国債乱発派のMMT解説

ランダル・レイ教授の『MMT入門』をベースにMMTを解説します。ついでに自分の思うところなんかも伝えられたらと思います。ツイッターはこちらhttps://mobile.twitter.com/xbtomoki

9-2.外貨建て債務とハイパーインフレ その2

ワイマールのハイパーインフレが単に政府の「紙幣印刷」によって生じたと言うのは、明らかに単純すぎる。

MMT現代貨幣理論入門』kindle版 468/553pp


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。

MMT現代貨幣理論入門

MMT現代貨幣理論入門

 

 

また、本記事の作成では、こちらの記事も参考にしました。

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目次 

 

前回のおさらい

まずは前回のおさらいから行きましょう。

今回も前回と同じく、貨幣の金(カネ)と、貴金属の金(ゴールド)がややこしいので、貨幣の方は「カネ」、貴金属の方を「金」と書き分けます。

( ゚д゚)<なんで外貨建て債務があるとハイパーインフレになるん?

(´・ω・ `)<外貨建て債務があったら必ずハイパーインフレになるわけちゃうよ。ワイマールでハイパーインフレが起きた仕組みはこんな感じよ。

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( ゚д゚)<たしかに外貨建て債務は、原因っていうか、きっかけくらいの感じやな。そしたらハイパーインフレの原因は何やったん?

(´・ω・ `)<直接の原因は、政府が《金購入→マルク安→賃上げ→物価高》っていう一連の流れへの対応策に《猛烈な支出拡大》を選んでしまったことや。
【政府が高く買うから価格が上がる】
→【価格が上がったから政府が高く買う】
→【政府が高く買うから価格が上がる】
→・・・の無限ループが出来上がったわけやな。

( ゚д゚)<でもそれは大元・根本の原因じゃないって言うてたな。

(´・ω・ `)<おう。ほいじゃあ、そこから再開しよか。

 

本日のお題

ということで、本日のお題は、こちらです。

【ワイマールにおけるハイパーインフレの根本原因は何だったのか】

( ゚д゚)<よろしゅう!

 

供給能力が土台である

(´・ω・ `)<早速やけど、結論から行こか。

( ゚д゚)<ほう、珍しいの。

(´・ω・ `)<そこから先の話もいっぱいあるでの。ポイントはここや。

一方で、当時のワイマールは、国内の供給能力が低く、国内需要を満たすための一定の輸入が避けられない状況でした。
9-1.外貨建て債務とハイパーインフレ その1 - 国債乱発派のMMT解説

もしも、当時のワイマールに十分な供給能力があり、輸入に頼らなくても内需を満たすことができていれば、輸入品は贅沢品に過ぎず、それの価格が上がっても、生活物資全体の価格が上がることはありませんので、マルク安になって、それでおしまいです。賃金も物価も上がりません。

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(´・ω・ `)<やっぱ、供給能力が経済の大元っちゅうか土台なわけよ。敗戦もあって、その土台となる供給能力が弱っとったワイマールの経済に連合国が賠償金っていう負荷をドカンと乗っけたもんやから壊れてもうたわけや。

( ゚д゚)<ほんほん。そういや、[6-6]でも、「ギリシャ財政破綻の大元は、ギリシャの供給能力の低さや」て言うてたな。それに、[7-1]でも「供給能力が弱くなると、主権通貨国でいられなくなるよ」て言うてたな。いろんな、それも結構重大な問題の原因になるってことは、やっぱそれが《土台》やからなんか。

(´・ω・ `)<いえす!ざっつらいと!

 

30年間自由競争を続けた結果…

供給能力は、その国の社会経済の土台です。

供給能力の弱さは、主権通貨国の地位を危うくし、ハイパーインフレ財政破綻のリスクを大きくし、国民生活を貧しくします。

なので、国民生活を守る責務を負う政府は、国内の供給能力をできる限り高めるような経済政策を選択するべきであると言えるでしょう。

(´・ω・ `)<ここまでは主流派もMMTも意見の相違は無いと思うんやけど・・・

(゚⊿゚)<供給能力を高めるためには・・・そうだね!自由競争だね!

( ゚д゚)<なんですぐそーなるかね、きみは。

(゚⊿゚)<自由競争は全てを解決するからだ!ハッハッハーッ!さて、自由競争を促すためには・・・規制緩和!富裕層優遇!政府支出削減!法人税減税!ん?減税?いかん、クニノシャッキンガー!代わりに消費税上げとくか。しゃーなしやな。

この主流派の主張に30年間従い続けてきた結果がこちらです。

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( ゚д゚)<日本だけ、ぜんっぜん増えてへんやん。

(゚⊿゚)<そんなわけない!詐欺グラフだ!

( ゚д゚)<あ?どこがどう詐欺なんか言うてみ。

(゚⊿゚)<なんで1990年基準なんだ!恣意的だぞ!

( ゚д゚)<じゃあ、2000年基準をどうぞ。

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( ゚д゚)<大して変わらんじゃん。

(゚⊿゚)<じゃあじゃあ!なんで比率で見るんだ!恣意的だぞ!生の値で見せてみろ!

( ゚д゚)<増えてるかどうかを見たいんやから、どこかを基準にして何倍になっとるかを見た方が分かりやすいやんけ。どーせ生データじゃあ計算貨幣がバラバラで比べられへんからドル換算せないかんし、そしたら為替変動が入り込むから余計分かりにくくなるで。まあ、そこまで言うなら、はいどうぞ。

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( ゚д゚)<ほらー、見づらいー。

(゚⊿゚)<おかしいぞ!なんかズルしてるだろ!なんで日本代表のエースとクローザーと4番とセカンドがいるのに最下位なんだ!マエケンはそろそろ戻ってこい!

( ゚д゚)<何の話や。

 

自由競争が供給能力を伸ばす?

そもそもなんですが、自由競争で供給能力が高まることなんか無いんじゃないでしょうか。よく「自由な競争で生産性向上を促して、うんたらかんたら・・・」とか言う人がいますが、あれはいったいどういう理屈でそう言われてるのか。

競争による供給能力向上というと、こういうイメージなんでしょうが、

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実際に起きてるのはこういうことでしょう。生き残った企業の伸びが、脱落する企業分のマイナスを超えない限り、トータルの供給能力は増えません。そもそも"競争による伸び"なんてのが実在するのかすら怪しいもんです。

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私は、「自由競争こそが成長のエンジンだ!」という意見には懐疑的です。この2つ↓、どっちの方がより国内全体の供給能力を向上させるでしょうか。

(゚⊿゚)<いちばん出来の良い米を作った農家さんには賞金10億円を出しましょう!でも優勝者以外の田んぼは、全部つぶします!生き残るために、がんばって競争してください!

(´・ω・ `)<全国の農家さん!みんなで品種改良運動をやりましょう!政府がちゃんと参加者全員の所得を保障しますから、思い切ってチャレンジしてください!ええやつができたら、みんなでシェアしましょうね!

これは推測レベルで断言はしきらんのですが、自由競争は「誰がいちばん強いのか」を見えやすくするだけで、別に競争が供給能力を強くしてるわけではないんじゃないでしょうか。

 

日本とワイマールの違い

( ゚д゚)<あれ?でも日本だって食料自給率低いし、ガソリンとか100%輸入やん。円安で輸入品価格が上がったら困るのはいっしょやろ。ワイマールと何が違うん?

(´・ω・ `)<いちばんの違いは、特に自動車なんやけど、日本には供給能力が有り余っとる輸出産業があることや。それがあるけー、もし円安になっても、そしたら自動車が外国にバシバシ売れるようになる、バシバシ売れたら円高になる、ほいだら元どおりよ。

( ゚д゚)<ほんほん。ワイマールにはそーゆーのが無かったから、マルクが下がったら、そのまま下がりっぱなしやったっちゅうことか。

(´・ω・ `)<せやな。逆に、もしワイマールにそーゆー産業があったら、放っといたらマルク高になり過ぎてしんどかったのが、金購入でむしろバランスが取れとったかもしれん。

 

紙幣は原因ではない

主流派は、ワイマールのハイパーインフレを「たくさん紙幣を刷ったことが原因だ」と、このように↓説明しますが、

(゚⊿゚)<ワイマール政府が紙幣を大量に刷って、貨幣流通量が爆増したから、ハイパーインフレになったんや!MV=PT!どや!

これは間違いです。

少なくともワイマールのハイパーインフレには当てはまりません。

 

何が間違いか

冒頭で《金購入→マルク安→賃上げ→物価高》という流れを説明しました。

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ここで、ワイマール政府が紙幣を刷るタイミングは、次の3つです。

  • 賠償債務のために金を買うとき
  • 公務員の賃金を支払うとき
  • 民間の製品を買い上げるとき

これらのタイミングでの紙幣発行量は、上記の流れが起こるたびに増えます。

  • マルク安→マルク建ての金価格上昇→紙幣発行量増加
  • 公務員賃上げ→紙幣発行量増加
  • 物価上昇→紙幣発行量増加

(´・ω・ `)<おかわりいただけるだろうか。

( ゚д゚)<私にもいただけるだろうか。

逆なんですよ。

「たくさん紙幣を刷ったこと」は、ハイパーインフレ原因ではなく、結果なんです。

 

ハイパー謎理論

【紙幣増刷→ハイパーインフレ
こんな因果関係は存在しません。

【供給能力の弱さ→何らかのきっかけ→ハイパーインフレ→紙幣発行量増加】
これが正しい因果関係の流れです。

主流派経済学は、これ以外にも、

(゚⊿゚)<不況の原因は財政赤字だ!
(゚⊿゚)<政府支出増には税収増が必要だ!

こーゆー【事が起きた後の現場検証で見つけた"パッと目につきやすいもの"に飛びつき、それを原因と決めつけたものの、実はそれは原因ではなく結果であった。】という間違いを延々と繰り返してきました。そして「間違ってますよ」と指摘されても絶対に認めませんでした。

( ゚д゚)はい、捜査一課・・・なに!?殺人!?すぐに現場に向かう!



( ゚д゚)<ここが事件現場か・・・これはっ!被害者が血だらけだ!分かったぞ!この大量の血が被害者の死因だ!間違いない!

(´・ω・ `)<なんでやねんwwwww

主流派の「紙幣増刷がハイパーインフレの原因」説は、これと言ってることは同じです。彼らは因果関係を逆に捉えてしまっているだけではなく、"供給能力の弱さ"という真犯人を見えなくしてしまっています。

その結果、生まれたのが、

(゚⊿゚)<紙幣の発行量が限界を超えるとハイパーインフレになるかもしれないから、普段から紙幣の発行量を抑えるためにとにかくできるだけ緊縮しておくのが良いんだ。緊縮財政は政府の市場への影響力を弱めるから自由競争を促す。そしたら供給能力も高まって一石二鳥だ。

とかいう1から10まで間違った謎理論です。

ハイパーインフレの原因は、紙幣発行量ではありません。供給能力の弱さです。

そして自由競争は供給能力を高めるとは限らないし、緊縮財政は明らかに供給能力を弱くします。主流派の謎理論が示しているのは、ハイパーインフレへの最短ルートです。

もうね、訳分かってないなら黙れよ、とは言わんけど、せめて「私、実は訳分かってなくて、いまから言うことは、当てずっぽうなんですけどね…」って断ってから言ってほしい(´・ω・ `)

でも、ここまで害悪撒き散らされると黙れって言いたくなってしまう・・・( ゚д゚)

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

気になる記事がありましたので、ツッコミを入れていきたいと思います。

勝手ながら要約すると、

  • 民営化アンチは、経済や市場を【誰かの得は誰かの損】という《ゼロサムゲーム》だと思っているから、金儲けは悪だと思ってしまう。
  • しかし、産業革命によって、経済や市場は、【誰かが得しても、誰も損しない】という《プラスサムゲーム》に転換した。柿埜真吾氏もそう言ってる。
  • だから民営化によってどんどん金儲けをしてもらった方が、世の中の"得"がどんどん増えて、社会全体が豊かになる。

 

ツッコミ編

とにかくですね・・・ふんわり"得"とか"損"とか言われてますけど、それって具体的には何のことを言ってるんですかね。そこが恐ろしくふんわりしとるから、記事全体がふわふわーっとしとって、何ともつかみどころが無いんですよ。わざとなんでしょうけど。

損益計算書の黒字赤字のことだったら、産業革命で転換なんかしてませんよ。昔からずーっと、いまでもゼロサムです。どちら様か存じませんが、柿埜真吾さんにも教えてあげといてください。

ちょっと脱線しますが、「プラスサムに転換したんだ」と言いたいのであれば、ちゃんと疑いようの無い原理原則から論述をスタートして、そこから合理的に論理を展開して、「プラスサムに転換したんだ」に導いてください。それをすっ飛ばして「■■先生がそう言ってますから、そうなんです」はあまりに不誠実な態度ではないかと思います。

で、戻りますと、プラスサムじゃないわけだから、【民営化してどんどん儲けてもらえば、みんなハッピー】理論は、前提が間違っていますので、成り立ちません。

 

ハイ論破(´・ω・ `)

ついでに・・・何個かツイート晒してますけど、「金儲けは悪だから反対」とか誰も言ってないですよ。

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

9-1.外貨建て債務とハイパーインフレ その1

ワイマールのハイパーインフレが単に政府の「紙幣印刷」によって生じたと言うのは、明らかに単純すぎる。

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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また、本記事の作成では、こちらの記事も参考にしました。

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目次 

 

第9章を始めます

本記事より、第9章「インフレと主権通貨ー『紙幣印刷』がハイパーインフレを引き起こすわけではない」に入ります。

 

前回までの「インフレに関する考察」シリーズでインフレの話は、お腹いっぱいかもしれませんが、それだけ大事なテーマだということですので、どうぞお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

 

本日のお題

( ゚д゚)<なあなあ。

(´・ω・ `)<あら美香さん、何かしら?

( ゚д゚)<なんで叶姉妹やねん。あの2人、最近テレビで見らんの。

(´・ω・ `)<で?叶姉妹がどうしたん。

( ゚д゚)<叶姉妹はどうでもええねん。だいたい叶姉妹を振ってきたのはきみや。

(´・ω・ `)<ぼくか。

( ゚д゚)<せやな。

(´・ω・ `)<全然話が進まんな。

( ゚д゚)<きみのせいやろ。

(´・ω・ `)<せやな。で?

( ゚д゚)<それ、自分がやられると腹立つな。まあええわ。でな、聞きたいことがあるやけど。

(´・ω・ `)<あらあら、何かしら?

( ゚д゚)<それやめて。

(´・ω・ `)<うい。

( ゚д゚)<なんで外貨建て債務があるとハイパーインフレになるん?

(´・ω・ `)<ほほう、そうきましたか。

ということで、本日のお題は、こちらです。

【外貨建て債務とハイパーインフレの関係】

( ゚д゚)<よろしゅう!

 

まずは実例を見てみよう

さて、ハイパーインフレといえば、ワイマールとジンバブエで起きたハイパーインフレが有名です。

( ゚д゚)<ワイマールて何や。

(´・ω・ `)<第一次世界大戦直後のドイツのことや。この写真のやつや。

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( ゚д゚)<ああ、これね。見たことあるわ。

ワイマールやジンバブエの政府は、たしかに多額の外貨建て債務を負っていましたし、その外貨建て債務がハイパーインフレの発生に重要な役割を果たしました。

但し、【外貨建て債務があると、必ずハイパーインフレになる】というわけではありません。

その証拠に、ユーロ加盟国は、どの国も外貨建て債務を負っていますが、(いまのところ)ユーロ加盟国にハイパーインフレは起きていません。

( ゚д゚)<ユーロ加盟国は外貨建て債務を負っとんの?

(´・ω・ `)<ユーロ加盟国の国債は、ユーロ建てや。ほいで、ユーロ加盟国にとってユーロは外貨やろ。[6-4]を見直しんさい。

( ゚д゚)<ああ、そうやったの。ほいだら、えーと・・・外貨建て債務があるからと言って、ハイパーインフレになるとは限らんけど、ハイパーインフレが起きたワイマールとかジンバブエには外貨建て債務がいっぱいあって、しかも外貨建て債務がそれらのハイパーインフレ発生に深く関わっとったっちゅうことは・・・えーと・・・

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この問題は、理屈だけで考えていると、このように訳が分からなくなるので、まずはいったん具体的な事例(ワイマールのハイパーインフレ)の中身を説明して、感覚を掴んでもらった方が話が早いと思います。

(´・ω・ `)<ほいじゃあ行ってみよー。

 

ワイマールのハイパーインフレ

第一次世界大戦で敗れたワイマール共和国は、連合国から多額の賠償金債務を負わされました。

ワイマール共和国の政府は、当時《マルク》という通貨(計算貨幣)を採用していましたが、その賠償金債務は、マルクではなく、「(貴金属の)金で支払うこと」とされました。*1

貨幣の金(カネ)と貴金属の金(ゴールド)がややこしいので、以後、貨幣の方は「カネ」、貴金属の方は「金」と書き分けることにします。

 

ワイマール政府が債務を弁済するためには、マルク紙幣をせっせと刷って、金市場に出かけて、金を買い込んで、連合国に献上しなければなりません。

( ゚д゚)<えっ、それでええの?

(´・ω・ `)<ええのっていうか、それしか方法が無いやんけ。

( ゚д゚)<いや、それでええならプリプリっと刷って、買って、おしまいやないか。楽勝やん。

(´・ω・ `)<日本やったらそうやな。ところがワイマールだと、そうはいかんのよ。

 

ハイパーインフレの仕組み

ワイマールで起きたハイパーインフレの流れは、以下のとおりです。

  1. ワイマール政府が刷ったマルク紙幣が為替市場に流れて、マルクが売られて、マルク安になります。
  2. マルク安になると、輸入品価格が上がります。一方で、当時のワイマールは、国内の供給能力が低く、国内需要を満たすための一定の輸入が避けられない状況でした。
  3. そのため、輸入品価格の上昇は、生活物資全体の価格上昇につながりました。
  4. そうすると、労働者から
    ( ゚д゚)<これだけ物価が上がったんだから、賃金を上げてもらわないと食っていけないよと不満が出るようになります。
  5. ワイマール政府は、それに応えて、公務員の賃金を上げました。
  6. 公務員の賃金上昇は、民間の労働者に
    ( ゚д゚)<賃金を上げないなら、ここをやめて公務員になってもいいんだぞという交渉カードを与えることになるので、民間の賃金も上がりました。
  7. 民間の賃金が上がり、原価が高くなると、国内の企業は、自社製品をより高い価格で売らないと利益を出せなくなります。
  8. そこで"いくらでも支出する能力のある"政府が、国内企業を守るために、その製品を高値で買う意思を示すと、国産品の価格も上昇します。

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《マルクの為替レート低下・賃金上昇・物価上昇》の3重苦に至る一連の流れは、ワイマール政府が賠償金債務を弁済するために金市場で金を買うたびに起こり続けます。

さらに悪いことに、1回目の流れによって、マルク安・賃上げ・物価高が進んでいるので、2回目の流れのとき、ワイマール政府は、より多くのマルク紙幣を刷ることになります。

そして一層のマルク安・賃上げ・物価高が起こり、2回目より3回目、3回目より4回目、と必要な紙幣の量はどんどん増えていきます。

これがワイマールのハイパーインフレの仕組みです。

 

"止められなくなった"わけではない

但し、誤解の無いようにしておきたいのが、

(゚⊿゚)<いったんハイパーインフレが始まったらワイマールみたいに止まらなくなるぞ!

と言う人もいますが、それは明確に間違いです。

ワイマールのハイパーインフレは、"止まらなくなった"というよりは、むしろ政府がこのように↓火に油を注ぎ続けました。

( ゚д゚)<賠償金を払うために金を買わなくちゃ!
( ゚д゚)<あれ、マルク安で公務員の生活が苦しくなってる…賃上げしなくちゃ!
( ゚д゚)<あれ、今度は賃上げで国内企業が赤字になってる…いつもより高値で買ってあげなくちゃ!
( ゚д゚)<あれ、金の価格が上がっとるな、いや、金が上がったんやなくてマルクが下がっとんか…まあどっちでもええわ、高いけど賠償金を払うために金を買わなくちゃ!

これが[番外4-6]で解説した「政府の猛烈な支出拡大」の中身です。

「賠償金を払う」「困っている国民を助ける」という目的を果たそうとしたことを批判する気はありませんが、手段がちょっと短絡的だったんじゃないかなとは思います。

せめてマルクから外貨への両替を規制してマルク安を防ぐ、くらいの工夫をしていれば・・・だいぶ違った結果になっていたかもしれません。

 

次回予告

( ゚д゚)<ほんほん。なるほどな。こんな具合で外貨建て債務がハイパーインフレに繋がるわけか。

(´・ω・ `)<おう、最初に言うた【外貨建て債務があると、必ずハイパーインフレになるわけじゃない】っていう意味は分かってくれたかの。

( ゚д゚)<たしかに外貨建て債務は、原因っていうか、きっかけくらいの感じやな。ほいだら、ハイパーインフレの原因は、猛烈な支出拡大をした"政府の短絡さ"ってことか?

(´・ω・ `)<いや、たしかに政府が支出をするときに上手に工夫を加えてたら避けられたかもしれんけど、"かもしれない"止まりや。大元の、根本の原因はそれやない。「どうなっとったら、そんな工夫をせんでもいいようになっとったんか」ってとこまで考察してみ。

( ゚д゚)<いやです。

(´・ω・ `)<えええ・・・

( ゚д゚)<もうお腹いっぱいやねん。続きは次回にしようや。

(´・ω・ `)<ああ、そういうことかい。急に反抗的になったかと思ってびっくりするやないの。ほいじゃあ、このへんでいったん切ろうかの。

( ゚д゚)<いやです。

(´・ω・ `)<えええ・・・

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

本日のおまけは独り言です。

 

正直、いままで意図的に距離を取ってたので、書くかどうか結構悩んだんですが・・・第三者にも石をぶつけられる人が出てきて、こりゃ我関せずの態度も卑怯な気がしましたので、どれだけの人にこれを読んでいただけるか分かりませんが、ここに自分の意見を書いておくことにしました。

それに、思い過ごしかもしれませんが、我関せずとか言ってても、そのうちたぶん私にも石飛んできそうな感じがしますし(´・ω・ `)

 

とりあえず、私は、ベーシックインカムのことはよく分からないので、いまのところ賛成も反対もする気はありません。「定期的に現預金を給付する政策」で上乗せ型とか社会保障代替型とかがあることくらいは分かりますよ。

ほんとによく分からないので、池戸さん、責任取れとは言いませんから、ぜひちょっとツイッターに費やす時間をいくらか削ってもらって、その時間で『ベーシックインカムとは』みたいな、ベーシックインカムの趣旨・仕組み・効果・歴史・データなんかをまとめた本を書き上げていただきたいなと願うばかりでございます。

 

それから、こっちの方が本題というか言いたいことなのですが、やっぱり議論をするときに人間を攻撃したらいかんですよ。それをやると成り立たなくなる。

とか、えらそうなこと言いながら、私だってついやっちゃうときはありますけどね。 

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

*1:正確には「金との固定交換レートを約束したマルクで支払うこと」なんですが、ややこしいし、実質は「金で支払うこと」なので、このように記述しました。

5分でわかるヴェルサイユ条約!賠償金など内容や問題点をわかりやすく解説! | ホンシェルジュ

番外4-11.インフレに関する考察 その11

 

本記事はMMT解説ではありません。私がMMTをベースに理屈をこねくり回して考えたことを記事にしたものです。


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本シリーズのお題

「インフレ・デフレがどういう仕組みで起きるのかがよく分からない。」

これが長いこと私の悩みのタネでした。

三橋貴明さんがよくこの図↓を使って「需要が供給より大きくなればインフレに、逆ならデフレになる。」と言われます。

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新世紀のビッグブラザーへ データ44

インフレデフレは需要と供給のバランスによって起こり、バランスが需要の方に傾いたときにはインフレが起こる。

たしかにそうです。実際にもそうなってますし、それは分かってるんです。

ただ、私がよく分からんと言ってるのは、そのもう一歩先というか、手前というか、「なんで需給バランスが需要側に傾いたら物価が上がるのか」ということなんです。

 

MMT現代貨幣理論入門を読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生も読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

マンキュー マクロ経済学Ⅰ入門篇(第4版)も読みました。
紙幣をいっぱい刷ったらインフレが起きると書いてありました。ハイハイワロスワロス

 

仕方がないので、自分で考えてみることにしました。その考えが多少なりともまとまったので、ここで書いてみることにしました。もしよろしければ、感想や指摘等をいただけたらありがたいです。

ただ、とても長くなりそうなので、「インフレに関する考察」シリーズということで、数回に記事を分けようと思います。5本以上になりそうです。

ということで、シリーズ11本目、やっていきましょう。よろしくお願いします。

 

番外4-6までのまとめ

[番外4-6]までのまとめを確認しておきます。

[番外4-1]より

  • 《インフレ》とは、「任意の財・サービスの価格が上昇すること」である。なお、上昇するのは価格であって、価値ではないことに注意されたい。
  • 《価格》は、できるだけ安く買いたい買い手と、できるだけ高く売りたい売り手が、互いに交渉して、折り合いが付いた値段のことである。つまり、価格とは、人と人との売買交渉の合意点である。
  • 価格と価値の関係性はかなり薄い。価格が価値とは関係なく上下することはいくらでもある。
  • 価格は、人と人の合意さえあれば、何にでも、いくらでも付けることができる

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[番外4-2]より

  • 価格の上昇は、良い買い手が多い【売り手有利】の状況、または良い売り手が少ない【買い手不利】の状況で起きる。

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[番外4-3]より

  • 需給バランスが需要側に偏ることによってインフレが生じる仕組みは、次の図のとおりである。

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[番外4-4]より

  • インフレ・デフレの本質は、需給バランスではなく、買い手側・売り手側それぞれの《競争》のバランスにある。
  • 要因は、需給バランス以外にも無数にあるが、その影響は買い手(売り手)の競争促進(競争阻害)の4パターンに集約できる。
  • 買い手の競争促進と売り手の競争阻害は価格上昇圧力になり、買い手の競争阻害と売り手の競争促進は価格下落圧力になる。
  • 上昇圧力と下落圧力が同時にかかり、大きい方の影響だけがインフレまたはデフレという目に見える現象として現れる。

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[番外4-5]より

  • 株価以外の普通の財・サービスについても、プライスボードで価格変動を説明することができる。

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本日のお題

(´・ω・ `)<ほいじゃあ、ラスト4つめの続き、いってみよか。

アメリカ株の価格は、今後も上がり続けるのか】

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ダウ平均株価は、1980年~2020年の40年間、平均すると年9%のペースでずっと増え続けて、2020年は1980年の約30倍にまで増えました。

これが今後も続くのかを、

  • 株価が40年間上がり続けた原因を探る。
  • その原因がこれからも成り立ち続けるのかを検証する。

という順序で考えてみようと思います。

 

前回までのおさらい

[番外4-9][番外4-10]のおさらいをしておきましょう。

  • ダウ平均株価は40年間上がり続けた。
  • これは家計が株を高値買いする意思と能力を持ち続けたからである。
  • 株を高値で買う意思は「株価は上がり続ける」という期待から生まれた。
  • 株を高値で買う能力(カネ)は財政赤字から生まれた。

(´・ω・ `)<からの、やな。

( ゚д゚)<おう、やっと本題や。3本もかかるとは思わなんだ。

(´・ω・ `)<ほいじゃあ【株価を上昇させてきた家計の高値買いの意思と能力が今後も継続していくか】っちゅうことでやっていこか。よろしゅうな。

( ゚д゚)<まかしときー。

(´・ω・ `)<ちゃうちゃう、ぼくが教える側よ。え、これまたやり始めるん?

 

カネは供給され続けるか

まずは、

【今後も財政赤字が続き、家計に株を買うカネが供給され続けるのか】

を考えてみましょう。

 

[4-2][7-4]のとおり、政府収支は、赤字であることが普通です。財政赤字は持続可能ですが、財政黒字は持続不可能です。

よって、財政赤字は、間違いなく今後も継続し、銀行預金は増え続け、家計には株を買うカネが供給され続けます。

財務省さん、クニノシャッキンは増え続けて、毎年過去最大を更新し続ける運命なんです。もうあの気持ち悪いプロパガンダ、無駄だし迷惑なんでやめてもらえませんか(´・ω・ `)

( ゚д゚)<おお、簡単やな。

(´・ω・ `)<さんざん説明してきた内容じゃけーの。

 

株価上昇を信じ続けるか

続きまして、

【家計は今後も「株価は上がり続ける」と考えるのか】

を考えてみましょう。

(´・ω・ `)<結論から言いますと・・・

( ゚д゚)<言いますと?

(´・ω・ `)<分かりません。

⊂⌒~⊃。Д。)⊃<ずこー

(´・ω・ `)<そんなもん分からんよ。他人の考えることなんて。どこぞのメンタリストじゃあるまいし。

( ゚д゚)<おい、やめろ。

(´・ω・ `)<まあ、でも、さすがに断定はしきらんっちゅうだけで、「たぶん信じ続けるやろうな」くらいのことは言えると思うで。

( ゚д゚)<ほほう。と言いますと?

(´・ω・ `)<それでは私がそのように思う根拠を説明いたしましょう。

 

リスク資産は買われ続ける

あなたが、共におるわたしの民の貧しい者に金を貸す時は、これに対して金貸しのようになってはならない。これから利子を取ってはならない。

旧約聖書:出エジプト記 第22章 第25節

旧約聖書に金貸しが登場する事実からは、【貯蓄を安全資産からリスク資産に振り替えることで、さらに貯蓄を増やす】というメソッドが太古の昔から存在したことが伺えます。

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私には、これほど長く生き残ってきたビジネスモデルが、今後そう簡単に消え去るとは思えません。一定の貯蓄を持つ人々は、これからリスク資産を買って不労所得を求め続けることでしょう。

 

問題はアメリカ株が選ばれるか

となると、残る問題は【購入するリスク資産としてアメリカ株が選ばれるか】です。

アメリカ株が選ばれれば、株価は上がり続けることになります。そして、家計は「株価は上がり続けるんだ。」と信じるようになるでしょう。

(´・ω・ `)<ちょっと誤解があるといかんから言うとくな。別に「アメリカ株が選ばれる」って全財産をアメリカ株に突っ込むって意味じゃないけーの。

( ゚д゚)<あれ?違うん?

(´・ω・ `)<そうじゃなくてやな、「アメリカ株が選ばれる」ってのは、【預金のうち、3割は預金のままで、3割はアメリカ株で、残りは国債】みたいなのも含んどる、っていうか、その方が普通や。

( ゚д゚)<ああ、なるほどな。

(´・ω・ `)<ちなみに、こーゆー「全資産のうち、何割は○○で、何割は△△で…」みたいな配分のことをアセットアロケーションって言うんやで。

( ゚д゚)<あれ?そういうのって"ポートフォリオ"っていうんじゃなかった?

(´・ω・ `)<かじっとんなー。いや、よくごっちゃにされるっていうか、ごっちゃにしても大した問題じゃないんやけどな。ポートフォリオってのは、アセットアロケーションを具体的な銘柄にまで落とし込んだやつのことや。ちょっとちゃうねん。

( ゚д゚)<ほーん。まあどうでもええわ。ほいだら、逆の「アメリカ株が選ばれない」は、そのなんとかかんとかいうやつで、アメリカ株の割合が0%にされるってことか?

(´・ω・ `)<そういうこっちゃ。ほいじゃ、そういうことになるかどうかを考えてみよか。

 

家計はアメリカ株を買い続けるだろう

ブラックマンデーリーマンショック、コロナショックと、株価はこれまでに何度も暴落してきましたが、そのたびに株価は暴落前の水準を回復し、長期的には一貫して上がり続けてきました。

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特に2020年のコロナショックは、過去最大級の暴落でしたが、大元のコロナ問題がいまだに解決されていないにもかかわらず、わずか1年以内にショック前の水準を回復し、その後もどんどん上がり続けています。
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( ゚д゚)<おお、なんじゃこら。どないなっとんねん。

(´・ω・ `)<たぶん、先進国各国(日本除く)の政府がロックダウン補償とかでコロナショック対応のために大規模な財政出動をして大量のカネを家計に供給したやろ。そのカネが株に向かったんやろな。日本は日銀が直で株を買い漁って値段を吊り上げるっていうゴリラみたいな方法で回復させたけどな。*1

 

さて、このような

  • 長期ではずっと上がり続けている。
  • 何度暴落しても必ず回復してきた。
  • 過去最大級の暴落でも政府がカネを出したら、1年もかからずに回復した。

という株価の歴史を見て、

(゚⊿゚)<あらやだ。こんなのを長期で持つなんて危なっかしくてやってられないわ。

と考える人がいったいどれだけいるでしょうか。

もしそんな人がそれほど多くなければ、アセットアロケーションからアメリカ株が除外されることはないはずですから、これからも家計は株を買い続けることになるでしょう。

 

まとめ

( ゚д゚)<ほいじゃあ、最後、まとめてもらおかの。

(´・ω・ `)<うい。

[番外4-9]から続いた本記事のテーマは、 こちらでした。

アメリカ株の価格は、今後も上がり続けるのか】

 

で、これを

  • 株価が40年間上がり続けた原因を探る。
  • その原因がこれからも成り立ち続けるのかを検証する。
という順番で考えてみました。
 

株価が40年間上がり続けた原因は何だったか

  • 株価が上がり続けた原因は、家計が株を高値買いする意思と能力を持ち続けたからである。
  • 株を高値で買う意思は「株価は上がり続ける」という期待から生まれた。
  • 株を高値で買う能力(カネ)は財政赤字から生まれた。

 

これからも成り立ち続けるのか

  • 財政赤字は、今後もずっと継続するので、株を高値で買う能力(カネ)は、これからも家計に供給され続ける。
  • 家計がこれからも「株価は上がり続ける」と信じ続けると断定することはできない。
  • しかし、いまのところ、上がり続けると思わせるようなデータはあっても、下がり続けると思わせるようなデータは無いし、今後もアメリカ政府がわざわざ株価を暴落させたままにしようとしない限り、そんなデータが出ることはないだろうから、家計のアセットアロケーションからアメリカ株がすっかり除外されることはないだろう。
  • 除外されないということは、アメリカ株は買われ続けるということである。アメリカ株が買われ続ければ、株価は上がり続けるので、いままでどおり、家計はできるだけ安く買うために高値買いの意思を持ち続けるだろう。

→ということは、株価が40年間上がり続けた原因である【家計が株を高値買いする意思と能力を持つこと】は、これからも成り立ち続ける。

よって【アメリカ株の価格は、今後も上がり続ける】ことになるでしょう。たぶん。

(´・ω・ `)<めでたしめでたし。
( ゚д゚)<おう、おつかれさん。

 

追伸

ついでに言っておきたいことと、言っておかないといけないことを書いておきます。

 

"投資家"さんたちへ

世界の銀行預金総量は、これからもずっと増え続けます。これは断言できます。間違いありません。そういうふうな仕組みになっとるんです。

てことは、株価はきっと上がり続けますよ。それもチマチマした配当金なんかどうでもよくなるくらいのペースで。

だから、そんなに焦って(゚⊿゚)<もっと配当金を出せー!下請けと労働者を絞り上げろー!とか言うの、みっともないからもうやめませんか。

 

おことわり その1

本記事はあくまで「私はこうなるんじゃないかと思います。」 というものです。

(´・ω・ `)<てめえの記事を信じて買ったら大損こいたじゃねえか。

と言われましても、一切の責任は取れませんので、ご了承ください。

 

おことわり その2

[番外4-9][番外4-10]及び本記事の考察対象は、ダウ平均株価やS&P500等で表されるアメリカ株全体の株価の30年間くらいでの長期の動きです。個別株は、対象ではありません。

個別株は、いつまで経っても上がらないとか、暴落したまま戻ってこないことも普通に起こると思います。

 

シリーズ完結です

番外4『インフレに関する考察』シリーズは、本記事にていったん完結とします。

およそ1か月半かかりましたが、だいぶ自分の中での理解が整理されたような気がしていて、書いて正解だったなと思っています。また何か思いつきや発見があったら書き足そうかなとも考えていますが、とりあえず次回記事からはMMT解説に戻ります。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

( ゚д゚)<あれ?財政赤字で供給されるカネは、株以外を買うのにも使えるやんか?

(´・ω・ `)<そらそうよ。それがどしたん。

( ゚д゚)<ほいじゃ、家計が「価格が上がり続ける」と思ったやつなら、株以外も上がり続けるんちゃうか?

(´・ω・ `)<ほう、鋭いの。たぶんそうなると思うで。ビットコインのことを言いたいん?

( ゚д゚)<ほう、鋭いの。

(´・ω・ `)<マネすんなやwうっとうしいなw

( ゚д゚)<いやいや、(´・ω・ `)<ほう、鋭いの。の方がよっぽどうっとうしいがな。

(´・ω・ `)<はいはい、すみませんでした。で?ビットコインのことが聞きたいんか?

( ゚д゚)<おう。ビットコインだけじゃないけどさ、仮想通貨か暗号資産か知らんけど、あれを推しとる人、結構おるやん。あれ、買って大丈夫なん?

ということで、仮想通貨についても、私の考えを述べてみたいと思います。あくまで私の考えに過ぎませんので、参考にされるかどうかは"自己責任"でお願いします。

 

仮想通貨の今後について

おそらく仮想通貨の価格は、少なくとも銀行預金の総量が増え続けるのは間違いないので、基本的には上がり続けると思います。ただ、おすすめは全くしませんし、私は絶対に買いません。

 

なぜかと言いますと、

まず、前提として、仮想通貨には実在が何もありません。[番外4-1]のとおり、レターポットには何の価値もありませんが、少なくとも西野さんは実在します。ところが仮想通貨には本当に何もありません。( ゚д゚)<仮想通貨ってアレは一体何なん?と聞かれたら、私は「あれは無です。」と答えます。アレは、無に"仮想通貨"っていう名前を付けて、ブロックチェーンとかで飾り付けたものを通貨だと思い込んでるだけなんです。

いつか西野さんが「お金っていうのはみんなが価値があるっていう幻想を抱くことで成り立ってるものなんだよ」とか言われてて、デタラメ言うてんちゃうぞマジキモイなと思ったんですが、あれは仮想通貨の説明であれば、少し正解です。

ただ、問題は、【仮想通貨の正体が《無》であること】ではありません。仮想通貨を買ってる人たちの大部分が、【自分たちが《無》に価格を付けて、《無》を売ったり買ったりしていることを理解していないこと】なんです。株だって株が何なのか理解せずに買ってる人はいますが、それは購入者のうちのごく少数です。

 

その人たちが仮想通貨の正体をいつ理解するのか、理解したときにどういう行動に出るのかは完全に予測不可能です。大パニックが起きるかもしれないし、「あっそう」で済むかもしれないし、もしかしたら永久に知られないままかもしれません。

始めに言ったとおり、基本的には上がっていくと思いますし、"絶対損する"と言うつもりはありませんが、どうなるか分からない不確定要素がこれだけ大きい商品にカネを突っ込むのは・・・私はよした方がいいと思います(´・ω・ `)

 

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

‪最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

 

 

*1:

指数連動型上場投資信託受益権等買入等 : 日本銀行 Bank of Japan, そしてこのゴリラ戦法で上がった株価を見て「景気回復だー」とか言ってる"経済専門家"がチラホラっていう・・・(´・ω・ `)

番外4-10.インフレに関する考察 その10

 

本記事はMMT解説ではありません。私がMMTをベースに理屈をこねくり回して考えたことを記事にしたものです。


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

xbtomoki.hatenablog.com

 

目次 

 

本シリーズのお題

「インフレ・デフレがどういう仕組みで起きるのかがよく分からない。」

これが長いこと私の悩みのタネでした。

三橋貴明さんがよくこの図↓を使って「需要が供給より大きくなればインフレに、逆ならデフレになる。」と言われます。

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新世紀のビッグブラザーへ データ44

インフレデフレは需要と供給のバランスによって起こり、バランスが需要の方に傾いたときにはインフレが起こる。

たしかにそうです。実際にもそうなってますし、それは分かってるんです。

ただ、私がよく分からんと言ってるのは、そのもう一歩先というか、手前というか、「なんで需給バランスが需要側に傾いたら物価が上がるのか」ということなんです。

 

MMT現代貨幣理論入門を読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生も読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

マンキュー マクロ経済学Ⅰ入門篇(第4版)も読みました。
紙幣をいっぱい刷ったらインフレが起きると書いてありました。ハイハイワロスワロス

 

仕方がないので、自分で考えてみることにしました。その考えが多少なりともまとまったので、ここで書いてみることにしました。もしよろしければ、感想や指摘等をいただけたらありがたいです。

ただ、とても長くなりそうなので、「インフレに関する考察」シリーズということで、数回に記事を分けようと思います。5本以上になりそうです。

ということで、シリーズ9本目、やっていきましょう。よろしくお願いします。

 

番外4-6までのまとめ

[番外4-6]までのまとめを確認しておきます。

[番外4-1]より

  • 《インフレ》とは、「任意の財・サービスの価格が上昇すること」である。なお、上昇するのは価格であって、価値ではないことに注意されたい。
  • 《価格》は、できるだけ安く買いたい買い手と、できるだけ高く売りたい売り手が、互いに交渉して、折り合いが付いた値段のことである。つまり、価格とは、人と人との売買交渉の合意点である。
  • 価格と価値の関係性はかなり薄い。価格が価値とは関係なく上下することはいくらでもある。
  • 価格は、人と人の合意さえあれば、何にでも、いくらでも付けることができる

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[番外4-2]より

  • 価格の上昇は、良い買い手が多い【売り手有利】の状況、または良い売り手が少ない【買い手不利】の状況で起きる。

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[番外4-3]より

  • 需給バランスが需要側に偏ることによってインフレが生じる仕組みは、次の図のとおりである。

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[番外4-4]より

  • インフレ・デフレの本質は、需給バランスではなく、買い手側・売り手側それぞれの《競争》のバランスにある。
  • 要因は、需給バランス以外にも無数にあるが、その影響は買い手(売り手)の競争促進(競争阻害)の4パターンに集約できる。
  • 買い手の競争促進と売り手の競争阻害は価格上昇圧力になり、買い手の競争阻害と売り手の競争促進は価格下落圧力になる。
  • 上昇圧力と下落圧力が同時にかかり、大きい方の影響だけがインフレまたはデフレという目に見える現象として現れる。

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[番外4-5]より

  • 株価以外の普通の財・サービスについても、プライスボードで価格変動を説明することができる。

f:id:xbtomoki:20210719105931p:plain

 

 

本日のお題

(´・ω・ `)<ほいじゃあ、ラスト4つめの続き、いってみよか。

アメリカ株の価格は、今後も上がり続けるのか】

f:id:xbtomoki:20210812094509p:plain

ダウ平均株価は、1980年~2020年の40年間、平均すると年9%のペースでずっと増え続けて、2020年は1980年の約30倍にまで増えました。

これが今後も続くのかを、

  1. 株価が40年間上がり続けた理由を探る。
  2. その理由がこれからも成り立ち続けるのかを検証する。

という順序で考えてみようと思います。

 

前回のおさらい

前回[番外4-9]のおさらいをしておきましょう。

  • 株価が上がり続けたのは、家計が株を高値買いする意思と能力を持って、高値で買い続けたからである。
  • 家計が株を買う狙いは、安く買って高く売り、不労所得を得ることである。
  • 株価が上がり続けるならば、とにかく早く買うのが最も安く買える方法である。
  • つまり、家計は「株価は上がり続ける」という期待から、高値でも買い続ける意思を持つようになったのである。

( ゚д゚)<おけ。株価が上がり続けると思ったから、家計は株を高値買いする意思を持ったんやな。んで、前回はきみが「意思だけじゃあかん。能力も必要なんや。」って言いだしたところで「次回へ続く」になったわけや。ほいじゃあ、なんで家計が高値買いをする意思だけじゃなくて能力も持ち続けてたんかっちゅう話をしてくれるか。

(´・ω・ `)<おうよ。よろしゅうな。

( ゚д゚)<まかしときー。

(´・ω・ `)<ちゃうちゃう、ぼくが教える側よ。

( ゚д゚)<あらま。

 

それは財政赤字なんじゃないか

株を高値買いする能力とは、すなわち株を買うカネ(貨幣)のことです。

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このようにG7のいずれにおいても、家計の現預金(おそらく内訳のほとんどは銀行預金でしょう)は、ずっと増え続けてきました。家計には常にどこかからカネが供給され続けてきたわけです。

( ゚д゚)<じゃけん、どこかてどこやねんな。

(´・ω・ `)<そこでぼくは政府から出てきとんちゃうかと考えたわけよ。

ここで、1980年~2019年におけるG7の財政収支(対GDP比)のデータを見てみましょう。

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( ゚д゚)<だいたいマイナスやな。

(´・ω・ `)<せや。ほとんどが財政赤字、つまりは徴税額より政府支出額の方が多かったっちゅうことやな。ここで政府支出と徴税の仕訳を確認しとこう。

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(´・ω・ `)<このとおり、政府支出と徴税の仕訳は真逆になっとって、互いに打ち消し合う。じゃけん、政府支出の方が多ければ、政府支出だけが残ることになる。

( ゚д゚)<ほんほん。ほいでほいで?

(´・ω・ `)<ほいで、政府支出の仕訳は、企業・家計のところで銀行預金が増えとるじゃろ?

( ゚д゚)<たしかにそうやな。

(´・ω・ `)<てーことは、ずーっと財政赤字だった分だけ企業・家計の銀行預金が増え続けたはずやねん。

( ゚д゚)<ほほーん。

 

仮説どまりですが

また、マクロ会計の恒等式
【政府収支+民間収支+国外収支=0】より、政府の赤字(財政赤字)は、民間部門の黒字(民間の貯蓄増加)を可能にします。このことからも、家計に株を買うカネを供給し続けた源泉は、政府の財政赤字だったのではないかという仮説を立てることができます。

( ゚д゚)<ん?仮説?こうなんじゃないかと思うってだけ?

(´・ω・ `)<せやで。「そういうストーリーが描けるよね。」ってだけや。言うたら状況証拠しかないんやけど、少なくとも銀行預金が増え続けたことは確かやし、財政赤字が続いたことも確かで、財政赤字が銀行預金を増やすことも確かや。限りなくクロやんけ。

( ゚д゚)<んー、まあ、せやけども。

(´・ω・ `)<ま、これを言ってもうたら身も蓋もないんやけど、冒頭に「この記事はMMT解説じゃないよ。私がこうなんじゃないかと思ったことを書いてあるだけですよ。」って書いとるし、こんなもんで勘弁したってや。

( ゚д゚)<んー、まあ、ほいだら、このへんで手ぇ打ったろか。

ということで、仮説止まりではありますが、家計に株を高値買いする能力(カネ)を供給し続けたのは、政府支出・財政赤字であろうというのが私の見立てです。

 

ここまでのまとめ

さて、いったんまとめます。

  • ダウ平均株価は40年間上がり続けた。
  • これは家計が株を高値買いする意思と能力を持ち続けたからである。
  • 株を高値で買う意思は「株価は上がり続ける」という期待から生まれた。
  • 株を高値で買う能力(カネ)は財政赤字から生まれた。

(´・ω・ `)<からの、やな。

( ゚д゚)<おう、いよいよ本題や。前振り長いねん。

(´・ω・ `)<すまんの。ほいじゃあ、【株価上昇が今後も続いていくか】に話を進めていこか・・・と思ったけど、長くなりすぎるけー、ちょっと早いけど、もっかいここで切ろうかの。続きはまた次回や。

( ゚д゚)<ういー。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

( ゚д゚)<あれ?家計はずっと株を買ってきたわけやんか?

(´・ω・ `)<せやで。そう言っとるやないか。

( ゚д゚)<あのグラフ、もっかい見せてや。

(´・ω・ `)<ほい、どうぞ。

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( ゚д゚)<これさ、なんで株買っとるのに増えてるん?変じゃない?

(´・ω・ `)<きみ、まじか。

( ゚д゚)<まじかって何よ。しばくぞ。

(´・ω・ `)<しばくな。

( ゚д゚)<うい。

(´・ω・ `)<よし。あんな、誰かが銀行預金で株を買っても銀行預金は買い手から売り手に移動するだけで消えるわけちゃうよ。

( ゚д゚)<あっ、そうやな。ボケとったわ。すまんすまん。

麻生太郎副総理兼財務相は24日、新型コロナウイルス対策で配られた一律10万円の「特別定額給付金」の多くは貯金に回り、景気浮揚効果は限定的だったとの認識を示した。福岡市で開いた自身の政治資金パーティーで「(個人の)現金がなくなって大変だということで実施した。当然、貯金は減ると思ったらとんでもない。その分だけ貯金は増えた」と述べた。

麻生財務相「10万円給付分だけ貯金増えた」 効果を疑問視:東京新聞 TOKYO Web

・・・(´・ω・ `)
・・・( ゚д゚)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

‪最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

 

 

番外4-9.インフレに関する考察 その9

 

本記事はMMT解説ではありません。私がMMTをベースに理屈をこねくり回して考えたことを記事にしたものです。


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

xbtomoki.hatenablog.com

 

目次 

 

本シリーズのお題

「インフレ・デフレがどういう仕組みで起きるのかがよく分からない。」

これが長いこと私の悩みのタネでした。

三橋貴明さんがよくこの図↓を使って「需要が供給より大きくなればインフレに、逆ならデフレになる。」と言われます。

f:id:xbtomoki:20210703170843j:image
新世紀のビッグブラザーへ データ44

インフレデフレは需要と供給のバランスによって起こり、バランスが需要の方に傾いたときにはインフレが起こる。

たしかにそうです。実際にもそうなってますし、それは分かってるんです。

ただ、私がよく分からんと言ってるのは、そのもう一歩先というか、手前というか、「なんで需給バランスが需要側に傾いたら物価が上がるのか」ということなんです。

 

MMT現代貨幣理論入門を読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生も読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

マンキュー マクロ経済学Ⅰ入門篇(第4版)も読みました。
紙幣をいっぱい刷ったらインフレが起きると書いてありました。ハイハイワロスワロス

 

仕方がないので、自分で考えてみることにしました。その考えが多少なりともまとまったので、ここで書いてみることにしました。もしよろしければ、感想や指摘等をいただけたらありがたいです。

ただ、とても長くなりそうなので、「インフレに関する考察」シリーズということで、数回に記事を分けようと思います。5本以上になりそうです。

ということで、シリーズ9本目、やっていきましょう。よろしくお願いします。

 

前回までのまとめ

前回までのまとめを確認しておきます。

[番外4-1]より

  • 《インフレ》とは、「任意の財・サービスの価格が上昇すること」である。なお、上昇するのは価格であって、価値ではないことに注意されたい。
  • 《価格》は、できるだけ安く買いたい買い手と、できるだけ高く売りたい売り手が、互いに交渉して、折り合いが付いた値段のことである。つまり、価格とは、人と人との売買交渉の合意点である。
  • 価格と価値の関係性はかなり薄い。価格が価値とは関係なく上下することはいくらでもある。
  • 価格は、人と人の合意さえあれば、何にでも、いくらでも付けることができる

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[番外4-2]より

  • 価格の上昇は、良い買い手が多い【売り手有利】の状況、または良い売り手が少ない【買い手不利】の状況で起きる。

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[番外4-3]より

  • 需給バランスが需要側に偏ることによってインフレが生じる仕組みは、次の図のとおりである。

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[番外4-4]より

  • インフレ・デフレの本質は、需給バランスではなく、買い手側・売り手側それぞれの《競争》のバランスにある。
  • 要因は、需給バランス以外にも無数にあるが、その影響は買い手(売り手)の競争促進(競争阻害)の4パターンに集約できる。
  • 買い手の競争促進と売り手の競争阻害は価格上昇圧力になり、買い手の競争阻害と売り手の競争促進は価格下落圧力になる。
  • 上昇圧力と下落圧力が同時にかかり、大きい方の影響だけがインフレまたはデフレという目に見える現象として現れる。

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[番外4-5]より

  • 株価以外の普通の財・サービスについても、プライスボードで価格変動を説明することができる。

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本日のお題

(´・ω・ `)<ラスト4つめ、いってみよか。

アメリカ株の価格は、今後も上がり続けるのか】

まずはこちらをご覧ください。

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《ダウ平均株価》とは、"S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス"という会社がアメリカの数ある上場企業の中から選定した30社の株価の平均値のことです。たったの30社しか計算に含まれていないわけですが、よーできとるもんで、これでアメリカ全体の株価がだいたい把握できちゃいます。*1

( ゚д゚)<アメリカ全体の株価を見たいんならS&P500の方がええんちゃうか。

(´・ω・ `)<どこぞでかじってきおったな。

( ゚д゚)<予習て言ってくれるか。

(´・ω・ `)<はいはい。

( ゚д゚)<ハイは1回でよろしい。

(´・ω・ `)<あーもう。えとな、S&P500は、データ自体はいっぱい見つかったんやけど、転載OKってのは見つからんかったんよ。まあでも、ここには載せられへんけど、S&P500で同じようにグラフ描いてみたらほとんど同じ形になったけー、どっちでもええやろと思うてな。

( ゚д゚)<そか。そんならしゃーないの。

(´^ω^ `)<すまんの。

( ^д^)<ええんやで。

( ゚д゚)<ってなんやねんこれ、きしょく悪いな。

ここで、グラフをもう一度見てみましょう。

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ダウ平均株価は、1980年~2020年の40年間、平均すると年9%のペースでずっと増え続けて、2020年は1980年の約30倍にまで増えました。

本記事では、この40年続いたインフレがこれからも続いていくのかを考えてみたいと思います。

 

作戦説明

( ゚д゚)<今までがそうやったからと言って、これからもそうであり続けるとは限らんけど、今までそうやったのには何らかの理由があって、もしその理由がこれからも揺るがへんのであれば、これからもそれがそうであり続ける可能性は十分にあると思うねん。ぼくはな。

(´・ω・ `)<お、おう・・・急にどうしたんや。

( ゚д゚)<お?なんかいまいち理解できてないって顔しとるの。

(´・ω・ `)<いっつもこんな顔や。いや、言うとることは分かっとんのやけどさ。

( ゚д゚)<よし、例え話をしたろう。水は上から下に流れる。ずっと昔からそうやったけど、これからもずっとそうとは限らん。ただ、水が上から下に流れるのは、地球に引力があるからや。せやから地球にこれからも引力があり続ける限りは、水は上から下に流れ続けるはずや。

( ゚д゚)<どや。

(´・ω・ `)<理解しとるっちゅうに。

ということで、【これからもアメリカの株価は上がり続けるか】を、

  1. 株価が40年間上がり続けた理由を探る。
  2. その理由がこれからも成り立ち続けるのかを検証する。

という順序で考えてみようと思います。

 

誰が買ったのか

[4-5]のとおり、株価が上がるのは、その時点における株価での売り注文(最安値の売り注文)を超える量の買い注文が入ったときです。

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そして、株価が40年間で30倍にも値上がりしたということは、このような買い注文が40年間、出続けたということであり、株式市場には、[番外4-6]で言うところの「いくらでも高値買いをする意思と能力を持った"誰か"」が40年間ずっと居続けた、ということに違いありません。

( ゚д゚)<"誰か"て誰よ。

(´・ω・ `)<そりゃ民間部門よ。

政府部門は、普通は国有化するとき以外は民間企業の株式を買ったりしません。国内国外を分けずに考える場合、政府部門以外には民間部門しかありませんから、株を高値買いし続けた"誰か"は、民間部門(特に家計)であるはずです。

それでは、家計は、なぜいくらでも株を高値買いする意思と能力を持っていたのでしょうか。

 

高値買いの意思について

家計が株を買う意義

家計における収入・消費・貯蓄には、↓の関係があります。

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一般的に、消費は、収入の増加とともに増えますが、だんだん傾きが緩くなります。また、収入がゼロになっても、消費はゼロにはなりません。そして、収入と消費の差額が貯蓄ですから、この式をグラフにすると、このように↓なります。

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通常、家計は、その貯蓄をまずは銀行預金として取得しますが、それを銀行預金のままにしておかずに、その銀行預金で株式等のリスク資産を買うことでさらに貯蓄を増やすことができます。

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もちろんリスク資産ですから、銀行預金のままで貯蓄した場合より減る可能性も無いわけではありませんが、上記のとおり、株価は40年間上がり続けました。だから、家計は、安く買って高く売り、利益を得られることを見込んで株を買いたがるのです。

 

高値で買う理由

株価が上がるのは、上記のとおり、例えば130での売り注文が売り切れて、140での買い注文が入ったときです。

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130は売り手にとっては最安値ですが、買い手にとっては最高値であり、140はそれをさらに超える高値です。

( ゚д゚)<株価が上がり続けたってことは、そのときどきの最高値以上の高値で買われ続けたってことやろ?なんでそんな高値で買うんや。もっと安い売り注文が出たときに買った方が得やんけ。

(´・ω・ `)<もしもこれからもずっと上がり続けるんやったら、できるだけ早く買うのがいちばん安く買えるからや。もっかいデータを見てみんさい。

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(´・ω・ `)<2000年~2010年がちょっとガチャガチャしとるけど、基本的には時期が早ければ早いほど安くなっとるやろ。「今」だけを考えたら高値買いに見えるかもしれへんくても、30年40年スパンで考えるなら、とにかく早く買うのがいちばん安く買えるんや。もちろん、上がり続けるのが前提やけどな。

( ゚д゚)<ほーん。株価が上がり続けるけー、家計は株を早く早く買おうとするわけか。ほいで、家計が株を買い続けるけー、株価が上がり続ける、っちゅうことやな。

つまり、株価上昇と家計の株式購入には、前回の[番外4-8]でパートタイマーと賃金について説明したような鶏と卵の関係があり、これが家計による株の高値買いを40年間継続させたのではなかろうか、というのが私の見立てです。

 

次回予告

( ゚д゚)<なるほど、そういうわけで株価が上がり続けたわけやな。めでたしめでたし。

(´・ω・ `)<ちょい、まだ終わってへんよ。

( ゚д゚)<なんじゃー、すずさん。

(´・ω・ `)<すずさん誰やねんて。株価上昇には高値買いの《意思》と《能力》が必要やて言うたやろ。まだ《意思》の説明しかしてへんよ。

( ゚д゚)<能力て何よ。

(´・ω・ `)<家計がいくら株が買いたいて言うても買うカネがなかったら買えへんやろ。でも上がり続けたっちゅうことは、そのカネがどっかから出てきたっちゅうことや。

( ゚д゚)<ほんほん。どこから出てきたん。

(´・ω・ `)<んとな。結構長くなってもうたし、ここらでいったん切ろうか。続きは次回っちゅうことで。

( ゚д゚)<なんじゃー、すずさん。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

記事を書きながら気づいたのですが…

【家計が『これから株価は上がり続ける』と思うから株価が上がり続ける】現象って、リフレ派の方がよく言われる【国民全体が『これからインフレが起こる』と思ったらインフレになるんだ】という《インフレ期待によるインフレ発生理論》によく似ている気がします。

もしかして、この理論って

(゚⊿゚)<物価や賃金も、株価と同じようにインフレ期待で上がるんじゃね!?

みたいな思いつきから生まれたんじゃなかろうか・・・

 

( ゚д゚)<インフレ期待理論は間違っとるって言いたいんか?

(´・ω・ `)<うん。あれは致命的に間違っとる。どこが致命的かっちゅうと、インフレ実現には、高値買いの意思と能力の両方が必要ってことを見落としとんのよ。意思だけではインフレは起こらへんねん。

( ゚д゚)<でも株はインフレ期待のおかげで上がり続けとるやないか。

(´・ω・ `)<詳しいことは次回で説明するけど、株価は、そのインフレ期待に加えて、家計に高値買いをするカネが供給され続けたから上がり続けることができたんや。ところが、言うてこれはぼくのただの推測やけどな・・・

(゚⊿゚)<インフレが起こるために必要なのはインフレ期待なんよ!インフレデフレはみんなの気持ちの問題なんよ!財政出動なんかせんでもみんなの気持ちをアゲアゲにすればデフレは脱却できるんよ!要するに、「『デフレ脱却を目指します』って言いながら、緊縮財政を死守したい」ってことで適当にでっち上げた謎理論なんよ!

(´・ω・ `)<つまり、出発点が「どうしたらデフレを脱却できるだろう」じゃなくて、「緊縮しても問題ない!」っていう結論がまずありきで、それに説得力を持たせようとしとるだけやと思うねん。もちろん全員がそうじゃなくて、「民間部門にカネを供給するために金融緩和をするべきだ!」とかの"でっち上げ"っていうか、そもそも全然訳が分かってへんのもだいぶおるみたいやけどな。

 

また、賃金を払う人(雇用者)や、財・サービスを買う人は、

  • 買ったものを将来売ることを想定しない。
  • 30年後とかの長期の価格変動を考えない。

と、株の買い手と全然考え方が異なります。

「株価はインフレ期待によって上がるわけだから、賃金や物価も同じようにインフレ期待によって上がるはず」と考えるのは、だいぶ無理があるように思いますがね(´・ω・ `)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

‪最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^

応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!

よろしくお願いします!

 

 

番外4-8.インフレに関する考察 その8

 

本記事はMMT解説ではありません。私がMMTをベースに理屈をこねくり回して考えたことを記事にしたものです。


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

xbtomoki.hatenablog.com

 

当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

xbtomoki.hatenablog.com

 

目次 

 

本シリーズのお題

「インフレ・デフレがどういう仕組みで起きるのかがよく分からない。」

これが長いこと私の悩みのタネでした。

三橋貴明さんがよくこの図↓を使って「需要が供給より大きくなればインフレに、逆ならデフレになる。」と言われます。

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新世紀のビッグブラザーへ データ44

インフレデフレは需要と供給のバランスによって起こり、バランスが需要の方に傾いたときにはインフレが起こる。

たしかにそうです。実際にもそうなってますし、それは分かってるんです。

ただ、私がよく分からんと言ってるのは、そのもう一歩先というか、手前というか、「なんで需給バランスが需要側に傾いたら物価が上がるのか」ということなんです。

 

MMT現代貨幣理論入門を読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生も読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

マンキュー マクロ経済学Ⅰ入門篇(第4版)も読みました。
紙幣をいっぱい刷ったらインフレが起きると書いてありました。ハイハイワロスワロス

 

仕方がないので、自分で考えてみることにしました。その考えが多少なりともまとまったので、ここで書いてみることにしました。もしよろしければ、感想や指摘等をいただけたらありがたいです。

ただ、とても長くなりそうなので、「インフレに関する考察」シリーズということで、数回に記事を分けようと思います。5本以上になりそうです。

ということで、シリーズ8本目、やっていきましょう。よろしくお願いします。

 

前回までのまとめ

前回までのまとめを確認しておきます。

[番外4-1]より

  • 《インフレ》とは、「任意の財・サービスの価格が上昇すること」である。なお、上昇するのは価格であって、価値ではないことに注意されたい。
  • 《価格》は、できるだけ安く買いたい買い手と、できるだけ高く売りたい売り手が、互いに交渉して、折り合いが付いた値段のことである。つまり、価格とは、人と人との売買交渉の合意点である。
  • 価格と価値の関係性はかなり薄い。価格が価値とは関係なく上下することはいくらでもある。
  • 価格は、人と人の合意さえあれば、何にでも、いくらでも付けることができる

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[番外4-2]より

  • 価格の上昇は、良い買い手が多い【売り手有利】の状況、または良い売り手が少ない【買い手不利】の状況で起きる。

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[番外4-3]より

  • 需給バランスが需要側に偏ることによってインフレが生じる仕組みは、次の図のとおりである。

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[番外4-4]より

  • インフレ・デフレの本質は、需給バランスではなく、買い手側・売り手側それぞれの《競争》のバランスにある。
  • 要因は、需給バランス以外にも無数にあるが、その影響は買い手(売り手)の競争促進(競争阻害)の4パターンに集約できる。
  • 買い手の競争促進と売り手の競争阻害は価格上昇圧力になり、買い手の競争阻害と売り手の競争促進は価格下落圧力になる。
  • 上昇圧力と下落圧力が同時にかかり、大きい方の影響だけがインフレまたはデフレという目に見える現象として現れる。

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[番外4-5]より

  • 株価以外の普通の財・サービスについても、プライスボードで価格変動を説明することができる。

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本日のお題

(´・ω・ `)<続いて3つめ、いってみよか。

【賃金が全く増えない問題を政策的に解決できないか】

まず、基本的なところを抑えておきましょう。

  • 《賃金》とは労働というサービスの価格である。
  • 労働市場において、買い手=企業(資本家)であり、売り手=労働者である。

これにいままで考察してきた理論を当てはめて、どんな政策なら賃金を上げることができるかを考えてみたいと思います。

 

賃金上昇に必要な条件

[番外4-6]のとおり、価格上昇には、次の2通りのルートがあります。

  • 買い手の競争促進
  • 売り手の競争阻害

 

買い手の競争促進による賃金上昇

買い手の競争促進による価格上昇とは、

( ゚A゚)<ぼくの方が高く買うよ。
( ゚B゚)<いやいや、ぼくの方が高く買うよ。

と、買い手同士が競争することによる価格上昇です。

これを賃金に当てはめれば、企業同士が労働者を集めるために好待遇を競うことによって賃金が上がっていくような状況です。こうなるためには、仕事の受注が増えて、人手不足になる必要があります。

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売り手の競争阻害による賃金上昇

売り手の競争阻害による価格上昇とは、

( ゚д゚)<140円なら売ってやってもええで。

(´・ω・ `)<えっ、130じゃダメ?

( ゚д゚)<いまどき130で売るやつなんかおらへんで。世間知らずか。プークスクス。

(´・ω・ `)<どうせハッタリやろうけど、そんなに言うなら調べてこよか・・・ふんふん・・・なるほど、ほんまやな。

( ゚д゚)<ほれ見ろ。プークスクス。

(´・ω・ `)<しゃーない、140で頼むわ。あとプークスクスやめろ。しばくぞ。

と、安い売り手がいなくなることで値段が吊り上がり、買い手がそれを受け入れることによる価格上昇です。

これも賃金に当てはめると、低賃金での労働を容認する労働者がいなくなることで、企業は高値でしか労働者を雇えなくなって賃金が上昇するような状況です。こうなるためには、非正規労働者等の"安い"労働者が減る(労働市場から退出する)必要があります。

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なお、"安い"という表現に貶める意図はありません。いろいろ考えたのですが、他に分かりやすい表現が見つからなかったもので・・・

 

労使交渉への影響

上記は、企業が新しく労働者を雇う(増員する)ときを想定した議論ですが、新規採用者の賃金増は、労使交渉において、↓このように労働者側に有利な交渉材料となりますので、既存労働者の賃金にもプラスに作用します。

( ゚д゚)<こないだ入った新人さんの賃金、140らしいな。なんでぼくは130なん?おかしいやないか。

(´・ω・ `)<新人さんは新人さん。きみはきみや。関係ないじゃろ。

( ゚д゚)<ほー、そういうこと言う。ええんやで?よそに行きゃあ、ぼくを140で雇ってくれるとこはいくらでもあるんじゃけーの。

(´・ω・ `)<んー、分かった。きみも140にしよう。

 

政府にできること

さて、というわけで、賃金上昇を実現するには、次の2つの方法があることが分かりました。

  • 仕事を増やす。
  • "安い"労働者を減らす。

そしたらば、それぞれを達成するために政府には何ができるかを考えていきましょう。

 

仕事を増やす

これは簡単です。政府がたくさん仕事を発注すればいいんです。

政府が仕事を発注すれば、仕事は増えます。そのときには、政府支出が増えることになるでしょう。

なお、政府支出が増えるのは、あくまで結果であって、【政府支出を増やす→仕事が増える】というわけではありません。正しい図式は【政府が仕事を発注する→仕事が増える&政府支出が増える】です。

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( ゚д゚)<そりゃそうやろ。だから何よ。

(´・ω・ `)<【カネを作ってバラまけば賃金が上がる】みたいなことは、あるかもしれんけど、ぼくがここでイメージしとるのは、そういうのじゃないよってことや。

 

"安い"労働者を減らす

"安い"労働者とは、具体的には、こういう方々です。

これらの"安い"労働者が労働市場から退出すれば、"高い"労働者しかいなくなりますので、賃金が上がります。

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ということで、それぞれについて、どういう政策を実行すれば労働市場から退出してもらえるかを考えてみます。

 

技能実習生(移民労働者)

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注:西田さんはこんなことは言ってません。詳しく知りたい方はこちらの動画をどうぞ。

(基本理念)
第三条 技能実習は、技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われなければならない。
2 技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。
技能実習法

そもそも、技能実習生が"安い"労働者として使われている状況が制度の基本理念に反した状態なんですから、政府は一刻も早くこれを取り締まるべきであり、そうすれば技能実習生は労働市場から解放されます。

(´・ω・ `)<一応言うとくけど、「技能実習生」じゃなけりゃええってもんじゃないけーの。

( ゚д゚)<ん?どういうことや。

(´・ω・ `)<技能実習生としてじゃなくて、ストレートに移民を入れて"安い"労働者として雇うのも、中身はおんなじことじゃけー、それも規制せなあかんっちゅうことや。

 

派遣労働者

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労働者の派遣業は、

  • 労働者本人の意思によらずに指揮命令関係が生じる。
  • 派遣業者による中間搾取(ピンハネ)が生じる。

といった問題を理由に、元々は、職業安定法第44条で"労働者供給事業"として禁止されていました。*1*2

それが現在では、

(゚⊿゚)<受注が増えたときだけ雇い入れて、用が済んだらクビにしたい!

という一部の資本家の狂気じみた要望によってなし崩しにされているわけです。

( ゚д゚)<昔は禁止しとったんなら、禁止してもやっていけるってことやんか。昔に戻したらええやん。

(´・ω・ `)<そのとーり!次行ってみよう!

 

高齢者

高齢者が働く最大の理由は、「年金収入だけでは生活費を賄えないために労働収入が必要だから」です。*3

つまり、メインの収入源である年金だけではあとちょっと足りない、5万・10万を稼ぐために、高齢者は働いているわけです。そのため、例えば手取り月収10万円くらいの、それだけではとても食っていけないような低賃金でも、高齢者は許容できてしまいます。

( ゚д゚)<ほいじゃあ、政府が年金をその5万・10万の分だけ増額したら済む話なんちゃうか?

(´・ω・ `)<そのとーり!次行ってみよう!

 

パートタイマー

パートタイマーが働く最大の理由は、「世帯主収入だけでは生活費を賄えないために副収入が必要だから」です。*4

高齢者と同じく、メインの収入源があるものの、それだけでは足りないので、サブの収入源を求めて働いていて、サブの収入源であるため、低賃金を許容できてしまっています。

ただ、パートタイマーと高齢者の状況は、何もかも同じというわけではありません。パートタイマーには、賃金との間に、一種の合成の誤謬というか鶏と卵のような関係、つまり、【パートタイマーが働かなくてはならないのは、世帯主収入が少ないからですが、世帯主収入が少ない原因は、パートタイマー(パートタイマーだけじゃありませんが)が低賃金で働いているから】という関係があります。

( ゚д゚)<これは難しいの。賃金を上げるためにはパートタイマーを減らす必要があって、パートタイマーを減らすためには賃金を上げる必要があるってことか。

(´・ω・ `)<そーゆーこっちゃ。

( ゚д゚)<んー、どうしたらええんかのー。

(´・ω・ `)<パートタイマーについては、直接減らすってのは難しいやろな。ここまでで考えてきた、政府発注増とか年金増額とかで世帯主の賃金が上がることで、間接的にパートタイマーが減って、それがさらに賃金上昇効果を生むってのを狙うのがええと思うわ。

 

まとめ

まとめると、賃金上昇のために政府が行うべき政策は、次の5つが考えられます。

  • 政府の業務発注量を増やす。
  • 技能実習生の労働使役を取り締まる。
  • 移民受け入れを制限する。
  • 人材派遣業を規制する。
  • 年金を増額する。

( ゚д゚)<なんか地味やの。なんかさ、もっとこう、"革新的なソリューション"的なやつ無いん?

(´・ω・ `)<無いよ。てかな、そーゆー「いままでに無かった全く新しい何かがズバーッと問題を解決してくれる」とか、そうそう無いんよ。絶対無いとまでは言わんけれども、いまからやろうとしとる手段が本当にズバーッと解決してくれるかどうかなんて、やってみらんと分からへんし、やってみたら逆効果やったりするかもしれんやんけ。

( ゚д゚)<んー、まあ、そうかもしれんな。

(´・ω・ `)<そんなんより、たしかに地味かもしれんけど、過去にやってみた経験があって、どんな効果が出るのか分かっとる"普通の"手段で問題を解決しようとする方がよほど理にかなっとると思うで。これはあくまでぼくの好みの問題かもしれんけど、革新的なナントカに頼るのは、"普通の"手段をやり尽くした後にした方がええんちゃうかな。

 

JGPじゃあかんの?

( ゚д゚)<就業保証プログラムはどないなん?あれじゃ、あかんの?

[8-1]のとおり、就業保証プログラム(JGP)は、最低賃金(労働市場の最低価格)を決めます。

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なので、JGPによって、最低賃金を引き上げることは、理屈としては可能なはずです。ですが、私は、JGPによって賃金上昇を達成しようという考えには反対です。JGP自体に反対というわけではありません。というのも、1つには、やはり革新的なソリューションを試すのは後にするべきだと思うのと、

(゚⊿゚)<JGP技能実習生も高齢者もちゃんとした額の賃金をもらえるようになるから問題解決やな!

こんなのは成り立たないわけで、技能実習生や高齢者については、そもそも彼らが労働を強いられているのが異常な状態なんです。JGPでは、これを解決できないというのがもう1つの理由です。

 

但し、上記の5つの政策のうちの派遣規制には、「いま派遣労働者として働いている人たちの生計はどうするんだ」という障害があるので、

( ゚д゚)<明日から派遣禁止しますわ。いま派遣で働いとる人たちは、希望すれば全員政府が雇っちゃりますけー、安心して派遣会社と手ぇ切っちゃってつかーさい。

こーゆーことならアリかもしれんな、とは思います。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

先日仕事で、【どんな数値でも有効数字n桁(nは任意の自然数)にする】エクセルが必要になりまして、さっそく「エクセル 有効数字」でググってみたんです。

ところが、値自体を有効数字n桁に丸める方法はいくらでも出てきたんですが、その丸めた数値を有効数字n桁で画面表示する方法、(例えば、丸めた結果が"0.50"だったときに"0.5"じゃなくて、ちゃんと"0.50"と表示する方法)については、どのサイトも「手動でがんばってください。」と書いてあったもんで、

( ゚д゚)<それじゃ意味無いねん。

ということで、【どんな数値でも有効数字n桁に丸めて、標準の表示形式でその丸めた数値を有効数字n桁に表示するギミック】を自作しました。

ニーズがあるかどうかは分かりませんが、もし使いたい方がいらっしゃったら、どうぞ自由にお使いください。

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↓コピペ用↓

=INT(LOG10(C2))
=-C4+(C3-1)
=ROUND(C2,C5)
=IF(C5>0,"0."&REPT("0",C5),"0")
=TEXT(C6,C7)

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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番外4-7.インフレに関する考察 その7

 

本記事はMMT解説ではありません。私がMMTをベースに理屈をこねくり回して考えたことを記事にしたものです。


当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 

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当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。

こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。

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目次 

 

本シリーズのお題

「インフレ・デフレがどういう仕組みで起きるのかがよく分からない。」

これが長いこと私の悩みのタネでした。

三橋貴明さんがよくこの図↓を使って「需要が供給より大きくなればインフレに、逆ならデフレになる。」と言われます。

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新世紀のビッグブラザーへ データ44

インフレデフレは需要と供給のバランスによって起こり、バランスが需要の方に傾いたときにはインフレが起こる。

たしかにそうです。実際にもそうなってますし、それは分かってるんです。

ただ、私がよく分からんと言ってるのは、そのもう一歩先というか、手前というか、「なんで需給バランスが需要側に傾いたら物価が上がるのか」ということなんです。

 

MMT現代貨幣理論入門を読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生も読みました。
需給バランスによって起こると書いてありました。

マンキュー マクロ経済学Ⅰ入門篇(第4版)も読みました。
紙幣をいっぱい刷ったらインフレが起きると書いてありました。ハイハイワロスワロス

 

仕方がないので、自分で考えてみることにしました。その考えが多少なりともまとまったので、ここで書いてみることにしました。もしよろしければ、感想や指摘等をいただけたらありがたいです。

ただ、とても長くなりそうなので、「インフレに関する考察」シリーズということで、数回に記事を分けようと思います。5本以上になりそうです。

ということで、シリーズ7本目やっていきましょう。よろしくお願いします。

 

前回までのまとめ

前回までのまとめを確認しておきます。

  • 《インフレ》とは、「任意の財・サービスの価格が上昇すること」である。なお、上昇するのは価格であって、価値ではないことに注意されたい。
  • 《価格》は、できるだけ安く買いたい買い手と、できるだけ高く売りたい売り手が、互いに交渉して、折り合いが付いた値段のことである。つまり、価格とは、人と人との売買交渉の合意点である。
  • 価格と価値の関係性はかなり薄い。価格が価値とは関係なく上下することはいくらでもある。
  • 価格は、人と人の合意さえあれば、何にでも、いくらでも付けることができる

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  • 価格の上昇は、良い買い手が多い【売り手有利】の状況、または良い売り手が少ない【買い手不利】の状況で起きる。

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  • 需給バランスが需要側に偏ることによってインフレが生じる仕組みは、次の図のとおりである。

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  • インフレ・デフレの本質は、需給バランスではなく、買い手側・売り手側それぞれの《競争》のバランスにある。
  • 要因は、需給バランス以外にも無数にあるが、その影響は買い手(売り手)の競争促進(競争阻害)の4パターンに集約できる。
  • 買い手の競争促進と売り手の競争阻害は価格上昇圧力になり、買い手の競争阻害と売り手の競争促進は価格下落圧力になる。
  • 上昇圧力と下落圧力が同時にかかり、大きい方の影響だけがインフレまたはデフレという目に見える現象として現れる。

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  • 株価以外の普通の財・サービスについても、プライスボードで価格変動を説明することができる。

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本日のお題

(´・ω・ `)<続いてはこちら、いってみよか。

【「今後、日本は人口が減少していくんだから、需要は伸びていかない。需要が伸びないんだからデフレが続き、インフレは起きない。」という脱成長論を否定したい】

( ゚д゚)<ん?前回、「政府はバンバン高値買いして、ハイパーインフレを起こすことができるよ。」って言うてたやん。ハイパーが起こせるんやから、普通のインフレやったら、政府がその気になったら人口とか関係なしにちょちょいなんちゃうか?

(´・ω・ `)<いえす!ざっつらいと!

( ゚д゚)<おお、2つめは簡単やったの。

(´・ω・ `)<まあ、こんだけじゃあ寂しいけー、政府がどう"その気"になったらええんかっちゅう話をしとこか。

 

必要なのは能力ではなく意思

価格の本質は、人と人との合意です。

価格は、互いに意思を持った人と人が作るものですから、ひとりでに上がったり下がったりはしません。

何らかの財・サービスの価格が例えば2%上がるためには、「その財・サービスを2%高い値段で買う」という意思と能力を持った"誰か"がいなければならないわけです。

 

政府・日銀の2%インフレ目標

さて、政府と日銀は、物価について「消費者物価の前年比上昇率2%」という目標を2013年に定めているわけですが、この目標が達成されたのは、2014年に消費税が5%→8%に増税されたときだけです。*1

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この【何年もインフレ目標が達成されず、達成に近づく気配もなく、最近はむしろ達成から遠ざかる】という状況に関する日銀の見解がこちらです。*2

(゚⊿゚)<コロナが収まれば改善されると思います。

( ゚д゚)<なめとんか。
(´・ω・ `)<バカにすんのもたいがいにせえよ。

2013年から全然目標が達成されてないっちゅうとんねん。コロナ前からbadだったのがコロナでvery badになっただけなんやから、コロナが収まっても、badに戻るだけでしょうが。

断言します。コロナが収まったからといって、2%のインフレ目標は達成されません。賭けてもいい。

 

インフレ目標達成に必要なもの

2%のインフレ目標達成に必要なのは、コロナの終息ではなく、「2%高い値段で買う」という意思と能力を持つ"誰か"です。

少し極端なことを言えば、

(゚⊿゚)<日本中の商品を相場の2%増しでいくらでも買い上げます。

"誰か"が約束して、実行すれば、その瞬間に2%インフレ目標は達成されます。

そして、[7-1]のとおり、日本政府は、いくらでも支出する能力がありますから、あとは意思さえ持てば、いつでも、その"誰か"になることができます。

インフレ目標が達成できていないのは、政府に"誰か"になる能力が無いからではありません。問題は、政府に"誰か"になろうとする意思が無いことなんです。

 

税は財源ではない

主権通貨国の政府が何らかの支出が"できない"と言うとき、不足しているのは常に、支出する能力ではなく、支出する意思です。

インフレ目標の問題に限ったことではありませんが、財務省や主流派経済学者や政治家や国民の多くは、「意思はあるのに能力が無いんだ」と事実を全く逆に捉える勘違いをしてしまっています。

その結果、

(゚⊿゚)<政府は○○という政策を実行したいと思っているが、財政が厳しいから、やりたくてもできないんだ。仕方ないよ。残念だけど、国民は我慢するか、増税を受け入れるか、どちらかを選ばないといけない。

とかいう、もはや勘違いを通り越した、ただのウソが常識かのようにまかり通るという悲劇まで起きています。

 

やはり【主権通貨国の政府は、いくらでも支出することができる】=【税は財源ではない】という根本的な事実が理解されてないことが諸悪の根源なんでしょう。これが分かっていないがために数多くの政策決定・世論形成がおかしなことになっているんだろうと改めて思います。

それなのに、いままでなんとかやれて来れたのは、( ゚д゚)<カネ無いとか言うても、困っとる人がおるんじゃけー、なんとかせんとあかんやろ!とりあえずカネ出しとこうや!クニノシャッキンとか後でなんかうまいことやったらええんよ!目の前に困っとる人がおるやんか!四の五の言っとるひまちゃうで!という素朴な人情が力を持っていたおかげで、たまたまうまくいってたのかもしれません。

それが新自由主義と自己責任論が幅を効かせるようになり、社会から人情が排除されてきた結果、勘違いだけが残ってしまった、ということなんじゃないでしょうか。

 

政府が行うべき政策

さて、インフレの話に戻りましょう。

政府には2%のインフレ目標をいつでも達成できる能力があります。にも関わらず、いまだにインフレ目標が達成されないのは、政府に達成しようとする意思が無いからです。

(゚⊿゚)<日本中の商品を相場の2%増しでいくらでも買い上げます。は、さすがに極端で弊害も小さくなさそうですが、政府は少なくとも、
( ゚д゚)<公共事業の入札予定価格・最低価格は毎年2%上げていきます。
とか
( ゚д゚)<公務員の賃金を毎年2%上げ続けます。
くらいのことはやるべきです。

毎年「民間の賃金が下がったのに合わせて公務員の賃金を下げなくっちゃ」とかいう人事院勧告が出てますけど、逆やっちゅうねん。公務員の賃金を下げるから民間の賃金が下がっとんのや。なんで何から何まで原因と結果を逆にとらえちゃうの?わざとやってるの?それともバカなの(´・ω・ `)?

2%のインフレを目指してるんだから、せめて自分たちが買っているものくらいは2%増しで買わないと話になりません。そうでないと、自分で自分の足を引っ張ることになります。

ところが、実際には何をやってるかと言えば、

(゚⊿゚)<ムダを減らしてデフレ脱却!
(゚⊿゚)<構造改革でデフレ脱却!
(゚⊿゚)<規制緩和でデフレ脱却!

( ゚д゚)<いったいどういう仕組みでそれがデフレ脱却につながるんや。

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( ゚д゚)<ほんまやで。今日は訳が分からないよなおじさんも心なしか悲しそうな顔してはるわ。

 

インタゲ理論について

続きまして、「インフレ率の目標(ターゲット)を定めて、それを達成して、デフレ脱却をすることが最重要なんだ。」という、いわゆるインタゲ理論(ターゲットは2%とするべきという方が多い印象です)についての私見というか批判を少し述べようと思います。

 

「とにかくインフレ目標達成を目指すべきなんだ」というのは…なんというか、もちろんデフレの悪影響は理解してるつもりですし、デフレ脱却を目指すことを間違ってると言うつもりは全くないのですが…

要するにですね、目的と目標を取り違えてないでしょうか。デフレ脱却が目的になってませんか?目的と目標の違いについては[8-1]をご覧ください。

上記のとおり、2%インフレ目標なんてのは、

(゚⊿゚)<日本中の商品を相場の2%増しでいくらでも買い上げます。その商品が財なら買ったらすぐ燃やして捨てます。サービスならやったことにするので、実際にはやらなくていいです。ああ、お金はちゃんと払いますよ。安心してください。

と政府が宣言すれば、秒で達成できるわけですが、こんなことをしても物価が上がるだけで何の意味もありません。

まーこれはさすがにちょっと極端な例ではありますが、インフレターゲットを至上命題にしてしまえば、こんなのでもよしとされてしまいます。

やはり忘れてはならないのは、経済政策の目的は、国民生活向上であるということです。

インフレ目標は、あくまでその国民生活向上という目的のための目標に過ぎませんから、「それが最重要なんだ。」というのは、ちょっと違うんじゃないでしょうか。

 

 

それでは本日ここまで。

 

 

おまけ

インタゲ理論批判のついでに高井たかし議員が主張されてる「インフレ率2%達成まで国債を発行するべきだ。」という主張についても批判しておきたいと思います。

結論から言います。

財務省と本気でケンカしたいんだったら、もっとちゃんと財政の仕組みを勉強してください。中途半端な聞きかじった程度の知識と威勢の良さだけでは勝ち目はありません。

とりあえず"積極財政"とか、"財務省ガー"とか言っとけば、一部からチヤホヤしてもらえて、オタサーの姫になれて、気持ちよくなれる。それがやりたいだけなんだ、ってんなら、もう別にそれで結構です。好きにされてください。

ですが、せっかく消費税ゼロを主張されてる貴重な議員さんなので、私だって本当は批判より応援をしたいと思っています。そのためにも、いまは忌憚なく批判したいと思います。

 

で、「インフレ率2%達成まで国債を発行するべきだ。」のどこが問題なのかと言いますと、

[4-7]のとおり、国債は政府支出の結果として生まれた日銀当座預金を回収するために発行されるものです。

ですので、【インフレ率2%達成まで国債発行】って、致命的に意味不明なんですよ。

国債を発行してマネーストックを増やして、インフレ率を上げる」って意味なんだとしたら、それって、まんま貨幣数量説です。

インフレ率を上げるために必要なのは、高値買いをする意思と能力を持つ"誰か"です。マネーストックが増えることは、"誰か"が生まれるきっかけになるかもしれませんが、マネーストックの増加が直接にインフレを起こすわけではありません。

 

さらに、そもそも国債発行でマネーストックは増えません。

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マネーストックを増やすのは、政府支出です。

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それから、政府財政のおおまかな仕組みは、こうです。

  1. 短期証券を発行してカネを作る。
  2. 支出する。
  3. 国債を発行して、準備預金を回収する。
  4. 回収した準備預金で短期証券を償還する。
  5. 徴税する。
  6. 1.に戻る。但し、徴税した分だけ短期証券発行を減らす。

しっかり理解されて、理論武装した上で財務省をやっつけて、消費税ゼロを実現してください。よろしくお願いします。

詳しくは、拙ブログ第4章をご覧ください。

 

以上。

 

 

日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。

私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。

 

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