国債乱発派のMMT解説

ランダル・レイ教授の『MMT入門』をベースにMMTを解説します。ついでに自分の思うところなんかも伝えられたらと思います。ツイッターはこちらhttps://mobile.twitter.com/xbtomoki

10-7.税は財源ではない その3【財政赤字は不健全ではない】

 

MMTは、通貨を発行する国家権力と租税債務を課す国家権力の間には密接な関係があると強調してきた。簡単に言えば、「租税が貨幣を動かす」のだ。また、主権を有する政府は支出のために租税収入を必要としないことも明らかにしてきた。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 494/553pp

 

当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

xbtomoki.hatenablog.com

 

目次 

 

【税は財源ではない】とは

【税は財源ではない】をフルバージョンで言うと、【私たちは財政の仕組みについて数多くの誤解をしている。私たちはそれらを正さなければならない。例えば、税は財源ではない。】となります。「税は財源ではない」は、その例示部分だけを抜き出したものです。

前回までで次の2つの間違いを説明してきました。

  • 【政府は支出をするとき、その財源を確保しなければならない】[10-5]
  • 国債は税金だけでは足りない財源を調達するために発行する"国の借金"である】[10-6]

 

本日のお題

( ゚д゚)<まだまだあるんか?

(´・ω・ `)<おう。まだまだあるで。

ということで、今回のお題もこちらです。

【税は財源ではない】

(´・ω・ `)<続きまして〜

( ゚д゚)<続きまして〜?

(´・ω・ `)<これ↓いっとこか。

(゚⊿゚)<政府の財政は危機的状況だ!毎年多額の財政赤字を計上し、債務残高対GDP比は250%を超えている!このままでは財政が破綻してしまう!政府は財政健全化を急がなくては!

( ゚д゚)<ああ、これね。

 

財政に関する誤解 その3
財政赤字は"不健全"だ」

国債は「政府は、●年後に、これの保有者に対して▲円を支払います」という約束が書かれた債券ですが、この約束どおりにカネを支払うことを《償還》と言います。

銀行が国債を買うのは、この《償還》がきちんと行われることが前提です。銀行がもしも「この国債は償還されないだろう」と判断したら、その国債は売れません。

そこで生まれたのがこのような↓誤解です。

(゚⊿゚)<国債が売れないなんてことがあったら、財政が破綻してしまう。だから政府は「国債はちゃんと償還される」という"市場の信認"を失ってはいけないんだ。そして政府が国債を間違いなく償還できるようにするためには、財政を健全な状態に保つ必要がある。

( ゚д゚)<健全な状態、と言いますと?

(゚⊿゚)<健全財政には2つの要素がある。1つは財政収支だ。財政黒字は健全で、財政赤字は不健全ということだな。そしてもう1つは政府の債務残高対GDP比だ。これは当然、低ければ低いほど良い。

(´・ω・ `)<全部違うぞ笑笑
(´・ω・ `)<勉強しろ笑笑

( ゚д゚)<全部違うんか?

(´・ω・ `)<全部違うな。(゚⊿゚)<国債が売れなくなったら財政が破綻してしまう〜、ってとこからいきなり違う。国債が売れんくても、別に何にも起こらんよ。

財政赤字であること・債務残高対GDP比が多いことは"不健全"であり、"不健全"な財政は市場の信認を失って破綻する】

これは間違った理解です。

そもそも、[10-6]のとおり、国債発行に特に意味はありません。

(´・ω・ `)<特に意味が無いのに、どういう理屈でそれができんようになったら財政が破綻すんねん。訳が分からんぞ。

f:id:xbtomoki:20220424215656p:image

(´・ω・ `)<ほれ、ついに訳が分からないよなおじさんまで出てきてもうたがな。

(゚⊿゚)<なんなんだそのおじさんは。

(´・ω・ `)<訳が分からないことに対してズバッと「訳が分からないよな」と言ってくれるありがたいおじさんや。ひれ伏せ。

(゚⊿゚)<なんでそんな訳の分からんおじさんにひれ伏さなきゃならんのだ。

(´・ω・ `)<訳が分からないよなおじさんは訳が分からないことに対してズバッと「訳が分からないよな」と言ってくれるおじさんであって、訳が分からないおじさんではないで。

(゚⊿゚)<あーもう、訳が分からんぞ。

f:id:xbtomoki:20220424215656p:image

(゚⊿゚)<出てこなくてよろしい。余計に訳が分からんようになる。

(゚⊿゚)<どうしたらこのおじさんは帰ってくれるんだ?

f:id:xbtomoki:20220424220259p:image

(゚⊿゚)<おい、いったんひれ伏してやるから助けてくれないか。

(´・ω・ `)<しゃーないの。話が進まんけー、このへんにしとこか。

(゚⊿゚)<ははーっ。

(´・ω・ `)<うし。

(゚⊿゚)<で、何だったかな。

(´・ω・ `)<[10-6]のとおり、国債発行に意味なんか無いんよ。そんなもんが成立せんかったから言うて財政が破綻するわけないじゃろちゅうとんじゃ。

(´・ω・ `)<まあたしかに"市場の信認"とかいうのが無くなったら国債が売れんようにはなるやろうけど、[10-5]で政府支出に財源なんかいらんよって教えたやろ。国債が売れんくても財政には何の支障も無いけー、"市場の信認"を失っても財政は破綻せんのんじゃ。

(´・ω・ `)<ついでに言うと、いくらでも支出できる政府が国債を償還できなくなるわけが無いんじゃけー、"市場の信認"を失うこともありえんのんじゃ。

(´・ω・ `)<てことはな、財政赤字も債務残高も"市場の信認”とは何の関係もないんよ。

(´・ω・ `)<てことは、どういうことか分かるか?

(゚⊿゚)<????訳が分からんぞ・・・

 

(゚⊿゚)<なんであのおじさんが出てこんのだ。

(´・ω・ `)<訳分かってへんのがきみだけやからちゃうか。ええか?きみは【財政赤字・債務残高対GDP比が多い→市場の信認を失う→財政破綻】って話をしとったやろ?

(゚⊿゚)<そうだ。よく分かってるじゃないか。

(´・ω・ `)<でもな、財政赤字も債務残高も"市場の信認"とは何の関係もないし、"市場の信認"と財政破綻も何の関係もないんよ。せやからな、この↓3つ、全部無関係やねん。

(´・ω・ `)<じゃけー、きみがペラペラしゃべっとった話はただの思い込みっちゅうか、願望っちゅうか、要するにイデオロギーやねん。

(´・ω・ `)<イデオロギーに基づいて運営されとる財政のどこが健全やねん、真反対やんけ。

( ゚д゚)<エッチな絵は不健全だ。なぜなら私はエッチな絵が嫌いだからだ。ということは、エッチな絵は不健全だ。よって、エッチな絵とエッチな絵を描く人間は、全てこの世から抹殺されるべきだ。

(´・ω・ `)<きみの話な、これ↑と大差無いんよ。

(゚⊿゚)<Oh,no!!!

 

国債償還とは

国債償還の仕訳は、こう↓です。

この取引は政府が銀行に政府預金を振り込む形の取引なので、政府預金が残高不足だと成立しません。

が、[10-5]のとおり、政府は政府預金の残高をいくらでも補充できますので、「国債はちゃんと償還される」という"市場の信認"が裏切られることはありません。

もし仮にあるとすれば、それは政府が何らかの理由であえて償還しないことを選択したときだけです。

 

財政赤字とは

財政収支とは、政府の歳入(≒税収)と支出の差額のことであり、歳入の方が多いことを「財政黒字」、支出の方が多いことを「財政赤字」と呼びます。

[10-5]のとおり、政府支出に財源は必要ないので、財政赤字/黒字のどちらであろうが、財政破綻とは何の関係もありません。

 

財政赤字の意味

( ゚д゚)<赤字でも黒字でも財政破綻とは関係ないんやったら、これも国債発行みたいに実は何の意味も無かったりするん?

(´・ω・ `)<いや、財政収支は「財政が破綻するかどうか」っていう話をしとるときやったら赤字でも黒字でもどうでもええんやけど、何にも意味がないっていうわけちゃうで。

財政赤字が持つ意味を理解するために必要なのは【赤字=キモい】とか、そういうアホみたいな図式ではなく、【誰かの赤字は必ず誰かの黒字である】という事実と、そこから導出される《マクロ会計の恒等式です。

( ゚д゚)<マクロ会計の恒等式って何やったっけ?

(´・ω・ `)<[1-4]でやった、これ↓のことよ。

マクロ会計の恒等式を政府部門について整理すると、こう↓なります。

これは【政府部門の収支が常に非政府部門(民間部門+国外部門)の収支と裏表の関係にある】ことであり、そこから分かるのは、こういう↓ことです。

  • 財政赤字》が意味するものは、非政府部門の黒字である。
  • 《財政収支黒字化》が意味するものは、非政府部門収支の赤字化である。

特に、財政収支黒字化の中身が国内民間部門への増税または支出削減であるとき、「非政府部門」は「民間部門」に限定され、【財政収支黒字化が意味するものは、民間部門の赤字化である】と言うことができます。

( ゚д゚)<ほいだら、むしろ財政赤字になってた方がぼくらはハッピーってことか?

(´・ω・ `)<んー、[7-4]のとおり、政府が財政黒字を目指そうとすれば、民間部門がえらい目にあってしまうけー、政府は基本的には赤字であるべきってのはそのとおりや。けど、だからちゅうて、政府が赤字を出せば出すだけ国民がハッピーになるってわけではないで。

( ゚д゚)<ほんほん。と言いますと?

(´・ω・ `)<まあまあ、そこまでつっこむと「財政の仕組みの説明」の範疇を超えてしまうけー、その話はまた今度な。

 

債務残高とは

「債務残高」とは、発行済みの国債のうち、まだ償還していない分の金額の合計のことです。

よって、債務残高は政府が国債を発行した分だけ増えて、償還した分だけ減ります。これを数式で表すと、こう↓なります。

一方、現行の財政運営ルールは、毎年の財政赤字+国債償還の額だけ国債を発行することになっています。これを数式で表すと、こう↓なります。

この2つを組み合わせると、こう↓なって、

つまり、現行ルールでは、債務残高は毎年財政赤字の額だけ増えます。

( ゚д゚)<ほいだら、債務残高はこれまでの財政赤字が積み重なったもんってことか?

(´・ω・ `)<いえすざっつらいとや。

( ゚д゚)<ほんほん。それで「財政赤字だと債務残高が増えて、債務残高が増えたら償還しなきゃならん国債が増えて、償還しきれなくなったら破綻する〜」って言うとるわけか。

(´・ω・ `)<まあそんなとこやな。もちろん、いくらでも償還できるけー、いくら増えても破綻なんかせんのやけどな。

 

債務残高の意味

  • 【債務残高=財政赤字の累積】
  • 財政赤字=非政府部門黒字】
  • 【黒字の累積=純資産】

これらをつなげると、【債務残高=非政府部門黒字の累積=非政府部門の純資産】ということになります。よって、政府が債務残高を減らそうとするならば、それは非政府部門の純資産を減らすことを意味します。

 

債務残高対GDP比とは

「債務残高対GDP比」とは、債務残高を名目GDPの金額で割った値のことです。例えば2020年時点で、日本の債務残高は約1400兆円で、名目GDPは約540兆円だったので、債務残高対GDP比は1400÷540≒260%となります。

 

債務残高対GDP比の意味

( ゚д゚)<なんでGDPで割るん?

(゚⊿゚)<いいか?例えば、単に「100万円の借金がある」と言っても、年収1億円の人にとっての借金100万円と年収100万円の人にとっての借金100万円では借金の重みが違うだろう。どのくらいの収入を得られるか、というのと比較しないと正確な借金の重みは分からないんだよ。

( ゚д゚)<そか。シャッキンシャッキンうるせえの。まあええわ。ほいで、なんでそれがGDPで割ることになるん?

(゚⊿゚)<これを国に当てはめれば、国の借金は税金で返していくんだから、国がどのくらいの税収を得られるか、というのと比較しようという話になるわけだ。そして「国がどのくらいの税収を得られるか」を見るにはGDPが最も良い指標だから、GDPで割るんだ。

( ゚д゚)<国債は借金ちゃう言うてるやろ。ええかげん覚えろ。まあそれも置いといたるわ。ほいだら、GDPで割った値が260%やったらどのくらいの税収になるん?

(゚⊿゚)<ああ、いや、具体的に税収がいくらと分かるわけではないんだよ。

( ゚д゚)<なんじゃそらwww

(゚⊿゚)<いや、そうじゃなくて、GDPで割るのは外国と比較するためなんだ。

( ゚д゚)<さっき「国がどのくらいの税収を得られるかを見るにはGDPが最も良い指標だから、GDPで割るんだ」って言ってたやんけwwwどっちなんwwww

(゚⊿゚)<とりあえず、ほら、このグラフを見なさい。日本は債務残高対GDP比が飛び抜けて大きいだろう?だから財政健全化が必要なんだ。

( ゚д゚)<ほーん。これが小さかったら債務残高を減らさんでもええの?

(゚⊿゚)<いや、債務残高はゼロが理想だ。財政赤字と債務残高を削減する努力は常に必要だぞ。

( ゚д゚)<さっき「日本は債務残高対GDP比が飛び抜けて大きいから、財政健全化が必要」って言うたやんけwwどっちなんwwwwwもう訳が分からんぞwww

(゚⊿゚)<また出た!

( ゚д゚)<外国と比べた結果がどうだろうが結局「財政健全化が必要だ!」って言うんやろwwじゃあ比べる意味ねえじゃんwwwwwてことはGDPで割る意味もねえじゃんwwww

 

まとめ

  • 政府が国債を償還できなくなってしまうことはありません。
  • 財政赤字=非政府部門の黒字】【財政黒字化=非政府部門赤字化】であり、「財政赤字」は財政破綻とは関係ありません。
  • 財政収支黒字化の中身が国内民間部門への増税または支出削減であるとき、【財政黒字化=民間部門赤字化】と言えます。
  • 「債務残高」とは財政赤字の累計であり、財政破綻とは関係ありません。
  • 政府が債務残高を減らそうとすることは、非政府部門の純資産を減らすことを意味します。
  • 財政破綻とは関係ない債務残高をGDPで割った「債務残高対GDP比」も財政破綻とは関係ありません。

よって、(゚⊿゚)<財政赤字と債務残高対GDP比が多いから、政府の財政は破綻寸前だ!財政赤字と債務残高対GDP比を減らして健全化しなければならない!というのは完全に間違った理解です。

財政赤字・債務残高・債務残高対GDP比は"不健全"なものではなく、これらによって財政が"市場の信認"を失って破綻することはありません。そもそも財政は"市場の信認"を失っても破綻しません。

財政赤字は、「不健全」だとか「エッチ」だとか「キモい」だとか、そういうイメージで捉えるのではなく、「民間部門(+国外部門)の黒字の裏返しとして存在するもの」という客観的事実に基づいて理解されるべきものです。

債務残高をGDPで割ると、債務残高をGDPで割った値がいくらなのかが分かります。ただそれだけです。「だから何?」と聞いたところで答えは返ってきません。その値に意味なんか無いからです。

その無意味なものが外国より高い数値であることを「不健全だ!」と騒ぐ人の狙いは…私には「【財政赤字=悪】というイメージを広めたい」以外に考えられませんが・・・

(´・ω・ `)<さて、ここで問題です。

( ゚д゚)<ババン!

(´・ω・ `)<こういう「特定のイデオロギーを大衆に刷り込むために事実を捻じ曲げて広報すること」をなんて言うでしょう?

(゚⊿゚)<プロパガンダ!!

( ゚д゚)<分かっとるやないか。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

たまには話題のニュースにコメントなんかをしてみようかと・・・

news.yahoo.co.jp

人への投資では、賃上げ税制導入のほか、預貯金を資産運用に誘導する仕組みの創設などで「資産所得倍増プラン」を進めると説明した。

・・・(´・ω・ `)

本当にみんながたくさんカネを持ってさえいればみんながハッピーになると思うんやったら、自分(政府)がカネ作って配ればいいじゃん。まあ、それじゃ何の解決にならんので、そうするべきだとは思いませんが。カネが無くて生活が成り立ってない人が多すぎる現状への応急処置として100万円くらいの現金一律給付が必要だとは思いますよ。

とはいえ、岸田さんにこういう話をしたところで「ナントカの信認ガー」とか全然関係ない話をしてくるだけで、議論が成り立たんのでしょうけどね。

それでも河野太郎よりはマシだったんかなあ・・・(´・ω・ `)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

10-6.税は財源ではない その2【国債は借金ではない】

 

MMTは、通貨を発行する国家権力と租税債務を課す国家権力の間には密接な関係があると強調してきた。簡単に言えば、「租税が貨幣を動かす」のだ。また、主権を有する政府は支出のために租税収入を必要としないことも明らかにしてきた。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 494/553pp

 

当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

xbtomoki.hatenablog.com

 

目次 

 

【税は財源ではない】とは

【税は財源ではない】をフルバージョンで言うと、【私たちは財政の仕組みについて数多くの誤解をしている。私たちはそれらを正さなければならない。例えば、税は財源ではない。】となります。「税は財源ではない」は、その例示部分だけを抜き出したものです。

前回は、【政府は支出をするとき、その財源を確保しなければならない】というのは間違いであることを説明しました。

 

本日のお題

( ゚д゚)<「数多く」っちゅうことは、財源なんかいらないよって話以外にもまだまだあるんか?

(´・ω・ `)<おう。まだまだあるで。

ということで、今回のお題もこちらです。

【税は財源ではない】

( ゚д゚)<ほいじゃあ、お次は?

(´・ω・ `)<これ↓、いっとこか。

(゚⊿゚)<国債とはつまり、分かりやすく言うと、"国の借金"だな。

( ゚д゚)<ああ、これ。

 

財政に関する誤解 その2
国債は"国の借金"である」

国債とは、例えば「政府は10年後に、これの保有者に1兆円を支払います」みたいなことが書いてある債券です。政府はこれを発行して、額面価格(1兆円)より少し安い価格、例えば9900億円で銀行等の金融機関に売る、という国債発行オペレーションを日常的に行っています。仕訳は、こう↓です。

この取引では、政府の政府預金が増えて、銀行の日銀当座預金が減るわけですが、これをこのように↓理解する人がいます。

(゚⊿゚)<これは政府が9900億円を銀行から借りて、10年後に100億円の利息を付けて返済するようなものだ。そして政府が国債を発行するのは税金だけでは支出の財源が足りないときがあるからだ。つまり家計が生活費が足りないときに借金をして、その場を凌ぐのと同じようなものだなww

(´・ω・ `)<全然違うぞ笑笑
(´・ω・ `)<勉強しろ笑笑

( ゚д゚)<全然違うんか?

(´・ω・ `)<国債は家計の借金とは全然違うで。政府が国債を発行するのは政府預金を増やすためじゃなくて、銀行の日銀当座預金を減らすためなんよ。

国債は税金だけでは足りない財源を調達するために発行する"国の借金"である】

これは間違った理解です。前回の[10-5]で説明したとおり、政府はいくらでも政府預金の残高を補充できますし、国庫短期証券という便利な仕組みも構築しています。

(´・ω・ `)<じゃけー、"税金だけでは財源が足りない"なんてことがそもそもありえんのよ。

(゚⊿゚)<なんだと!

(´・ω・ `)<せやからな、「国債は税金だけでは足りない財源を調達するために発行するものだ」とかな、どこが間違っとるっていうか、まるごと何言ってんのか意味不明やねん。こんだけ意味不明やと反論しようもないわ。「ペンギンはラクダから隠れるために地面に穴を掘るものだ」ってのに反論してみ?

(゚⊿゚)<Oh,no!!

 

見たいものだけを見て、全てを語ろうとするから

国債発行の仕訳と家計の借金の仕訳を比べてみると、仕訳の構造は全く同じになっています。

国債発行をすると、政府の政府預金が増えて、市中銀行の日銀当座預金が減ります。一方の家計の借金では、借り手の銀行預金が増えて、貸し手の銀行預金が減ります。

また、国債は「将来利息付きでカネを支払う約束」です。そして、家計が借金をすると、後々利息を付けて返済することを求められます。

なので、ここまでを見ると、国債は家計の借金と同じように見えるかもしれません。そして、家計が借金をするのは「カネを支払うための持ち合わせが無い」ときです。(゚⊿゚)<国債とは、政府がカネに困ったときにするクニノシャッキンなのです!という訳の分からん理解が生まれたのは、このへんからなんでしょう。

ですが、同じなのは

  • 仕訳の構造
  • 利息が付く負債

という2点だけです。仕訳の構造は同じだけど意味合いは全然違う取引なんかいくらでもありますし、負債のほとんどには利息が付きます。たったこれだけの情報から(゚⊿゚)<国債はクニノシャッキン!みたいなワンフレーズで全てを語ろうとするから訳の分からん理解が生まれるわけです。

まあ、「見たいものだけを見て、全てを見た気になる」ってのは誰でも陥りがちなもんです。気を付けたいですね(´・ω・ `)

 

目的は日銀当座預金の回収

しつこいようですが、もう一度、国債発行の仕訳を確認しましょう。

国債発行をすると、市中銀行の日銀当座預金が減ります。国債発行のプロセスで注目するべきなのは政府の仕訳ではなく、こっちの方です。

ここで、政府支出の仕訳も確認しましょう。

政府支出をすると、市中銀行の日銀当座預金が増えます。[9-4]のとおり、市中銀行の日銀当座預金が増えると、翌日物金利が下がります。

しかし、政府支出に併せて国債発行を行い、日銀当座預金を回収すれば、政府支出の翌日物金利への影響を打ち消すことができます。これが国債発行の狙いです。

つまり、[4-7]のとおり、国債発行の目的は、【政府支出のときに市中銀行に発生してしまう日銀当座預金を回収する】ことにあり、これは日銀の買いオペ・売りオペによる翌日物金利コントロールを可能にします。

( ゚д゚)<でもそんな支出のたびに国債発行しとったら国債金利が上がってしまわへんの?

(´・ω・ `)<[4-6]のとおり、国債金利は市場原理とは無関係に日銀が決めることができるけー、そんなことにはならんよ。

 

国債発行に意味なんか無いよ

ところで、[9-4]のとおり、翌日物金利は、補完当座預金制度適用利率(日銀当座預金に付く預金利息の利率)で下限を決めることができます。

翌日物金利は、いくら日銀当座預金がダブつこうが、これより下がることはありませんので、補完当座預金制度適用利率を上げれば、必ずそこまでは上がります。

さらに、日銀は基準貸付利率によって翌日物金利の上限も決めることができます。

つまり、別にわざわざ政府に国債発行で日銀当座預金を回収してもらわなくても、日銀はやろうと思えばいくらでも翌日物金利を思いどおりにコントロールすることができます。

( ゚д゚)<んと、国債発行の目的は、日銀当座預金を回収することで、そうすると、日銀が買いオペ・売りオペで翌日物金利をコントロールできるようになるんやんな?

(´・ω・ `)<せやで。

( ゚д゚)<けど、別に政府が国債を発行せんでも日銀は買いオペ・売りオペとは別の方法で翌日物金利をコントロールできるん?

(´・ω・ `)<そう言うとるがな。

( ゚д゚)<ほいだら…回収するけど、回収したところで特に意味は無いってこと?

(´・ω・ `)<せやの。

( ゚д゚)<じゃあ国債を発行する意味って何なん?

(´・ω・ `)<国債発行に意味なんか無いよ。

( ゚д゚)<えっ?

(´・ω・ `)<何にも無いよ。

( ゚д゚)<何にも無いんか。

(´・ω・ `)<まあ、何も無いっちゅうか、正確に言うと、「主権通貨国の政府にとっては」やけどな。

( ゚д゚)<ほいだら、主権通貨国じゃなかったら、意味あるんか?

(´・ω・ `)<んー、まあ、一応…

 

国債発行と金本位制

国債発行の意義は、金本位制等の固定相場制を採用している政府であれば、"一応は"合理的な説明ができます。

( ゚д゚)<金本位制って何やったっけ?

(´・ω・ `)<金本位制は、【政府部門が現金と日銀当座預金を一定レートで金と交換することを約束する】っていう謎ルールや。1970年頃までは日本もブレトンウッズ体制[6-1]っていう間接的な形で金本位制を採用しとったで。

( ゚д゚)<謎ルールなんか?

(´・ω・ `)<政府が発行した貨幣を金と交換する約束なんかして何になるん?

( ゚д゚)<なんか貨幣の価値の裏付けになるとか言うやんけ。金と交換できるから、少なくともその分の価値は保証されるけー、貨幣が流通するとか。

(´・ω・ `)<[10-4]で言うたとおり、租税は貨幣を動かすけー、金の裏付けなんか無くても貨幣は流通するで。現に金と交換なんかせんでもゴリゴリ流通しとるじゃん。金本位制の本質はそこちゃうよ。

( ゚д゚)<ほーん、じゃあどこなん?

(´・ω・ `)<さて、ここで問題です。

( ゚д゚)<ババン!

(´・ω・ `)<切り替えの速さよ。

( ゚д゚)<まかしときー。

(´・ω・ `)<政府部門がこの約束を確実に守れるようにするためには、つまり、いつ日本中の現金と日銀当座預金を全部集めてきて「金と交換しろ」って言う輩が現れても大丈夫なようにするには、どうしたらいい?

( ゚д゚)<知らん!

(´・ω・ `)<そか。正解はな、政府部門が持っとる金の量以上に貨幣を発行せんかったらええんよ。

( ゚д゚)<知ってた!

(´・ω・ `)<そか。

 

金本位制の本質

金本位制の本質は、金によって貨幣の"価値"を保証することではありません。そもそも、[番外4-1]のとおり、貨幣に価値なんかありません。

金本位制の本質は、[10-5]のとおり、本来ならいくらでも可能な政府の貨幣発行を金の保有量によって制限することにあります。

( ゚д゚)<ほーん。なるほどな。でもなんで政府の貨幣発行を制限するん?

(゚⊿゚)<政府がデタラメな貨幣発行をすると通貨の信認が失われてハイパーインフレが起きてしまうかもしれないじゃないか!

( ゚д゚)<なんやそれwwwんなアホな理由なわけないじゃろww

(´・ω・ `)<いや、金本位制が採用されとった理由は、ほんまにあのとおりやで。「政府の貨幣発行を制限しないとハイパーインフレが起きる〜」てな。

( ゚д゚)<まじんこ?

(´・ω・ `)<まじんこよ。じゃけー、謎ルールて言うとんのや。ほいで、国債発行が貨幣発行制限とどう関係してくるのかっちゅう話に進もうか。

 

貨幣回収による破綻回避

政府支出と徴税の仕訳を並べてみましょう。

日銀当座預金は、政府支出をすると増えて、徴税をすると減ります。よって、政府支出が徴税より多い、いわゆる財政赤字のときには、日銀当座預金が増えることになります。

そして、[7-4]のとおり、政府は財政赤字になるのが普通なので、日銀当座預金はどんどん増えていくのが普通です。

金本位制の下で日銀当座預金がどんどん増えれば、いつか金保有量による貨幣発行制限に到達して、政府支出ができなくなり、財政が破綻します。

( ゚д゚)<そしたら金本位制をやっとったら、いつかは必ず財政破綻するってこと?

(´・ω・ `)<いや、発行した日銀当座預金を回収したらええんよ。

( ゚д゚)<ああ、そこで国債を発行するんか。

(´・ω・ `)<そーゆーこっちゃ。

金本位制を採用する政府は、支出に併せて国債を発行して、日銀当座預金を回収することで貨幣発行制限による財政破綻を回避できます。

( ゚д゚)<たしかにこれなら納得できるっちゅうか、理屈は通るの。

(´・ω・ `)<せやろ。

( ゚д゚)<でもこれ、発行した国債の期限が来たら利息付けて支払わなあかんやん。そのときに貨幣発行することになるんちゃう?

(´・ω・ `)<そんなもんもっかい国債発行して回収したらええがな。

( ゚д゚)<ああ、なるほど・・・でも、それでええんやったら結局制限になってなくない?

(´・ω・ `)<せやで。貨幣発行を制限したいがための謎ルールなんじゃけど、結局制限になってないねん。訳が分からんじゃろ。じゃけー、謎ルールて言うとんじゃ。

なお、金本位制の貨幣発行制限を避けるには、もう1つの方法があります。徴税を増やして財政黒字にすることです。財政黒字なら、日銀当座預金は減っていき、貨幣発行制限が遠ざかります。しかし、この方法は国民の暮らしを貧しくします。

 

国債発行=貨幣と貨幣の交換

( ゚д゚)<いや、ちょっと待って。

(´・ω・ `)<なにかね?

( ゚д゚)<[10-3]で「国債は貨幣です」って言うてたやん。

(´・ω・ `)<せやで。国債は明らかに貨幣や。

( ゚д゚)<ほいだらさ、「国債発行して日銀当座預金を回収する」って、"国債"っていう貨幣と"日銀当座預金"っていう貨幣を交換しとるだけちゃう?

(´・ω・ `)<せやで。政府部門の負債を政府部門の負債と交換しとるだけや。じゃけー、何の意味も無いって言うとんのよ。

( ゚д゚)<ほんほん。

(´・ω・ `)<ただ、金本位制では、"金との交換を約束してない貨幣"(国債)と"金との交換を約束しとる貨幣"(日銀当座預金)を交換するから、そこでは意味が出てくるんよ。とはいえ、目的も仕組みも訳の分からん金本位制の中で出てくる意味がなんぼのもんなんやっちゅう話ではあるけどな。

( ゚д゚)<ほんほん。ほいだら、その金本位制もやめてしもうて、いよいよ意味無くなっとる国債発行を政府はなんで今でもやっとんの?

(´・ω・ `)<知らんけど、どーせ、

(゚⊿゚)<昔からそうしてるから!
(゚⊿゚)<それが当たり前だから!

(´・ω・ `)<とか、その辺やろ。あのコら、そもそも政府が貨幣を発行できることも貨幣がどんなものなのかも分かってへんのやで。「私たちはなぜ国債を発行しているのか」みたいな本質的な議論なんか期待できるもんかい。

 

銀行にとっての国債

なお、政府部門にとって国債と日銀当座預金に大した違いはありませんが、銀行にとっては日銀当座預金は利子が付かない資産であり、一方の国債は利子が付く資産ですから、これは大違いです。

つまり、国債の利息が重要な金融インフラである銀行への補助金の役割を果たしているという部分はたしかにあります。銀行がバタバタ潰れたら困りますし、そこをそう簡単には切れない、というところもあるのかもしれません。

ただ、補助金無しには成り立たないけど、社会に必要不可欠なインフラなんだったら、銀行なんか国有化しちゃえばいいじゃねえかと思うんですが、ちょっと急進的過ぎるかな(´・ω・ `)

 

まとめ

国債発行の意義は、政府支出のときに生まれた日銀当座預金を回収することにあります。政府が日銀当座預金を回収することで、日銀は買いオペ・売りオペによる翌日物金利コントロールが可能になります。但し、日銀は買いオペ・売りオペ以外の方法でも翌日物金利をコントロールできますので、それが可能になることに大した意味はありません。

以上より、(゚⊿゚)<国債は税金だけでは足りない財源を調達するために発行する"国の借金"だ!というのは完全に間違った理解だと言えます。

国債は"国の借金"ではなく、日銀当座預金という"政府部門の負債"を回収するために発行する"政府部門の負債"です。

国債発行とは"政府部門の負債"と"政府部門の負債"の交換であり、その2つの同じもの同士の交換に意味なんか当然ありません。

それに意味があったのは、「現金+日銀当座預金の発行量は政府の金保有量まで」と制限する金本位制の時代までです。金本位制では、国債を発行して日銀当座預金を回収することで貨幣発行制限に達しないよう、"スペース"を空ける必要がありました。

しかし、もはや金本位制は採用されていませんから、政府が国債を発行する意味は完全に失われています。

それでも政府が国債を発行している理由は、私には「なんだかよく分からないけれど、昔からそうしてるし、そうしないといけないような気がするから」だとしか考えられません。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

みなさんもうすでにご存じだとは思いますが、安藤先生が参議院選挙に出ます!!

「財源は国債でいい」ってのが、正直ちょっと気になるんですけどね(´・ω・ `)

とはいえ、少なくとも政策論は間違いなく誰より真っ当だと思いますので、応援したいと思います(`・ω・´)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

10-5.税は財源ではない その1【政府支出に財源はいらない】

 

MMTは、通貨を発行する国家権力と租税債務を課す国家権力の間には密接な関係があると強調してきた。簡単に言えば、「租税が貨幣を動かす」のだ。また、主権を有する政府は支出のために租税収入を必要としないことも明らかにしてきた。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 494/553pp

 

当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

xbtomoki.hatenablog.com

 

目次 

 

本日のお題

(´・ω・ `)<続きまして〜

( ゚д゚)<続きましてー?

(`・ω・´)<税は財源ではない!

( ゚д゚)<きみそれ好きやのー。

(`・ω・´)<おう!張り切って行ってみよう!

ということで、続いてのお題はこちらです。

【税は財源ではない】

(`・ω・´)<ほいじゃあよろしゅう!

( ゚д゚)<まかしときー。

(`・ω・´)<ちゃうちゃう!ぼくが教える側よ!

 

【税は財源ではない】とは

(゚⊿゚)<税は財源ではないだと!またそんなデタラメを!政府は現に税を財源として予算を組んでるじゃないか!現実に基づいた議論をしろ!

(゚⊿゚)<百歩譲って「税だけが財源ではない」なら認めてやらんこともないぞ!国債という財源もあるからな!

「税は財源ではない」と言うと、だいたいこんな反論が返ってくるのですが、【税は財源ではない】とは「『税』という政府が国民から一方的に貨幣を徴収する制度が『財源』という用語の定義に該当するかどうか」という議論ではありません。

つまり、「バナナはおやつに入りますか」みたいな話ではないわけです。

( ゚д゚)<じゃあどんな話なん。

(´・ω・ `)<こういうことよ。言うとくけど、ちょっと長いで。それと、ここから先の「政府」は[7-1]《主権通貨国》の政府を前提にしとるけーの。

 

誤解を正さなければならない

【税は財源ではない】をフルバージョンで言うと、【私たちは財政の仕組みについて数多くの誤解をしている。私たちはそれらを正さなければならない。例えば、税は財源ではない。】となります。「税は財源ではない」は、その例示部分だけを抜き出したものです。

 

さて、もう少し詳しく説明していきましょう。

政府の財政の仕組みについては、数多くの誤った理解が広まっていて、それら数多くの誤解は数多くの誤った政策決定を導いています。

数多くの誤解のうちで特に象徴的なのが「政府は支出をする前に支出するカネを調達しなければならない。税の徴収は、その調達の主な手段である。」という誤解です。これを短い言葉で表現すると、「税は政府支出の財源である」となります。

例えば、「税は政府支出の財源である」と信じる日本政府が東日本大震災からの復興のために、まず最初に行ったことは「復興特別所得税の創設」という増税でした。

政府はこのように↓考えたわけです。

(゚⊿゚)<復興事業をやろう!
(゚⊿゚)<となると、いろいろと支出をしなければならなくなるな。
(゚⊿゚)<だが、支出には財源が必要だ。
(゚⊿゚)<ということは、政府は復興事業を始める前にまず財源を確保しなければならないな。
(゚⊿゚)<よし、増税だ!

これは完全な間違いでした。政府は支出をするために財源を確保する必要なんかありません。この増税は国民の貨幣保有量をただ減らしただけで、復興の助けになることは全くありませんでした。

私たちは、「税は政府支出の財源である」以外にも財政に関する様々な誤解をしています。これらを正さなければ、これからも経済政策を間違い続けてしまうことになるでしょう。

間違った経済政策は、私たちの生活を貧しくします。私たちが貧しくなれば、その貧しさは将来世代にも引き継がれてしまうことになります。

しかし、これは逆に考えれば、私たちが財政に関する誤解を正すことで、私たち自身と将来世代が今よりずっと豊かな暮らしを手に入れることができる、ということでもあります。

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

正しい理解

それでは早速、財政に関する誤解たちを正していきたいと思いますが、「何が間違っているか」を語る前に「何が正しいのか」を示しておきましょう。

「あれは間違いだ、これも間違いだ」という話をされていったら、読み手はどこかで「じゃあ何が正解なのか」という疑問が湧いてくるでしょうし、それに何より、後出しジャンケンみたいになってしまうと、私の気持ちが落ち着きません。

ということで、政府の財政の仕組みの正しい理解はこちらです。

【政府の財政は、《政府支出》《徴税》の2つの要素だけで成り立っているものとして考えればよい。ここで、《政府支出》《徴税》の仕訳はそれぞれこのように↓なっている。】

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ここでポイントとなるところは、

  • 政府支出と徴税は基本的には別々のものである
  • 政府支出の前には何も必要ない
  • 政府支出と徴税は真逆の取引であり、2つを合計すると互いが完全に相殺されて、全部がゼロになる
  • 2つを並べるなら、順番は必ず政府支出→徴税の順である
  • 国債」はどこにも現れない
  • 政府と日銀をまとめて統合政府として考えた方がよい

正しい理解の説明は、ここではいったんこのくらいにとどめておきます。これは全ての間違いを正し終わった後に説明した方がおそらく分かりやすいと思いますので。

 

財政に関する誤解 その1
「政府支出には財源が必要である」

民間企業A社がX銀行の口座から、民間企業B社のY銀行の口座にカネを振り込むときの仕訳は、[9-3]のとおり、こういう↓感じです。

f:id:xbtomoki:20220407103321p:plain

この取引によってA社の銀行預金残高が減って、B社の銀行預金残高が増えます。

ところで、もしこのときにA社の残高が振込額に対して不足していたら、例えば残高が100万円しかないのに、振込用紙に1億円と書いてX銀行の窓口に行ったらどうなるでしょう。

それはもちろん、(´・ω・ `)<残高不足です。受け付けられません。と断られます。

 

さて、政府がB社にカネを振り込むときの仕訳は、[9-3]のとおり、こんな感じです。

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X銀行が日本銀行に変わったのと、政府が日本銀行に持つ預金に《政府預金》という名前が付いていること以外は、A社からB社への振込と同じです。

なので、もしも政府が残高不足の状態で振込用紙を持ってきたら、日本銀行(´・ω・ `)<残高不足です。受け付けられません。と言うでしょう。

ここから生まれた「財政に関する誤解その1」がこちら↓です。

(゚⊿゚)<であるからして、政府は政府預金が残高不足になってしまわないように努めなければならないのだ!

( ゚д゚)<努めるって具体的には何するん?

(゚⊿゚)<ただ単に支出をすれば残高が減ってしまうわけだから、そうならないように支出するカネをどこかから調達してから、もしくは調達のメドを立ててから支出するようにしろ、つまり「支出するなら財源を確保しろ」と言っているわけだな。

(´・ω・ `)<そんなことせんでええんよ。

( ゚д゚)<あれ?ええんか?

(´・ω・ `)<ええんよ。政府預金が残高不足で困ってしまう可能性なんか無いけーの。

【政府は支出をするとき、その財源を確保しなければならない】

これは間違った理解です。政府は支出の財源を確保する必要なんかありません。なぜ(゚⊿゚)が財源を確保しろと言ってるのかといえば、それは"政府預金が残高不足になるのを防ぐため"ですが、そもそも政府預金が残高不足になることは無いからです。

 

政府はいくらでも貨幣を発行できる

[10-2]のとおり、貨幣の本質は人と人との約束であり、人間の意思さえあれば、貨幣はいくらでも作り出すことができます。なお、「人と人」ですから、貨幣を発行できるのは政府や銀行だけではありません。貨幣を発行する能力は誰にでもあります。

しかし、「人と人の約束」ですから、その約束を受け入れてくれる人がいなければ、貨幣を発行することはできません。

つまり、貨幣を発行する能力は誰にでもありますが、実際に発行をするには「発行した貨幣を相手が受け取ってくれるならば」という条件をクリアしなければなりません。

そしてこれは逆に考えれば、【自身が発行する貨幣を必ずいくらでも受け取ってくれる相手がいるならば、その人はいくらでも貨幣を発行することができる(B払いができる)】ということでもあります。

そしてさらに[10-4]のとおり、租税は貨幣を動かしますから、政府は国民に税債務を負わせることによって、自らが発行する貨幣を必ず受け取らせることができます。

これらを全て合わせて考えれば、【政府はいくらでも貨幣を発行することができる】と言うことができます。

いくらでも貨幣を発行できるわけですから、仮に政府預金が残高不足になったとしても、政府は例えば1兆円玉でも作って、それを日銀に支払い、引き換えに政府預金を発行してもらえば、すぐに残高不足は解消されます。仕訳はこう↓なります。

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1兆円で足りなければ10兆円玉でも100兆円玉でもかまいません。

いくらでも現金を発行して受け取らせることができる、ということは、このようにしていくらでも預金残高を補充することができるということです。そんな政府が残高不足で困ってしまうような状況に陥るわけがありません。

 

実際には国庫短期証券を発行している

ところで、この1兆円玉というコインは「政府が1兆円の負債を発行した」ということを示す媒体に過ぎません。

[10-1]のとおり、負債(=貨幣)の"価値"は媒体の材料によって左右されたりしません。人間が知覚できるモノでさえあれば、コイン、紙、貝がら、石ころ、木の板、そして電子データ、何でも貨幣の媒体に使うことができますし、どれを使っても貨幣の"価値"に影響はありません。

要するに、実際には、政府はいまどき残高補充のためにいちいちコインを鋳造する必要なんか無くて、日銀と電子データを送受信するだけで済んでしまうわけです。

例えば、政府から日銀へ「政府は1兆円分の負債を日銀宛に発行します」というメールを送り、それから日銀から政府へ「分かりました。それでは、1兆円分の政府預金を発行します」と返事をすれば、それだけで取引は成立して残高が補充されます。

そして、この残高補充業務を頻繁に行うのであれば、毎回メールを送り合うより、システム化してしまった方が便利でしょう。

現に政府は国庫短期証券という政府預金が残高不足になりそうなときには日銀宛に負債を発行して残高を補充するシステムを構築していて、このシステムは現在進行形で運用されています。*1

ちなみに、国庫短期証券発行の仕訳は、こう↓なります。

f:id:xbtomoki:20220407113649p:plain

 

まとめ

いくらでも貨幣を発行できる政府は、政府預金が残高不足になりそうになったとしても、貨幣を発行するだけで、例えば1兆円玉を作って日銀に預け入れるだけで、容易に残高を補充できます。

よって、(゚⊿゚)<政府は政府預金が残高不足にならないように、支出するなら財源を確保しなければならない、という考え方は完全に間違っています。財源なんか確保しなくても、政府はいくらでも残高を補充することができるからです。

 

そして、もう1つ重要なのは、1兆円玉を作るより、もっと便利に電子的に処理ができる国庫短期証券というシステムが既に実際に構築されていることです。

つまり、ちゃんとした仕組みはもうあるんです。

問題は私たちがその仕組みのことを正しく理解していないことであり、間違った政策たちを生み出している原因は私たちの誤解である、ということもここで指摘しておきたいと思います。

( ゚д゚)<あー、がっがっがっ。

(´・ω・ `)<ほいほい。何かね?

( ゚д゚)<ちゃんとした仕組みが既にあるのは分かったんやけど、なんでそんなもんがあるん?いまの仕組みを作った人たちは間違った理解をしながら、正しい理解に沿ったものを作ったってこと?そんなことある?

(´・ω・ `)<不思議じゃろ。でも、結果そうなっとんのよ。ほいで、残念ながら、MMTは「いま」がどうなっとんのかを解明するもんじゃけー、どういう経緯でそうなったんかは範疇じゃないんよ。「なんでって言われても、そんなん知らんわ。」っていうのが答えや。

( ゚д゚)<そか。おもんないの。

(´・ω・ `)<すまんの。

( ゚д゚)<ええんやで。

(´・ω・ `)<とはいえ、ぼくの推測程度なら話せるで。けどまあ、その話は他の誤解も全部正していった後にしようか。その方が分かりやすいと思うわ。

( ゚д゚)<ほーん。ほいだらそれで勘弁したるわ。首洗って待っとけよ。

(´・ω・ `)<それ、ボケなん?

( ゚д゚)<自分の胸に聞いてみな。

(´・ω・ `)<どういうことやねん。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

これは大した問題ではないんですが、藤井聡先生や池戸万作さんがよく使われている「政府には通貨発行権があるから」というセリフについて疑問に思うことがありまして…

 

まず、これが単に「政府には貨幣を発行する能力がある」という意味なのであれば、間違ってはいませんが、その能力なら誰にでもあります。藤井先生にも、池戸さんにも、私にだって「約束」という概念さえ理解できるなら、誰にでも貨幣を発行する能力はあります。

よって、もし藤井先生たちが「政府には通貨発行権があるから」「政府には貨幣を発行する能力がある」という意味で言われているのであれば、それをもって「政府には特別な力がある」というようなことは言えません。

 

次に、もし「政府には通貨発行権があるから」が「政府だけが貨幣を発行する能力を持っている」という意味なのであれば、それはシンプルに間違いです。

 

さて、貨幣を発行する能力は誰にでもありますが、実際に貨幣を発行するには「発行した貨幣を誰かが受け取ってくれること」という条件があります。政府に唯一性があるのは、ここのところです。

つまり、「政府だけが発行した貨幣を必ず受け取らせることができる」わけで、「だから、政府の貨幣発行に障害となるものは無い」と言うことができます。

この意味で「政府には通貨発行権があるから」と言われてるのであれば、全くそのとおりだと同意しますが・・・

 

どうも違うっぽいんだよなあ(´・ω・ `)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

*1:詳しくは国庫金の施策 : 財務省
なお、2000年度以降「いったん民間金融機関に売り出して、もし誰も引き受けなかったら、日銀が引き受ける」というルールに変更されて、いまは分かりにくくなってしまっているので、読んでいると「あれ?」となるかもしれませんが、本来、国庫短期証券は全て日銀が引き受けるものです。リンク先の「3.FBの日本銀行引受」参照。

10-4.租税は貨幣を動かす

 

「通貨は、その発行者に対してその通貨で支払うように強制される義務があれば、受け取られるだろう」というのがMMTの主張である。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 497/553pp

 

当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本日のお題

昔々あるところにAさんとBさんがおりました。

ある日、AさんはBさんから自動車を買うことにしました。

AさんはBさんに100万円の銀行預金を振り込み、BさんはAさんに自動車を渡しました。

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なぜ貨幣を受け取るのか

Aさんが自動車を受け取る理由については、特に深く考える必要はないでしょう。自動車は便利なモノですから、Aさんがそれを欲しがるのは当然です。

問題はBさんです。

なぜBさんはそんな便利なモノを手放してまでカネを受け取るんでしょうか。

(゚⊿゚)<Bさんはそのカネで別の誰かから、例えばCさんから便利なモノを買えるから!

(´・ω・ `)<違うぞ笑笑
(´・ω・ `)<勉強しろ笑笑

( ゚д゚)<あれ?違うんか?

これが答えなのであれば、なぜCさんはカネを受け取るんでしょうか?Dさんが受け取るから?じゃあDさんはなぜ?キリがありません。

そもそも「なぜBさんはカネを受け取るのか?」というのは、実際には【Bさん】という特定の個人の話をしとるわけではありません。

Bさんは例に過ぎないのであって、本当は「なぜ誰もが自動車とかの便利なモノやサービスを他人に提供してまでカネを受け取ろうとするのか?」と聞いとるわけです。

なので、(゚⊿゚)<Cさんが受け取るから!は、

(´・ω・ `)<なんで誰もがカネを受け取るん?

(゚⊿゚)<誰もがカネを受け取るから!

みたいなものです。答えになっていません。

 

租税は貨幣を動かすから

( ゚д゚)<ほいだら答えは何なん?

(´・ω・ `)<租税は貨幣を動かすからよ。

( ゚д゚)<は?

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( ゚д゚)<きみのも答えになっとらんぞ。

(´・ω・ `)<まーたしかにこれだけじゃ意味不明やろな。説明してこか。

ということで、本日のお題はこちらです。

【租税は貨幣を動かす】

(´・ω・ `)<よろしゅうな。

( ゚д゚)<ちゃうちゃう、ぼくが教える側よ。

(´・ω・ `)<そか。じゃあ頼むわ。

( ゚д゚)<いやいや、やっぱきみが教える側よ。

(´・ω・ `)<なんやねんなww

 

税とは何か

それでは、【なぜ誰もが他人に財やサービスを提供してまで貨幣を受け取ろうとするのか】を考えていきましょう。

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まあ、「考えていきましょう」というか、答えはさっき(´・ω・ `)が言ったとおりです。

【租税は貨幣を動かす】からです。

( ゚д゚)<なんで「租税」って言うん?普通に「税」じゃあかんの?

(´・ω・ `)<ああ、そこは特に意味ないけー、気にせんでええよ。「税は貨幣を動かす」でもええで。

 

税とは貨幣を徴収する制度である

まず、税とは何かを復習しましょう。

《税》とは、[5-1]のとおり、政府が一方的に国民から貨幣を徴収する制度のことであり、徴税の仕訳はこのとおり↓です。

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税は一方的なものであり、政府は何かと引き替えに、もしくは何かの対価(例えば行政サービスの対価)として税を課すわけではありません。

税という制度の中で国民は、貨幣を徴収されるだけです。「政府にカネを徴収された。以上。おしまい。」です。政府にどれだけ税を支払ったところで、その人がそれによって何かのリターンを得たりすることは全くありません。

( ゚д゚)<さすがにそれは理不尽過ぎるやろ。なんかおかしくない?

(´・ω・ `)<おかしくない?って言われてもやな。ぼくは「いま現在の仕組みがこうなってますよ」ってことを説明しとるだけで、それがおかしいかどうか別の話よ。

( ゚д゚)<ぐぬぬ

(´・ω・ `)<ついでに言うとくけど、税にリターンなんか無いわけやから、「たくさん納税しとったら偉い」とか「納税してない人は発言権が無い」なんてことも無いけーの。

( ゚д゚)<そか、それを考えると、リターンがあった方がむしろ理不尽かもな。

(´・ω・ `)<せやろ?たくさん徴税される人からしたら、それなりのご褒美でもあって欲しいっていう気持ちは分からんでもないけどな、

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租税は貨幣を動かす

政府が国民に税の支払を命じることを《課税》と言います。

国民は課税されてしまったら、なんとかして政府に支払う貨幣を用意しなければなりません。さもなければ刑務所行きです。ちょっとうっかりしてて期日を過ぎただけでも、刑務所行きにはなりませんが、闇金みたいな利率の利息を請求してきやがります。あいつらほんま(´・ω・ `)

もし、そんなときに政府が「この仕事をやってくれたら、きみに貨幣を発行してあげるよ」と持ちかけたらどうなるでしょうか。

( ゚д゚)<そんなもんやるに決まっとるじゃん。

(´・ω・ `)<せやの。ちなみに「保有者の税債務を消すことを約束して政府が発行する貨幣」のことを何て言うでしょう?

( ゚д゚)<前回やったやつやな。現金やろ。

(´・ω・ `)<いえすざっつらいと!

政府から持ちかけられた仕事を見事にこなした国民には現金が支払われて、その国民はめでたく税の呪縛から解放されます。

さて、それでは【課税されたけど、政府の仕事を受注しなかった/できなかった人々】は刑務所にぶち込まれるしかないのでしょうか?

(´・ω・ `)<さて、どないや。

( ゚д゚)<んー、先に現金もらって税債務から解放された人たちって、現金が余ってたりせえへんの?

(´・ω・ `)<お、ええとこに気づいたの。そしたら余っとることにしてみよか。

( ゚д゚)<それやったら、その金持ちから余っとる現金を分けてもらったらええやん。タダでっちゅうのがアレなんやったらなんかその金持ちのために仕事でもしてあげて、その報酬っちゅうことでもらったらええがな。なんか持ち物を売ってもええし。

(´・ω・ `)<そーゆーことや。

 

課税された人は貨幣を受け取る

つまり、【租税は貨幣を動かす】物語とは、こういうストーリーです。

  1. まず政府が国民に税債務を負わせる。つまり「現金を持ってこい。さもなければペナルティを与えるぞ」と要求する。
  2. 国民は何とかして現金を手に入れなければならなくなる。
  3. ここで、政府が国民に仕事を発注して「この仕事をやってくれたら、報酬として現金を支払うよ」と持ちかける。
  4. 国民の一部が発注された仕事を引き受ける。政府が現金を発行して報酬を支払い、その国民は現金を手に入れる。
  5. 政府が発注した仕事を受注しなかった/出来なかった人々は、現金を手に入れた人々のために仕事をして、その現金を分けてもらう。
  6. かくして税債務を負った(課税された)人は誰もが貨幣を受け取ろうとするようになった。めでたしめでたし。

 

そして誰もが貨幣を受け取るようになる

( ゚д゚)<待て待て。

(´・ω・ `)<おう?

( ゚д゚)<そしたら、【なぜ誰もが他人に財やサービスを提供してまで貨幣を受け取ろうとするのか】の答えは「税を支払うため」ってこと?でもさ、「私は税を払うために仕事をしています」なんて人、見たことないで。

(´・ω・ `)<いや、この話にはまだ続きがあるんよ。

  1. 政府が国民の一部に課税をすると、その国民は貨幣を必要とするようになる。但し、この時点では、その他の課税されない国民にとって貨幣は不要なものである。つまり、国民が【貨幣を必要とする国民】【貨幣を必要としない国民】に分かれることになる。ここで、政府が課税する範囲が広いほど、【貨幣を必要とする国民】が多数派になる。

    f:id:xbtomoki:20220323212525p:plain

  2. 【貨幣を必要とする国民】が十分に多数派を占めると、貨幣が無いと他者から生活に必要な財・サービスを提供してもらうことが困難な社会になる。

    f:id:xbtomoki:20220323212543p:plain

  3. 【貨幣を必要としない国民】も貨幣が無いと生活ができないようになり、結局は誰もが【貨幣を必要とする国民】になる。

    f:id:xbtomoki:20220323211513p:plain

  4. この段階に至れば、元々税の支払のために【貨幣を必要とする国民】であった人々も、税以前に生活のために貨幣を必要とするようになる。

    f:id:xbtomoki:20220323211539p:plain

  5. さらにはマネーゲームの元手にする等の副次的な理由で貨幣を受け取ろうとする人々が現れたり、預金を発行して便利な決済システムを提供するビジネスが生まれたりして、さらに貨幣経済が発展・複雑化していく。

高度に貨幣化した(誰もが貨幣を受け取ろうとする)経済では、人々が貨幣を受け取ろうとする理由は、租税であるとは限りません。むしろ租税がその理由であることの方が少ないでしょう。

ですが、経済が貨幣化しているかどうかに関係なく、課税された人々は必ず貨幣を受け取ろうとしますし、政府は課税をすることで確実に国民に貨幣を受け取らせることができます。

その意味で、「租税貨幣を動かす」ではなく、「租税貨幣を動かす」と言うべきでしょう。

よって、もし199X年、世界が核の炎に包まれて、人々が一切の貨幣を使うことをやめてしまったとしても、政府が国民に税を課して、貨幣を支払うことを求めれば、直ちに人々は貨幣に帰って来ざるを得なくなります。

このように、貨幣は政府が国民にそれの支払を求めること、つまり課税をすることによって動き始めて、それはやがて誰もが貨幣を受け取る社会につながっていきます。

これが【租税は貨幣を動かす】ということです。

 

補足

「租税は貨幣を動かす」の説明は以上ですが、補足しておきたいことが3点あります。

 

政府は貨幣を必要としているわけではない

政府は税として国民に【貨幣の支払】を求めますが、これは政府が国民の持つ貨幣を必要としているということではありません。

[10-2]のとおり、貨幣はB払いによって生まれます。また、[番外3]のとおり、B払いは受け取ってくれる相手がいる限り、いくらでも行うことができます。さらに、租税は貨幣を動かすので、政府は課税によって強制的に国民に貨幣を受け取らせることができます。

つまり、政府は、B払いをいくらでも行って、いくらでも貨幣を作り出すことができますから、そんな自分でいくらでも作り出せるものを必要とするわけがありません。

 

金貨だから受け取られたわけではない

「なぜ誰もが他人に財やサービスを提供してまで貨幣を受け取ろうとするのか」に関して、こう答える人もいます。

(゚⊿゚)<昔の貨幣は金貨だった。つまり貴重で価値の高い金でできていて、その金属の塊としての価値が担保されていたから、みんな受け取ったんだ。

(´・ω・ `)<違うぞ笑笑
(´・ω・ `)<勉強しろ笑笑

[10-2]のとおり、貨幣の本質は人と人との約束であって、金貨はその約束の中身を伝えるための媒体に過ぎません。

政府が貨幣の支払を求めさえすれば、人々は貨幣を必要とします。

このときに、その貨幣の媒体の材料が何であるかは関係ありません。金であろうが、石ころであろうが、人々はそれを手に入れなければ刑務所行きとなることに変わりありませんから。

 

租税貨幣論に関する誤解

このような↓説明をされる方もいますが、これは間違いです。

(゚⊿゚)<MMTには「租税は貨幣を動かす」という言葉がある。これは《租税貨幣論》と言って、「租税が貨幣を貨幣たらしめるんだ」という理論だ。

「租税は貨幣を動かす」とは、「なぜ人々は貨幣を受け取るのか」という問題に対する説明であり、「何が貨幣を貨幣たらしめるのか」は別問題です。

このような誤解の背景には、おそらく「貨幣とは、交換に使われるものである」という誤った理解があるのでしょう。

「交換に使われる」は貨幣の利用方法であり、本質ではありません。その理解は「鉄とは、ナイフ作りに使われるものである」と言うのと同じようなものです。

[10-2]のとおり、貨幣=負債であり、発行者がB払いさえすれば、そこにはもう立派な貨幣が生まれていますから、【租税がなければ貨幣は存在できない】ということはありません。

もちろん誰も受け取らなければ、発行者はB払いができないので、全く関係なくはないですが、「租税は貨幣を動かす」とは、

(゚⊿゚)<租税貨幣論によれば、無税国家になったら、日本円は貨幣ではなくなるんだ!

という話ではありません。

 

 

それでは本日ここまで。
 

 

おまけ

先日ちゅんさんのこんなツイートをみかけまして、

これを実際やってみた感想なんですが…

こいつはマジハンパない、リアルだ( ゚д゚)

 

いままでパスを送られたら、ファイルサーバー開いて、パスを見直して、カチカチカチカチとダブルクリックしながら階層を掘り進んで、もっかいパスを見直して、カチカチカチカチとダブルクリックして、それからもっかいパスを見直して、カチカチカチカチカチカチとダブルクリックしてたあの日々は何だったのか(´・ω・ `)

ちゅんさん、ありがとナス(`・ω・´)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

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10-3.貨幣とは その2

 

「"モノ"としての貨幣」の"制度としての"本質は何か?

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 495/553pp

 

当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本日のお題

(´・ω・ `)<うし、再開しよか。しっかり休憩できたかの?

( ゚д゚)<おう!元気元気よ!ぼくがいまだかつてこんなに元気やったことあるんかなってくらい元気元気やで!

(´・ω・ `)<そかそか。元気があるのはええこっちゃ。

( ゚д゚)<しゃー!元気元気がいちばんよー!

(´・ω・ `)<せやの。ほいだら、前回の続きでやってこうかの。

( ゚д゚)<まだまだいけるでー!元気元気ー!

(´・ω・ `)<分かった分かった。はよ始めるで。

( ゚д゚)<うおーっ!

(´・ω・ `)<休憩中になんかキメてきたんか?

ということで、本日のお題は、前回に引き続きこちらです。

【貨幣とは】

なお、前回と同じく、普段は「貨幣」と言うと大げさな感じがするので、貨幣のことを「カネ」と言っていますが、本記事ではテーマ的にそれだと内容が分かりにくくなってしまうので、「貨幣」と言います。

 

貨幣とは(おさらい)

まずは貨幣とは何なのか、前回の復習をしておきましょう。

貨幣とは、その内容が次のどちらかに該当する約束のことです。

  • 将来における発行者から保有者への貨幣の支払
  • 将来における発行者による保有者の債務の消去

これが負債の説明と同じであるのは、貨幣と負債が同じものだからです。貨幣は、発行者にとっては「負債」であり、保有者にとっては「資産」となります。

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全ての貨幣は発行者のB払いによって生まれて、発行者へのA払いによって消えます。

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貨幣であるもの

さて、前回「貨幣と思われているけど、実は貨幣でないもの」を挙げていきました。

今度は「"貨幣ではない"または"貨幣かどうかはっきりしない"とされているけど、実はれっきとした貨幣であるもの」を挙げていきます。

貨幣がどうかの見分け方は、「貨幣でないもの」の見分け方と同じです。負債と貨幣は同じものですから、負債であるかどうかを考えれば、それが貨幣であるかどうかは分かります。負債であれば、それは貨幣です。

 

国債・手形・小切手

国債は、世間一般では、貨幣ではないと考えている人が大多数だと思いますが、政府が「期日が来たら、保有者に額面金額分の貨幣を支払う」と約束をして発行する負債なんですから、これは明らかに貨幣です。

同じく、手形・小切手もその発行者が「期日が来たら/保有者が銀行へ持ち込んだら、保有者に額面金額分の貨幣を支払う」という約束をして発行する負債ですから、やはりこれも貨幣です。

 

商品券・クーポン券

商品券やクーポン券には「保有者が指定の商品を買ったら、その保有者の代金債務を額面金額分だけ消去する」という約束が込められています。

つまり、債務消去の約束(=負債)ですから、これも貨幣です。

 

電子マネー

Suicananaco、PayPay等の電子マネーは、それぞれの運営会社が発行している負債ですから、これらも貨幣です。

PayPayを例に説明してみましょう。なお、PayPayは「PayPay株式会社」が発行する電子マネーです。

  1. Xさんが預金をPayPayにチャージして、
  2. XさんがコンビニでPayPayで買い物をして、
  3. PayPay社がコンビニに代金分の預金を振り込んで決済する。

という取引の仕訳は、こう↓なります。

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最後の決済は、PayPayに込められた「保有者に額面金額分の貨幣を支払う」という約束が果たされた、と解釈することができます。

PayPay=貨幣支払の約束なのであれば、貨幣支払の約束=負債ですから、PayPay=負債=貨幣であると言えます。

ちなみに、電子マネーを「現金の代わりにやり取りして、後で"本物の"現金に交換するもの」と説明するのは間違いです。電子マネーは、それ自体が独立した貨幣であり、現金の代替物とかそういったものではありません。

 

デジタル通貨

日本銀行は、現在「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の導入を検討しています。*1

さて、このCBDCというものはそもそも一体何なのかと言いますと、日銀のホームページに「事務局説明資料(第2回中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会)」というのがあったのですが、それに掲載されていたこの図↓とさっきのPayPay決済の仕訳の指し示す内容は全く同じでした。

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つまり、CBDCとは、「日本銀行が運営・発行するPayPay」つまり「国営PayPay」だと理解するのがいちばん分かりやすいかと思います。

CBDCが国営PayPayであるということは、上記のとおり、PayPayが貨幣なんですから、国営PayPayであるCBDCももちろん貨幣であるということになります。

なお、仮想通貨とデジタル通貨をごっちゃにしたニュース記事等をよく目にするんですが、[10-2]のとおり、「テザー」等を除き仮想通貨は貨幣ではなく、一方のデジタル通貨は貨幣ですから、両者は全然別のもので、共通点は「電子データであること」くらいです。

 

CBDCに関する私見

私はCBDCの導入自体には賛成の考えです。

「貨幣のやり取りのシステム」なんてのは社会基盤インフラですから、それを国営でやると言うなら、それはたいへん結構ことだと思います。

ただし、

(゚⊿゚)<CBDCは既存の貨幣の概念を打ち破る全く新しい次世代の決済システムだ!

(゚⊿゚)<CBDCをいち早く実装した国が今後の国際金融市場の覇権を握るんだ!急がないとデジタル人民元ガー!

(゚⊿゚)<ロスチャイルド家に支配されたこの世界を救うための最終兵器だ!

CBDCにこーゆー夢を抱いて導入に賛成されてる方をよく見るんですが、これらには全く賛同しません。あれはただの国営PayPayです(´・ω・ `)

 

現金・預金の本質

《現金》は「貨幣」と聞いて、多くの人が最初にイメージするものかと思います。現金はもちろん貨幣であり、政府または日銀が発行した負債でもあります。*2

《預金》も「貨幣」と聞いて、多くの人がイメージしやすいものでしょう。なお、この「預金」には市中銀行の銀行預金だけでなく日銀当座預金も含みます。本記事中は以降も同様です。預金ももちろん貨幣であり、日銀当座預金であれば日銀が、銀行預金であれば市中銀行が発行した負債です。

 

現金の本質

負債の本質とは、それに込められた「発行者から保有者への約束」ですから、政府・日銀の発行した負債である現金にだって何らかの約束が込められているはずです。

(´・ω・ `)<さて、その約束とは何でしょうか?

( ゚д゚)<知らん!

(´・ω・ `)<元気があってよろしい!でもちょっとくらいは考えてみよう!

( ゚д゚)<んーと、知らん!

(´・ω・ `)<ダメだこりゃ!よーし!それじゃあヒントを出そう!

貨幣とは負債であり、負債とは、その内容が次のどちらかに該当する約束のことです。

  • 将来における発行者から保有者への貨幣の支払
  • 将来における発行者による保有者の債務の消去

なので、貨幣である現金に込められた約束は、この2つのうちの少なくともどちらかには該当するはずです。

ここで、現金に貨幣支払の約束が込められていることは考えられません。なぜなら、政府・日銀は、「現金を何とも交換しない」ということを宣言している(管理通貨制を採用している)からです。

であれば、残るは債務消去です。

(´・ω・ `)<では、「現金を政府にA払いすることで消すことができる債務」と言えば何でしょう?

( ゚д゚)<知らん!

(´・ω・ `)<うーん元気があってよろしい!現金だけに元気元気ってか!

( ゚д゚)<いえす!元気元気だ!カモンカモン!現金現金カモンカモン!

(´・ω・ `)<調子乗んなよ。

( ゚д゚)<うい。

現金を政府にA払いすることで消すことができる債務と言えば、それはもちろん(と罰金等)のことです。

つまり、現金に込められた政府の約束とは、
保有者の税債務を、これと引き換えに消去します。」というものであり、
よって、現金の本質とは、
【税債務を解消するもの】であると言えます。

 

預金の本質

そして、現金と同じく預金にだって何らかの約束が込められているはずです。

( ゚д゚)<さて、その約束とは何でしょうか?

(´・ω・ `)<ぼくがクイズ出す側なんやけど。

( ゚д゚)<ええやんけ。どーせぼく答える気ないんやし。サクサク行こうや。

(´・ω・ `)<何を開き直っとんねん。しゃーないのー。ほいだら順序立てて説明してくけー、よー聞いときんさい。

( ゚д゚)<いやです。

(´・ω・ `)<黙って聞けっ。

( ゚д゚)<うい。

預金も現金と同じく「それを発行者にA払いするとどうなるか」を考えることで答えに近づいていくことができます。

ここで再確認しておくと、貨幣=負債であり、

  • 貨幣支払
  • 債務消去

貨幣は、少なくともこのどちらかの約束です。そこでまずは、預金にはどんな貨幣支払の約束が込められているかを考えてみましょう。

すると、預金を銀行に渡す、つまり預金残高を引き落として、それと引き換えにある貨幣を銀行から受け取る行為を私たちは日常的に行っていることに気づくかと思います。

( ゚д゚)<現金引き出しのことかー!

(`・ω・´)<いえすざっつらいと!やればできるやんけ!

( ゚д゚)<あたぼうよ!

預金を銀行にA払いする(残高を引き落とす)ことで銀行から支払われる貨幣と言えば、それは現金のことです。

つまり、預金に込められた銀行の約束とは、
保有者が要求すれば、これと引き換えに同額の現金を支払います。」というものであり、
よって、預金の本質とは、
【現金と交換できるもの】であると言えます。

( ゚д゚)<ん?ちょっと待って。預金て融資の返済にも使えるやん。それは債務消去の約束があるってことちゃうん?

(´・ω・ `)<ええとこに気づいたの。せやで。預金は現金支払の約束であり、かつ債務消去の約束でもあるんや。

( ゚д゚)<そんな1つの貨幣に2つも約束が込められとってもええの?

(´・ω・ `)<「少なくとも1つの貨幣支払または債務消去の約束が込められとること」が条件じゃけー、2つでも3つでもええよ。ただ、みんながみんな銀行に債務を負っとるわけじゃあないけー、債務消去の約束が誰にでも意味のあるものとは限らへん。じゃけー、「本質つまりコアの部分は何か」って話なら、やっぱり現金支払の約束がそれに当たるやろな。

 

それでは本日ここまで。
 

おまけ

今回のおまけはオススメ動画です。

www.youtube.com

サムネがもう笑かしに来てる(´・ω・ `)

 

www.youtube.com

腹がよじれるかと思いましたわ(´・ω・ `)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

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よろしくお願いします!

 

*1:

中央銀行デジタル通貨 : 日本銀行 Bank of Japan

*2:現金のうち、硬貨は政府が、紙幣は日銀が発行しています。

10-2.貨幣とは その1

 

我々が貨幣と呼ぶ制度の本質は何か?貨幣と呼ばれる"モノ"に共通する特徴は何か?ほとんどの経済学者が、貨幣を「交換の際に使うもの」と称している。それは「貨幣とは、貨幣のはたらきをするものである」と言っているに過ぎない(人間を、テレビを見るものーときどき冷蔵庫にも行くがーと定義するようなものである)。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 494/553pp

 

当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本日のお題

(´・ω・ `)<うし、負債の説明ができたけー、次は貨幣じゃの。

( ゚д゚)<負債の次は貨幣なんか。

(´・ω・ `)<負債ゆうたら次は貨幣に決まっとるじゃろ。

( ゚д゚)<そうなんか。知らんけど。

(´・ω・ `)<決まっとんじゃ。まあどういうことなんかは話を聞いてもらったら分かるわ。

ということで、本日のお題はこちらです。

【貨幣とは】

なお、普段は「貨幣」と言うと大げさな感じがするので、貨幣のことを「カネ」と言っていますが、本記事ではテーマ的にそれだと内容が分かりにくくなってしまうので、「貨幣」と言います。

(´・ω・ `)<よーし、やってこかー。

( ゚д゚)<おー。やったれやったれー。

 

貨幣とは

今回も結論からスタートします。

貨幣とは、その内容が次のどちらかに該当する約束のことです。

  • 将来における発行者から保有者への貨幣の支払
  • 将来における発行者による保有者の債務の消去

( ゚д゚)<ん?これ、前回の負債の説明と同じこと言ってへん?

(´・ω・ `)<そらそうよ。負債と貨幣は同じもんじゃけーの。

( ゚д゚)<え?そうなん?どゆこと?

 

負債=貨幣

【負債=貨幣】つまり負債と貨幣は同じものです。

もう少し正確に言うなら、発行者の立場から「貨幣」を見たとき、発行者はそれを「負債」と呼び、保有者の立場から貨幣を見たとき、保有者はそれを「資産」と呼びます。

もしくは、「『貨幣・負債・資産』、これらの名称は、誰がどの視点から呼んでいるのかが違うだけで、それが表しているもの自体は、同じ『貨幣支払または債務消去の約束』である。」という言い方もできます。

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( ゚д゚)<ほいじゃあ、資産=貨幣でもあるんか?

(´・ω・ `)<いや、そこはちょっとややこいとこなんやけど、「貨幣でない負債」ってのは無いけー、【負債=貨幣】は言えるんよ。でも、資産には例えば建物みたいに貨幣じゃないものもあるけー、【資産=貨幣】とは限らんわけや。

( ゚д゚)<ほーん。貨幣じゃない負債って無いもんなんか?

(´・ω・ `)<無いで。貨幣でない負債は無いし、負債でない貨幣も無い。てことは、この2つは同じもんやっちゅうことや。

 

貨幣の一生

[10-1]のとおり、負債は、誰かがB払いをすることによって生まれます。そして、貨幣は負債と同じものです。

ということは、【貨幣は、誰かがB払いをすることによって生まれるものである。】と言えます。

さらにその先、貨幣がB払いによって生まれて、最後に消滅するまでの道のりはこのようになっています。

  1. 貨幣は、誰かが負債の発行、つまりB払いをすることによって生まれる。
  2. 貨幣は、B払いによって生まれた後、A払いによって保有者を次々と変えていく。
  3. 貨幣は、そうやって市中を流通しているうちに、やがてどこかのタイミングで発行者自身へとA払いをされて、発行者の下に帰ったとき、消滅する。

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[10-1]で、「銀行預金は銀行(発行者)のB払いによって生まれて、銀行(発行者)へのA払いによって消える。」という説明をしました。

これは、銀行預金だけに限ったことではありません。全ての貨幣は、発行者のB払いによって生まれ、発行者へのA払いによって消えます。

 

貨幣は情報

[10-1]のとおり、負債の本質は、人と人との約束という情報です。そして、やはり貨幣は負債と同じものです。

ということは、【貨幣の本質は、実体のある物ではなく、情報やデータのカテゴリーに属するものである。】と言うことができます。なお、ここからは「実体のある物」という言い方がややこしいので、「ブツ」と言います。

貨幣は、ブツではなく、情報・データですので、人と人の約束、つまり人間の意思さえあれば、いくらでも作り出すことができます。

逆に言うと、貨幣は人と人の約束からしか生まれません。金鉱山をいくら掘ったところで、そこから貨幣が出てくることは絶対に無いわけです。

 

貨幣でないもの

続きまして、世間一般では多くの人が「貨幣だ」と思っているけれど、実際には貨幣ではないものを挙げていきます。

しつこいようですが、貨幣と負債は同じものですから、貨幣であるものは必ず負債であり、負債でないものは必ず貨幣ではありません。

よって、貨幣であるかどうかを見極めるには、それが負債であるかどうかを考えればいいわけです。

 

ビットコイン

ビットコインは誰の負債でもありませんから、(明らかに)貨幣ではありません。ですが、どうやら仮想通貨市場参加者の多くは「貨幣だ」と思い込んでいるみたいです。

この記事を書いてる2022年2月27日時点で、1コイン400万円以上の値段が付いているわけですが*1、これが貨幣ではないことが知れ渡ったらどうなるんでしょう。こんなもんよー買うわ(´・ω・ `)

( ゚д゚)<ほいだら、仮想通貨は貨幣じゃないっちゅうことか。

(´・ω・ `)<いや、仮想通貨が全部貨幣じゃないってわけちゃうで。例えば「テザー」ってのは、発行者が1コイン1ドルの固定レートで交換することを約束しとる。これは発行者の負債じゃけー、貨幣やな。

 

円・ドル

「円」や「ドル」等は、貨幣の量を表すときに使う単位の名前であって、負債ではないので、貨幣ではありません。

円が貨幣なら、リットルは水なんか?っちゅう話です。ついでに言うと、"円の実力"って何やねんっちゅう話です(´・ω・ `)

www3.nhk.or.jp

 

一万円札

一万円札も負債ではありませんから、貨幣ではありません。

( ゚д゚)<いやいや、現金はさすがに貨幣やろ。

(´・ω・ `)<もちろん現金は貨幣やで。でも、「現金」として帳簿に計上されるのは、一万円札っていうブツじゃなくて、一万円札に書いてある情報や。一万円札は、その情報を表示するための媒体であって、貨幣ちゃうよ。

( ゚д゚)<なんやその屁理屈。

(´・ω・ `)<まあたしかに屁理屈っぽいのは認めるけどもやな。ぼくが言いたいんは、ブツが貨幣であることは絶対に無いってことやねん。

貨幣は情報ですから、ブツとして存在することは絶対にありません。よって、金貨なんかもそれ自体は貨幣ではありませんから、"金貨は金で作られているから価値があった"わけではありません。

100円分の金貨が100円分であったのは、そこに100円分の約束が込められていたからであって、金貨自体に一定量の貴金属の塊として100円の"価値"があったからではないわけです。

 

次回予告

(´・ω・ `)<続きまして〜

( ゚д゚)<あー、がっがっがっ。

(´・ω・ `)<どしたん。なんなんそれww

( ゚д゚)<ぼくは知ってんねん。突然の「がっがっがっ」を無視してしゃべり続けられる人間はこの世におらんちゅうことをな。人の話をぶった斬りたいときはこれに限るわ。

(´・ω・ `)<そかそか。それさ、「がっがっがっ」じゃないとあかんの?「ガパオライス」とかでもいけそうやけど。

( ゚д゚)<なんでガパオライスなん?

(´・ω・ `)<いや別に何でもええけどさ。ガパオライスは「が」でパッと思いついただけや。

( ゚д゚)<いやいや、ガパオライスじゃあ、相手が「あら美香さん、この子お腹が空いたのかしら」とか思ってしまうかもしれんやんけ。そしたら話がややこしなってくるで。ガパオライスはあかんやろ。

(´・ω・ `)<なんできみはいっつも叶姉妹トークしとんのや。まあ、ガパオライスは良くなかったかもしれんけど、「がっがっがっ」も大して変わらんじゃろ。

( ゚д゚)<いやいや、急に「がっがっがっ」を言われたときの人間の反応は急にガパオライスを言われたときとは全然ちゃうよ。ちょっと「がっがっがっ」って言ってみ?

(´・ω・ `)<えっ?

( ゚д゚)<はよ。「がっがっがっ」って。

(´・ω・ `)<しゃーないの。がっがっがっ。

( ゚д゚)<声が小さい!そんなんで誰のトークがぶった斬れんねん!もう一回!

(´・ω・ `)<さっきのきみもこんくらいやったで。

( ゚д゚)<口答えしない!はいもう一回!

(´・ω・ `)<がっがっがっ!

( ゚д゚)<まだまだ!

(´・ω・ `)<がっがっがっ!

( ゚д゚)<よーし!何の話やったっけ!

(´・ω・ `)<しばくぞ。

( ゚д゚)<ええんやで。

(´・ω・ `)<ええんやでの使い所ちゃうぞ。受け入れられても困んねん。で?何なん?

( ゚д゚)<まだ結構ある?ちょいこのへんで休憩せえへん?

(´・ω・ `)<ああ、そゆこと。せやの。ちょうどキリがええとこやし、てか、さっきので疲れたし、いったん休憩にしよか。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

本編で説明したとおり、銀行預金に限らず、あらゆる貨幣は発行者のB払いによって生まれます。A払いによって貨幣が生まれることはありません。

ところで、こういう方、ときどき、いやそこそこ見かけますよね。

(゚⊿゚)<銀行融資で銀行預金が生まれるだって!?何を言ってるんだ。銀行が融資するときに金庫から現金を引っ張り出してきて、それで融資金を支払ったら銀行預金は増えないじゃないか。
ハイ論破wwwww勉強しろwwwwwww

 

さて、正確に言うと、銀行預金が生まれるのは「銀行が融資をしたとき」ではなく、「銀行がB払いをしたとき」です。

そして、札束ドーンみたいなクレイジーなやつじゃなくて、普通の銀行融資は、[9-5]のとおり、銀行と融資先が互いにB払いをすることによって行われるので、結果、銀行預金(と貸付金-借入金)が生まれます。

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一方、札束ドーンの仕訳はこう↓です。

f:id:xbtomoki:20220228102338p:plain

このとき、銀行がしているのは現金のA払いであって、銀行はB払いをしていません。B払いをしていないわけですから、当然、銀行預金は生まれません。

ですから、さっきの(゚⊿゚)<ハイロンパは、

(´・ω・ `)<銀行預金は銀行がB払いをしたときに生まれるんよ。B払いをしなきゃ銀行預金は生まれんのよ。

(゚⊿゚)<何言ってんだ!銀行がA払いだけをして、B払いをしなかったら銀行預金は生まれないじゃないか!ハイロンパ!

(´・ω・ `)<じゃけー、そう言っとんじゃろ。どこがハイロンパやねん。人の話を聞け。

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

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よろしくお願いします!

 

*1:ビットコインの正式な単位名は「BTC」らしいですが、分かりやすさ優先で「1コイン」と書きました。

10-1.負債とは

 

つまり、債務証書の保有者は、発行者に対して債務証書を渡すことで自らの支払いを実行できる。なお、保有者は債務証書を最初に受け取ったものである必要はないー第三者でもよい。

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こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

第10章を始めます

本記事より「第10章 結論ー主権通貨のための現代貨幣理論」に入ります。

( ゚д゚)<よろしゅう!>(´・ω・ `)

 

本日のお題

[9-5]の「銀行融資のマニアックな話」でこんな話をしました。

銀行預金が生まれるのは銀行が銀行預金のB払いをしたときで、銀行預金が消えるのは銀行が銀行預金のA払いを受けたときです。

つまり、銀行預金は、

銀行が、何らかの理由でカネを支払うときに、【自身の負債を発行して、それを相手に渡す】という支払い方、つまり《B払い》をしたときに生まれます。

生まれてすぐの銀行預金の保有者は、もちろんそのB払いの支払先です。そして、その支払先が例えば商店で、仕入先に代金支払をするときに銀行預金で支払うと、銀行預金の保有者という立場は、仕入先に移ります。このような【第三者が発行した負債を相手に渡す】という支払い方が《A払い》です。

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さらにその後、銀行預金は次々とA払いされて保有者を変え、いつかどこかのタイミングで元々の発行者であった銀行へA払いされたとき、消滅して一生を終えます。

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(´・ω・ `)<さて、ここまでが復習なんやけど、もう一歩進んでみよか。

( ゚д゚)<ほんほん。と言いますと?

(´・ω・ `)<なんで銀行預金は銀行の下に帰ると消えてしまうん?

( ゚д゚)<銀行預金は銀行が発行した負債だから!

(´・ω・ `)<よし、正解や。さて、そこでもう一問。

( ゚д゚)<ばちっとこーい。

(´・ω・ `)<なんで負債は発行者の下に帰ると消えてしまうん?

( ゚д゚)<学校ではヤンキーなのに家では甘えん坊みたいなあれとちゃうか。

(´・ω・ `)<どれやねんな。これはな、負債って何なのか、ってのが分かれば答えが見えてくんねん。

ということで、本日のお題はこちらです。

【負債とは】

(´・ω・ `)<ほいじゃあ、やっていこかー。

( ゚д゚)<ういー。

 

負債と負債でないもの

さて、いきなりですが、その方が説明が分かりやすいと思いますので、最初に答えを言ってしまいます。

負債が発行者の下に帰ると消えてしまうのは、

《負債》が【将来における「その負債を資産として持つ者へのカネの支払」または「その負債を資産として持つ者の債務の消去」の約束】のことだからです。

( ゚д゚)<どーゆーことや。

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理屈だけで説明するのは難しそうなので、感覚を掴んでいただくために、とりあえずいくつかの実例を見てみましょう。

 

借入金・未払金

負債と言えば、典型的なのが借入金・未払金です。

とある企業(X社)の貸借対照表の負債の部に

【借入金 100万円】と書かれていたら、

それは【X社が将来「借入金返済」の名目で、借入先に100万円を支払う約束をしている】ということを示しています。

「『借入金返済』の名目で100万円を支払う」というのを仕訳で表すと、こう↓なります(預金で支払うものとします)。

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勘定科目名が「未払金」の場合も、「借入金返済」が「未払金決済」に変わるだけで、あとの内容は同じですね。

 

前受金

前受金は、一瞬負債とは違うような気がするかもしれませんが、れっきとした負債です。

とある会社(Y社)の貸借対照表

【前受金 100万円】と書かれていたら、

それは【Y社が将来「前金清算」の名目で、前払いをした顧客の債務を100万円分だけ消去することを約束している】ということを示しています。

 

前受金の経理処理

いったん前受金の経理処理を説明しておきます。

旅行会社で旅行の予約をするときなんかに前金の支払を請求されることがあります。例えば、(´・ω・ `)<代金は全部で10万円です。3万円は前金ということで、すぐに支払ってください。残りの7万円は出発1週間前までにお願いします。みたいな感じです。

この取引の仕訳は、こう↓なります。

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( ゚д゚)<ほーん。なんかややこいの。

(´・ω・ `)<「前金清算」のとこで顧客が現金も預金も支払ってないのに、顧客の未払金が減っとるじゃろ。

( ゚д゚)<せやの。

(´・ω・ `)<ここが債務消去や。最初に前金3万円を受け取った時点でY社は、「後で、あなたの債務を3万円消去しますよ。」っちゅう約束をして、その約束が前受金として計上される。ほいで、Y社が代金を請求して、顧客に10万円の債務が生まれたら、約束どおり、10万のうちの3万をY社が消去する。そこで債務消去の約束は果たされて、もはやY社に約束しとることは無いから、前受金が消える。こんな感じや。

( ゚д゚)<ほーん。よー分からんの。

(´・ω・ `)<なんでや。

 

債務消去=カネの支払

相手が何らかの債務を負っているとき、「その相手の債務を消去する約束」と「その相手にカネを支払う約束」は、実質的には同じことです。

( ゚д゚)<なんでや。

(´・ω・ `)<例えば、ぼくがきみから1万円借りてるとするやろ。

( ゚д゚)<ほんほん。ぼくが借金しとるんやな。

(´・ω・ `)<ちゃうちゃう、借金しとんのはぼくや。

( ゚д゚)<おお、そか。ぼくは何をしとるんや。

(´・ω・ `)<きみはカネを貸しとるんや。

( ゚д゚)<そかそか。そらよかった。

(´・ω・ `)<よかったの。でな、

( ゚д゚)<ぼくはその次の日は何をするん?

(´・ω・ `)<その次の日は何もせんよ。てかその次の日て何やねんな。でな、

( ゚д゚)<なんもせんのんか。マンデーフライデーなんもせんでー。言うてな。

(´・ω・ `)<おう、言うてな。でな、

( ゚д゚)<毎日がエブリデイ!!言うてな。

(´・ω・ `)<にゃー!
( ゚д゚)<にゃー!

(´・ω・ `)<ほいでやな、ぼくがきみに古着を1万円で売って、その1万円できみからの借金を返したとするやん?

( ゚д゚)<そんな払って返してとか、めんどくさいことせんで、古着代っちゅうことで借金チャラにしたらええやん。おんなじことやろ。

(´・ω・ `)<な?そういうことや。

( ゚д゚)<どういうことや。

(´・ω・ `)<あーもー。

ということで、【債務を消去する約束】と【カネを支払う約束】は、ぱっと見は違うようですが中身は同じものですから、借入金が負債なのであれば、前受金も負債であるということになります。

 

株式(資本金)

株式(資本金)*1は、負債ではありません。

とある会社(Z社)の貸借対照表

【資本金 100万円】

と書かれていたら、それが示しているのは、【Z社が今までに株式を発行・売却して得たカネの総額は100万円である】ということだけであって、そこからZ社の将来のことは何も分かりません。

( ゚д゚)<株を発行したら配当金を出さなあかんのちゃうん?

(´・ω・ `)<配当金を出すかどうかは株主総会で決めることや。株主総会の結果「配当無し」ってなることもあるしな。株式発行=配当金ってわけちゃうで。

株式には【カネを支払う約束】も【債務を消去する約束】も含まれません。だから、株式は負債ではないのです。

 

貸倒引当金 *

* ここの所は「引当金」(簿記2級の範囲)を理解されてる方を前提に書いています。誰にでも分かるように「貸倒れ」とか「引当金」とかの語句や経理処理や趣旨の説明をしようとすると、ちょっと必要な字数が多すぎたので、断念しました。(´・ω・ `)<引当金?何それ?という方はここのところは読み飛ばしてもらっても問題ありません。

私が読んだ簿記2級のテキストには、

引当金」と名の付く勘定科目は、だいたい負債なのですが、貸倒引当金は負債ではありません。貸倒引当金はマイナスの資産です。

と書いてありました。

昔々、これを読んだときは、

(´・ω・ `)<なんでなんやろ・・・てか、マイナスの資産てどういうことやねん・・・訳が分からないよな。もぅマヂ無理。。。暗記しよ。ということで済ませたのですが、今回「負債とは何か」を考える過程でやっと理解しました。

これ、負債が【将来における「カネの支払」または「債務消去」の約束】のことだからだったんですね。

約束は1人ではできません。自分が約束相手に将来の「カネの支払」または「債務消去」を保証して、それを相手が受け入れたとき、はじめて成り立ちます。

ところが、貸倒引当金には、その約束相手が存在しません。売り手が自分で勝手に貸倒れを見越しているだけです。だから貸倒引当金は負債ではないんです。退職給付引当金には、会社が退職金の支払を約束した従業員が存在します。だから、退職給付引当金は負債なんです。

 

負債とは

《負債》とは、次のいずれかに該当するものです。

  • 将来における「その負債を資産として持つ者へのカネの支払」の約束
  • 将来における「その負債を資産として持つ者の債務の消去」の約束

借入金・未払金・前受金・退職給付引当金が負債に分類されるのは、この定義に該当するからです。一方、資本金・貸倒引当金は、この定義に該当しないため、負債には分類されません。

 

負債の本質

負債の本質は、人と人との約束です。もう少し具体的に言えば、その発行者からその保有者に対しての約束です。

なお、「保有者」とは、「その約束が書いてある証書を保有する者」ということですが、負債が発行されたときの発行先=保有者であるとは限りません。発行後に、証書が第三者へ譲渡された場合は、その第三者が「保有者」になります。

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また、証書はあくまで媒体に過ぎず、例えば借用書は、それ自体は負債ではなく、借用書に書いてある情報が負債であるということには注意が必要です。

そして、このことから、【負債の"価値"が証書の材料によって左右されることはない】ということが分かります。*2

つまり、ある負債の証書の材料が、紙・PDF・金銀・木の板・石ころ・人間の頭脳(記憶)・・・そのどれであっても、負債の本質である約束の内容とは何の関係も無いので、それによって負債自体の"価値"が変わることはありません。また、証書の材料に求められる条件は「人間が知覚できること」のみであって、「●●という負債は、紙に書かれたものでなければ価値が無い。」みたいなこともありません。

 

誰かの負債は別の誰かの資産

「負債の証書がこの世に存在している」という事実について、その証書の発行者は、それを帳簿に負債として計上します。一方、その証書の保有者は、それを資産として計上します。

つまり、【ある負債の証書の発行者がそれを負債として計上しているのであれば、その一方で必ず別の誰かがその証書を資産として計上している】と言うことができます。なぜなら、負債の本質が「人と人との約束」だからです。

私が約束をしているならば、必ずどこかにその約束の相手がいるはずです。約束相手がいなければ、私がしているのは約束ではなく、自分が勝手に一人でやっている誓いに過ぎません。

 

なぜ発行者の下に帰ると消えるのか

ここで、ある命題が真であるとき、その対偶もまた真です。

よって、【ある負債の証書を誰も資産として計上していないのであれば、その証書の発行者がそれを負債として計上することもない】と言うこともできます。

そして、負債の証書が発行者の下へ帰ったとき、発行者自身が保有者となり、もはやその証書を資産として計上している人は誰もいません。であれば、発行者がそれを負債として計上することもありません。

だから、負債は発行者の下に帰ると、消えて無くなる、というわけです。

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それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

ひとまずこちらの緊縮財政更生委員会さんの動画をどうぞ。

www.youtube.com

 

さて、このサムネイルのグラフ、日本以外の国の分を作ってみたらどうなるんだろうということで世界経済のネタ帳さんのデータで作ってみました。

まずは日本の分を作ってみると、ほとんど同じものが作れたので、これでデータだけ入れ替えて他の国の分も作ってみましょう。

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これだけでも日本だけ様子が変なのが分かりますし、アメリカ・イギリス・カナダは、国及び地方の債務残高に連動してGDPが増加していて、「政府がいっぱい赤字を出してもGDPは増えないんだ。」という意見が怪しく見えてきました。

 

ここで、相関係数というものがありまして、ざっくり説明すると「2つのデータがどれだけ連動しているか」を示すものです。完全に連動してたら1、全くバラバラだと0、完全に真逆だと-1になります。

さっきの4ヵ国の名目GDPと国及び地方の債務のデータで計算した相関係数がこちら↓です。

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ちなみにですが、このグラフはこんな見せ方もできます。

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さらに比較対象をG20に広げてみます。

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サウジアラビアは置いといて、このグラフから分かるのは、「日本だけがGDPと政府債務があまり連動していなくて、他の国はほぼ1、つまりほぼ完全に連動している。」ということです。

ここから「なんで日本だけ連動してないんだろう。調べてみるか・・・ああそうか、なるほど、これこれこういう原因か。ということは、日本には連動しない特別な●●の事情があるんだ。だから日本では政府の赤字を増やしてもダメなんだ。」と展開するならまだ分かるんですが・・・

これだけを見て、

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(゚⊿゚)<政府の赤字を増やしてもGDPは増えない!!!

ってのは、なんていうか、お粗末って言えばいいのかな・・・言葉を選ばずに言うと、低レベルってのが適当な表現か・・・ほんとに大学で人にものを教えとんのかな(´・ω・ `)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

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よろしくお願いします!

 

*1:会社が発行した株式は「発行株式」等の名前ではなく、「資本金」または「資本準備金」の名前で計上されます。

*2:私は「価値」という用語について[番外4-1]の考えがありますので、負債に対して「価値」という用語を使いたくなかったのですが、ちょっと他に言葉が見つからなかったので、せめて””をつけることにしました。