経理屋が読み解く『MMT入門』

『MMT入門』(L・ランダル・レイ,2019,東洋経済新報社)をベースにMMTを解説します。ときには自分の思うところを書き綴ったり。

第7章 主権通貨の金融政策と財政政策

7-5.輸出より自給を、輸入より自給を

国全体で見れば、実物的観点では、輸出は費用であり、輸入は便益である。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 402/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 xbtomoki.hate…

7-4.政府は赤字であるべきだ

さらに、(クリントン政権時代のような)政府の財政黒字は偉業として称賛されるようなことではないと認識すべきであるー政府の財政黒字とは恒等式の産物であって、その意味するところは民間部門の赤字である(経常収支黒字の国の場合を除く)。民間部門は、通貨…

7-3.機能的財政論

1940年代、アバ・ラーナーは、彼が「政策に対する機能的財政アプローチ」と呼ぶものを考案した。そこで彼は2つの原則を提示した。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 365/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書い…

7-2.政府支出は"手加減"されるべきだ

公的利用に配分するために民間利用から抜き取る資源が多いほど、政府部門が膨張して民間部門が小さくなりすぎる可能性が高くなる。公共目的達成のために十分な資源を配分する一方で、民間の目的達成のために民間部門にも十分な資源供給を残しておく必要があ…

7-1.政府はいくらでも支出することができる

本章では、政府には自国通貨で売られるものなら何でも購入できる「支出能力」があることを前提として、政府の適切な役割について一般通念とは異なる考え方を検討する。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 355/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記…