д゚)<いやいや、コンビニでいきなり「100ポンポン払いますね」とか言っても、「どうしたのかなー?お腹が痛いのかなー?」ってなるだけじゃろ。

(´・ω・ `)<そんならポンポンなんかもらっても意味ないやんけ。

( ゚д゚)<それはそうやけど、ポンポンで払うってのはきみが言い出したんやないか。

(´・ω・ `)<それはそれ、これはこれ。

( ゚д゚)<えええ…

( ゚д゚)<じゃあ、ポンポンなんかいらんわ。でんぐり返しもやらんぞ。

(´・ω・ `)<そりゃそうなるよな。でも、それやとぼくは困るんよ。ぼくは私利私欲のためにでんぐり返しをしてくれって言っとるわけじゃないんよ。国民みんなの暮らしを良くするために必要な仕事じゃけー、お願いしとんじゃ。

( ゚д゚)<なんかいまいちピンと来んな。でんぐり返しってのが良くないんちゃうか。

(´・ω・ `)<それはぼくも薄々勘づいとるところやけれども、もう引っ込みがつかへん。このまま行くわ。

( ゚д゚)<そか。そんならもう好きにしたらええ。

(´・ω・ `)<おう。そうさせてもらうわ。でな、ぼくはきみにでんぐり返しをしてほしいんじゃ。 でも単に「報酬はポンポンで」って言うんじゃあ、きみはでんぐってくれへんわけよ。

( ゚д゚)<ほんほん。どうしたもんかの。

(´・ω・ `)<ということで、しかたがないので、きみに課税をします。

( ゚д゚)<えっ。

(´・ω・ `)<来月中にぼくに100ポンポンを払いなさい。払わんかったらしばき倒す。

( ゚д゚)<むちゃくちゃ言いよんな、きみ。

(´・ω・ `)<だまらっしゃい。きみが取れる選択肢はしばき倒されるか、でんぐり返しでカネを稼いでぼくに100ポンポンを支払うか、この2つしかない。

( ゚д゚)<いやいや、めちゃくちゃやて、それ。

(´・ω・ `)<めちゃくちゃで結構。きみに「ポンポンが欲しいです」って言わせるためなら理屈もへったくれも知ったことか。

( ゚д゚)<んー、納得はできひんけど、そう来られたらぼくはでんぐり返ししてでもポンポンをもらわなあかんな。

(´・ω・ `)<うむ、よろしい。はよ。

( ゚д゚)<「はよ」ちゃうわ。え?ガチでやらせようとしとる?

(´・ω・ `)<うむ、はよ。

( ゚д゚)<「うむ」ちゃうて。やらんよ。

(´・ω・ `)<しゃーないの。まあ今日のところは勘弁したるわ。とりあえず課税がどういう役割を果たすもんかは分かったじゃろ。

( ゚д゚)<ほいほい、じゃけー、要するに「支出でカネの量の基準が定まる」ってのが成り立つには、国民に支出を受け取ってもらわなあかんくて、国民をそうさせるためには事前に課税っていうお膳立てを効かせとかなあかんってことか。

(´・ω・ `)<いえすざっつらいと。

 

2.中央銀行とは

さて、ここから先の話題に進むには中央銀行についての知識が必要になります。そこで中央銀行についてざっと説明をしておきましょう。

中央銀行は各国にそれぞれ1つだけある特別な銀行です。日本の中央銀行は「日本銀行」で、アメリカには「FRB」、イギリスには「BOE」があります。

ユーロ圏は特殊で、国と中央銀行が1:1の関係ではなく、「ECB」という1つの銀行が全ユーロ加盟国共通の中央銀行になっています。ECBはフランスの中央銀行であり、イタリアの中央銀行でもあり、ドイツ・スペイン・ギリシャ等々の中央銀行でもある、という仕組みになっています。

中央銀行と対になる用語に市中銀行があります。これはりそな銀行三菱UFJ銀行等の普通の銀行(中央銀行以外の銀行)のことです。なお、以降、単に「銀行」と言うときは市中銀行のことを指します。

以下、中央銀行の特徴をいくつか挙げていきましょう。

 

2.1 中央銀行の取引先

中央銀行は一般の個人や企業向けには預金口座を作ってくれません。中央銀行府と銀行等の金融機関だけに預金口座を作ります。

 

2.2 預金の呼称

市中銀行の預金は、保有者が大企業だろうが、個人だろうが、全てまとめて「銀行預金」と呼びますが、中央銀行の場合は政府保有の預金は《政府預金》で、金融機関保有の預金は《日銀当座預金と別々の呼称になっています。もちろん「日銀当座預金」は日本銀行だけが使っている呼称です。英語では金融機関が中央銀行保有する預金のことをreserve(=準備預金)と言います。

 

2.3 中央銀行の目的

中央銀行市中銀行のように利益を上げることを目的とする組織ではありません。大事なことなのでもう一度言います。 中央銀行は利益を目的とする組織ではありません。

中央銀行の目的は次の3つです。

  • 政府の財政活動(支出や徴税)に伴う政府預金口座の入出金を処理すること
  • 市中銀行の送金や融資等の業務が円滑に行われるようにすること
  • 各種の金利が適切な水準になるようにコントロールすること

 

2.4 中央銀行の位置付け

中央銀行建前上は政府から独立した機関ということになっています。

日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。

日本銀行法 第3条第1項

ですが、中央銀行実質的には紛れもなく政府の支配下にある組織の1つであり、実際には独立なんかしていません。この点については、財務省総務省といった一般的な国の官庁と何も違いはなく、「独立した組織だ」と捉えてしまうと今後のいろいろな部分の理解に支障をきたすことになります。こんな建前になっているのは歴史的な経緯によるものです。詳しいことは割愛します。

なぜこのように言えるかというと、政府は中央銀行のトップ(=日本銀行の場合は「総裁」)の人事権を握っている、すなわち政府は誰を総裁にするかを決める権限を持っているからです。

総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。

ー同法  第23条第1項

政府は自分の言うことを聞く人物しか総裁に選びませんので、中央銀行は政府の方針に忠実に動きます。

安倍さんが総理になってすぐに日銀は異次元緩和に動きましたし、岸田さんが総理になったら今度は利上げの方向に舵を切ったことはその証左です。

 

3.政府の支出は常にB払いである

政府は支出をするときには、常に通貨の支払によってこれを行います。ということは、「政府の支出は常にB払いである。」と言えます。

このことを確認するために通貨とはどんなものであるのかを少し詳しく見ていきましょう。

 

3.1 通貨とは

【G-3】のとおり、「通貨」とは「政府または中央銀行(以降、まとめて「政府部門」と言います。)が発行するカネ」のことです。

この定義に当てはまるもの(=通貨)にはいくつか種類があり、その主なものは次のとおりです。

( ゚д゚)<「国債」って何じゃい。

(´・ω・ `)<ざっと説明するとな、まずぼくが政府から「国債(コクサイ)」って書かれたチケットを買います。値段は例えば100万円です。

( ゚д゚)<ほんほん。えらい高ぇの。

(´・ω・ `)<100万ってのは例えばの額じゃけ、気にせんでええよ。

( ゚д゚)<そか、で?

(´・ω・ `)<このチケットには「10年後に政府はこれを101万円で買い取ります。」って書いてあります。

( ゚д゚)<100万円で買ったら、10年後に101万円になって返ってくるってこと?

(´・ω・ `)<そういうことや。国債を買うと、10年間は手持ちが100万円だけ少なくなってしまうけど、10年後には確実に1万円の儲けが出る。

( ゚д゚)<なんやそれ。お金が余っとる人やったら買えば買うほどお得やんけ。そんなええ話があるんやったら、ぼくも欲しいんじゃけど。

(´・ω・ `)<国債は誰でも買えるで。銀行か証券会社に行って「国債を買いたいです」って言えば、きみでも買える。実際の返ってくる金額は今やと100万分買ったら、10年後に100万5000円くらいやけどな。あと、割は下がるけど3年とか5年で返ってくるやつもあるし、100万円分も買わんでも1万円から買えるで。

( ゚д゚)<ほーん。ほいで、政府はなんでそんなもんをせっせと作っとんの?金持ちにカネを配りたいんか?にしては、えらい回りくどい方法じゃの。

(´・ω・ `)<なかなかええとこ突いとるけど、そのへんはもうちょっと複雑じゃけー、また今度にしよう。とりあえず今のところは国債ってのはそんな感じのもんって話だけにしとこか。

( ゚д゚)<ほーい。

(´・ω・ `)<ああ、あと、後から「債券(サイケン)」と「償還(ショウカン)」っていうワードが出てくるけー、説明しとくな。

( ゚д゚)<ほいほい、どうぞ。

(´・ω・ `)<「債券」は国債みたいな「買ったら、買ったときの値段よりちょっと上乗せされた額が後で返ってくる」っていう仕組みのチケット全般のことや。国債は債券の一種ってことやな。債券には企業が発行する「社債」とか、自治体が発行する「地方債」とか、国債以外にもいろいろ種類があるよ。ちなみに上乗せ分を最後にまとめてじゃなくて、1年ごととかで分割払いしてもらえるやつもある。

( ゚д゚)<ほんほん。

(´・ω・ `)<「償還」は債券の発行者が期限が到来した債券を買い取る行為のことや。さっきの話なら、10年後の「101万円で買い取る」っていう行為のことやな。この2つは覚えといてや。

( ゚д゚)<まかしときー。

 

3.2 通貨は全て政府部門の負債

日銀当座預金国債・硬貨・紙幣 (以降、硬貨と紙幣はまとめて「現金」と言います。)といった通貨はいずれの種類のものも全て政府部門にとっては負債です。

 

3.2.1 日銀当座預金が負債である理由

日本銀行市中銀行から「日銀当座預金と引き換えに現金をください」と言われたら、それに応じなければなりません。よって、市中銀行の銀行預金が負債であるのと同じ理由(【G-3】参照)で、日銀当座預金は政府部門にとっては負債であると言えます。

 

3.2.2 国債が負債である理由

政府は国債の発行から5年や10年といった期間が経てば、国債保有者へ所定の金額を支払わなければなりませんので、これが政府部門にとって負債であることは明らかです。

 

3.2.3 現金が負債である理由

残るは現金ですが、これが「政府部門にとっては負債である」というのはいまいちピンと来ないかもしれません。なぜ現金も日銀当座預金国債と同じく負債なのでしょうか。

それは政府が国民から現金を差し出されたときに、それと引き換えにその国民が負っている税債務を政府の帳簿から削除しなければならない(税の徴収を放棄しなければならない)からです。

( ゚д゚)<分からん分からん。

(´・ω・ `)<借入金が負債なのはもう覚えたじゃろ?

( ゚д゚)<うい。きみがぼくからカネを借りとったら、きみはぼくにカネを払わなあかんけー、そりゃ負債やな。

(´・ω・ `)<せや。そしたら、きみがぼくからカネを借りとる場合のことを考えてみよう。

( ゚д゚)<いやです。

(´・ω・ `)<・・・そしたらぼくがきみにカネを貸しとる場合のことを考えてみようか。

( ゚д゚)<おう。それならええで。

(´・ω・ `)<よし、金額は例えば100円にしよか。ぼくはきみに100円の貸付金があって、てことは、きみはぼくに100円の借入金があるわけやな。

( ゚д゚)<てめえ、騙しやがったな。

(´・ω・ `)<きみがアホなだけじゃ。

( ゚д゚)<まあそういうことにしといたるわ。で?

(´・ω・ `)<ここでやな、ぼくもきみから100円を借りとったらどうやろうか。お互いに100円を貸し合っとる状態や。

( ゚д゚)<え?そんな状況あります?

(´・ω・ `)<その疑問はもっともやけど、ここではあることにしといてくれるか。

( ゚д゚)<そか、しゃーないの。それやったら、ぼくはきみに返済なんかせんでええじゃろ。お互いの借金を相殺して帳消しじゃ。

(´・ω・ `)<ざっつらいと。じゃあ今度はきみが100円分の「ポンポン券」を持っとったらどうや。ポンポン券はそれを持っとれば、ぼくからの借金をその額面分だけ帳消しにしてもらえる便利なチケットや。

( ゚д゚)<それもおんなじことや。ぼくはポンポン券をきみに渡して、借金はチャラや。

(´・ω・ `)<てことは?

( ゚д゚)<相手にポンポン券を持たれとることは借入金があるのと同じってことになるな。

(´・ω・ `)<てことや。じゃけー、国民が税債務を帳消しにできるチケットである現金は政府部門にとっては負債なんよ。

( ゚д゚)<んー、なんか分かったような分からんような…

(´・ω・ `)<まあまだ始めの始めじゃけ、そんなもんじゃろ。話が進んでいったら自然と分かってくるけー。とりあえず現金は政府にとっては負債なんやって無理やり叩きこんどきんしゃい。

 

3.3 政府支出=B払いについてのまとめ

以上のとおり、通貨(現金・日銀当座預金国債)はいずれも政府自身にとっては負債です。そして政府は支出をするときには必ず通貨を発行して支払をします。

ということは、政府の支出は常に負債の発行による支払であり、「負債の発行による支払」とはすなわちB払いのことですから、ここから「政府の支出は常にB払いである」という重要な結論を導き出すことができます。

 

4.まとめ

政府は通貨の単位を決め、その単位を使って課税と支出をします。なお、この支出は常にB払いで行われます。

課税によって国民は通貨を入手しなければならなくなり、政府は国民に対して支出をする(仕事の対価として国民に通貨を受け取ってもらう)ことが可能になります。

そして、政府が様々な仕事にそれぞれの額の支出をすることでカネの量の基準が定まります。

ここに「政府が課税という前提を敷き、それから通貨を支出して、徴税のときにその通貨を回収する」という、この循環的なプロセスが成立します。そしてこのプロセスは国民経済に貨幣システムの基礎を与えます。私たち国民が行っている様々な経済活動はその基礎の上に成り立っているのです。

従来の経済学は貨幣システムを空気とか引力とか、そんなものと同じように"初めからそこにあるもの"として考えますが、MMTの考え方はそうではありません。

貨幣システムは自然に成立しているものではなく、政府からその基礎を与えられています。

貨幣システムにおいて、政府は企業や個人と横並びに語るべき存在ではありません。政府はその基礎の部分の仕組みを決定する力を持つ、という特別かつ最も重要な存在です。

 

それでは本日ここまで。

 

 

 

おまけ

最近、車通勤中に「MMTを知ってほしい会」さんの動画をラジオみたいにして聞いています。

www.youtube.com

特にzoomで勉強会形式でやっているやつをよく聞いてまして、nyunさんの回も第1回から第4回まで聞きました。さすがnyunさんというか、しっかり準備されているのが分かりますし、説明も正確だし、聞きごたえがありますね。次回以降も楽しみです。

ただ、第4回の終盤のヒサノさんの質問のくだりでうまくやり取りがなされていなかった感じだったのが残念だったので、ヒサノさんがこの記事を読んでくれるかは分かりませんが、ここで私なりに答えてみようかと思います。

www.youtube.com

ヒサノさんのご質問は、私の理解できたものだと「特定の相手に向けられて発行された債務証書が、どのようにして一般に通用する決済手段としての"貨幣"に変化するのか」ということだったようです。

これは例えば、Aさんが「今度、お魚を渡しますね」という債務証書をBさんに向けて発行し、Bさんがこれを受け取ったとします。ここで、BさんはAさんがお魚を釣って来てくれるまで債務証書を持っておかずに、例えばお肉の代金としてCさんへ渡し、そこからさらにC→D→E→F→・・・と債務証書が渡っていくような状況をイメージされているものと考えます。

つまり、ヒサノさんはこういうことを言われていたのでしょう。

  1. 貨幣は「お魚を渡す」や「お肉を渡す」といったいろんな仕事と等価のもの、すなわち交換できるものだ。
  2. その貨幣はもともとは債務証書だったという説明があった。
  3. しかし債務証書は"いろんな"仕事ではなく、特定の仕事との交換しか約束されていないものだ。
  4. ということは、「もともとは債務証書だった」という説明が正しいならば、どこかに債務証書(特定の仕事と交換できるもの)から貨幣(あらゆる仕事と交換できるもの)に変化する瞬間が存在しなければ辻褄が合わない。
  5. では、その"瞬間"とはいったいどのようなものであるか。

動画のやり取りの中ではこの質問に対して、"債務ヒエラルキー"や"課税による通貨需要創出"ということで説明しようとされている場面もありましたが、それではヒサノさんの言われるとおり、答えには行きつかないでしょう。

これに対する私の答えをここから書いていこうと思ったのですが、ちょっとパパっと答えるのは無理そうだと気づきまして、それにたまたまですが、次回に予定している内容にも関わってくるところですので、次回のおまけで書くことにします。乞うご期待。

( ゚д゚)<なんじゃそら。

(´・ω・ `)<ほっほっ、すまんの。

( ゚д゚)<すまんで済んだら、警察はいらんのんじゃ。

(´・ω・ `)<それ、よー言われるけど、すまんで済んでいらんのは警察やなくて裁判所ちゃうかな。

 

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

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