経理屋が読み解く『MMT入門』

『MMT入門』(L・ランダル・レイ,2019,東洋経済新報社)をベースにMMTを解説します。ときには自分の思うところを書き綴ったり。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

5-5.租税は"悪行"を減らす

租税は、「悪行」を思いとどまらせるために利用できるーその場合、租税の目的は「悪行」をなくすことなので、最適な水準の租税は悪行をなくし、ゆえに歳入をまったく生まないであろう。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 286/553pp 当ブログは、こちらの複式…

5-4."租税による再分配"の問題点

富める者から取り上げ、貧しき者に分け与える。我々はそんな話が大好きだ。しかしそれは、貧困層を支援するためには富裕層により支払われる租税が必要だ、という誤解に基づいている。しかもそれでは、富裕層に対する増税が貧困層に対する支援の条件というこ…

5-3.租税は総需要を減らす

従って、租税は「通貨を動かす」ことに加え、総需要を安定させるためにも必要なものである。これは、数ある租税の機能のうちの1つに過ぎない(最も重要なものの1つではあるが)。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 273/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説…

5-2.租税は貨幣を動かす

租税は名刺を動かす。そして貨幣を動かす。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 268/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。 xbtomoki.hatenablog.com 当ブログの中で「B…

5-1.税は財源ではない ver.3

それは何を意味するのだろうか?もちろん、支出のために歳入は必要がないということだ。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 269/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。…

4-13.章まとめ 自国通貨を発行する国における財政オペレーション

本章では、次のトピックである政府支出、課税、金利設定、国債発行ーつまり、自国通貨を発行する政府の財政政策ーの検討に取りかかろう。なお、財政政策と金融政策を完全に切り離すことはできず、とりわけ国債発行の領域では不可能である。それゆえ、本章で…

4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか

主権を有しない政府はポンジーになってしまう可能性がある。つまり、租税収入で債務を返済できず、利息支払いのために市場に借りに行かなければならなくなってしまう可能性がある。 『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 265/553pp 当ブログは、こちらの複式簿記…