経理屋が読み解く『MMT入門』

『MMT入門』(L・ランダル・レイ,2019,東洋経済新報社)をベースにMMTを解説します。ときには自分の思うところを書き綴ったり。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

7-2.政府支出は"手加減"されるべきだ

公的利用に配分するために民間利用から抜き取る資源が多いほど、政府部門が膨張して民間部門が小さくなりすぎる可能性が高くなる。公共目的達成のために十分な資源を配分する一方で、民間の目的達成のために民間部門にも十分な資源供給を残しておく必要があ…

7-1.政府はいくらでも支出することができる

本章では、政府には自国通貨で売られるものなら何でも購入できる「支出能力」があることを前提として、政府の適切な役割について一般通念とは異なる考え方を検討する。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 355/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記…

6-7.ユーロの欠陥(4)

確かに、変動為替相場を採用する国でも、為替レートへの圧力を避けるために国内政策に制約を設けるかもしれない。しかし、固定為替相場を採用している政府は、固定するという約束についてデフォルトを強いられる可能性がある。一方、変動相場制もしくは管理…

6-6.ユーロの欠陥(3)

マクロ会計の恒等式によって、経常収支赤字は、政府部門と国内民間部門の赤字の合計に等しくなければならない。『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 339/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方…