公的利用に配分するために民間利用から抜き取る資源が多いほど、政府部門が膨張して民間部門が小さくなりすぎる可能性が高くなる。公共目的達成のために十分な資源を配分する一方で、民間の目的達成のために民間部門にも十分な資源供給を残しておく必要がある。明らかに、これは経済だけの問題ではない。
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。
こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
目次
前回のおさらい
(´・ω・ `)<まず、「主権通貨国の政府は、いくらでも支出することができる。」これはええね?
( ゚д゚)<なんでや。
(´・ω・ `)<いいやあああああ!!!この子すぐ忘れるうううう!!!!
( ゚д゚)<冗談やて。前回やったばっかなんやからさすがに覚えとるよ。主権通貨国の政府は、B払いができるから、カネはいくらでも作れる。いくらでも作れるんやからいくらでも払える。せやから、財政政策・金融政策をどうするべきか考えるときに財源不足とか債務残高増加とかは気にせんでええ。そんな感じやったやんな?
(´・ω・ `)<おお、びっくりするやないか。よしよし、ちゃんと覚えとるの。
本日のお題
(´・ω・ `)<[4-1]で、こんな話をしとったんやけど、覚えとる?
基本的な原則の「3.政府は、自身が決定した計算単位建て(自国通貨建て)で売られているものであれば、いくらでも購入することができる。」は、いくらでも購入するべきだ、という意味ではありません。
4-1.基本的な原則 - 国債乱発派のMMT解説
( ゚д゚)<ん?ああ、んと、はいはい。
(´・ω・ `)<忘れとったな。
( ゚д゚)<んー、まあ、仮にそうやとしてもや、ぼくはもうすでに今の時点では思い出してしもうとるわけから、その前の時点で忘れとったかどうかは、もはや誰にも分からへん。このぼくにすらや。覆水盆に返らずて言うやろ。そういうこっちゃ。
(´・ω・ `)<はいはい。急によーしゃべるの。
( ゚д゚)<ハイは1回でよろしい。
(´・ω・ `)<お前じゃ。
( ゚д゚)<ぼくか。
(´・ω・ `)<あーもー、話が進まんやないか。
( ゚д゚)<ほんまやで。ったく。で?
(´・ω・ `)<しばくぞ。
[4-1]で述べた「いくらでも購入できる」と、本記事冒頭の「いくらでも支払うことができる」は同じ意味です。
そして「いくらでも支払うことができる」とは「いくらでも支払うべきである」という意味ではありません。
過大な政府支出は、むしろ"実物資源の枯渇"という悪影響を生み出します。
( ゚д゚)<実物資源て何よ。
(´・ω・ `)<生産活動に必要なヒトとモノのことや。漢字で書くなら、労働力・設備・材料、このへんやな。
( ゚д゚)<ほんほん。政府支出が多すぎると、ヒトとモノが枯渇するって、どういうことや。
(´・ω・ `)<それが本日のお題や。"政府支出が多すぎた場合には、実物資源が枯渇するとはどういうことなのか。そして、政府支出はどうあるべきなのか"を考えていくで。よろしゅうな。
( ゚д゚)<まかしときー。
(´・ω・ `)<ちゃうちゃう。ぼくが教える側よ。これほんまに何回やるん?
( ゚д゚)<え?
(´・ω・ `)<いいやあああああ!!!
スーパー子ども食堂計画
さて、ここで"子ども食堂"という取り組みを紹介します。
「こども食堂」とは、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂です。(中略)目的も、おなかをすかせた子どもへの食事提供から、孤食の解消、滋味豊かな食材による食育、地域交流の場づくりと、さまざまです。
全国のこども食堂を支援するむすびえの活動は、個人・法人からのご寄付により支えられています。
この子ども食堂について、もしも政府がこんなことを言ってくれたら・・・
注:西田さんはこんなことは言ってません。詳しく知りたい方はこちらの[動画]をどうぞ。
ということで、全国の子ども食堂を国営化したとします。そうすると、子ども食堂の家賃、食材費、料理人の給料は、全て政府支出で賄われることになります。
( ゚д゚)<おお、ええ話やないか。
(゚⊿゚)<子ども食堂は未来への投資だ!これは素晴らしい事業だからどんどんやろう!
( ゚д゚)<おー!ええぞー!
(゚⊿゚)<一流の料理人を集めるぞ!年俸1億円や!
( ゚д゚)<ん?1億はちょっと多くないか?
(゚⊿゚)<47都道府県に1万軒ずつ子ども食堂を作るぞ!47万軒っちゅうことやな!
ちなみにですが、理容室・美容室を合わせた全国の床屋さんの数は約37万軒らしいです。[参考ページ]
( ゚д゚)<それも多いてwww
(゚⊿゚)<食材費だっていくらでも出すでー!
スーパー子ども食堂の弊害
さて、(゚⊿゚)のスーパー子ども食堂プランはどう考えてもやりすぎです。
もし仮に、これを本当に実施したらどんなことが起きるでしょうか。
料理人がいなくなる
まず、日本中のほとんどの飲食店から料理人がいなくなるでしょう。
子ども食堂に転職すれば、給料は爆上げ、勤め先がつぶれて失業してしまう心配も無くなりますから、合理性だけで考えれば、転職しない理由がありません。もちろん中には( ゚д゚)<ぼくはカネのためにやっとんとちゃうねんという人もいると思いますが、それほど多くはないでしょう。
よって、子ども食堂は、47万軒の計画ですから、少なくとも47万人の料理人が民間部門からいなくなります。1軒につき2人、3人を雇おうとすればもっとです。
結果、民間部門からは、すっかり料理人がいなくなり、飲食店は次々と廃業していき、国民の食生活から外食文化が消えて無くなります。
もしかしたら一部の店は、1億円以上の年俸を提示して、料理人を引き留めようとするかもしれません。しかし、政府は無敵なので、その店がいくら高い額を提示したとしても、いつでも即座にそれ以上の金額を提示することができます。
よって、政府が"手加減"をしてくれない限り、民間部門がこのオークションに競り勝つことは絶対にありません。
料理人以外もいなくなる
子ども食堂47万軒プランには膨大な建設資材と人員と土地、そして時間が必要になります。こちらも料理人と同じく、政府が"手加減"をしてくれない限り、子ども食堂に根こそぎ持っていかれて、民間部門からすっかり無くなってしまうでしょう。
47万軒が建て終わるまでにどのくらいの期間がかかるのかは分かりませんが、それまでの間は、建設関連の実物資源も政府部門に取り上げられてしまって、道路も橋も家もビルも、全ての工事がストップします。
食品が無くなる
さらっと(゚⊿゚)<食材費だっていくらでも出すでー!と言ってましたが、実はこれがいちばんとんでもない話です。
これは子ども食堂が「日本中の食品を買い占めます」宣言です。もはやスーパーにもコンビニにも食品は売られていません。
(´・ω・ `)<さて、きみならどうする?
( ゚д゚)<どこにもごはん売ってへんの?
(´・ω・ `)<せや。諦めて餓死する?
( ゚д゚)<いやー。餓死いやー。
(´・ω・ `)<そしたら、子ども食堂を襲うか?
( ゚д゚)<いやいやー。バトル怖いー。えー、なんかええのないん?
(´・ω・ `)<んー、闇市を開くとかかのー。政府に秘密のマーケットや。そこで子ども食堂よりちょっとだけ高い値段で売ってもらう。
( ゚д゚)<そんなんちょっとだけ言うても、そもそもの子ども食堂価格が激高やったら、闇市価格もめちゃ高くなるやん。
(´・ω・ `)<供給量がガタ落ちしとんのやから、ハイパーインフレみたいになるんはしゃーないわ。
( ゚д゚)<そういうもんか。
(´・ω・ `)<そういうもんや。ま、ハイパーインフレの話は長くなるからまた今度にしよ。
( ゚д゚)<うい。
まとめ
まず前提として、主権通貨国の政府は、いくらでも支出することができます。しかし、それは「いくらでも支出するべきだ」という意味ではありません。
むしろ、政府支出は、ある程度"手加減"をされるべきです。
政府支出が多すぎる場合、民間部門はカネをたくさん得ることになりますが、一方で実物資源を政府部門がすっかり取り上げてしまうので、国民生活は、かえって困窮することになります。究極的には、暴力による奪い合いか、ハイパーインフレか、そのどちらかもしくは両方に行き着くことになるでしょう。
カネ自体に価値は無い
また、もう少し考察を深めると、このことから私たちの生活に本当に必要なものは実物資源であって、カネは実物資源を円滑にやり取りするためのツールに過ぎず、カネ自体に価値は無いことが分かります。
なお、これは「カネなんか無くたって人は幸せになれるんだ。」みたいな話ではありません。
そして、これはインフレ・デフレを理解する上での重要なヒントになると思います。ただ、その話は長くなるので、また今度にします。
おまけ
本記事を見て、こう考えられる方がいらっしゃるかもしれません。
(゚⊿゚)<ほれ、やっぱり政府はできるだけ支出を抑えて、緊縮するのが良いんだ。
それは誤解です。
それから、子ども食堂を国営化するべきじゃない、なんてことも言ってません。子ども食堂は政府がやるべき事業で、1日でも早く国営化するべきだと思います。
但し、そのときに政府は、民間部門の実物資源が枯渇しない程度に"手加減"をするべきだ、というのが本記事の主旨です。
従って、↓こんなことは言ってないし、そもそもこの理屈は論理が飛躍しています。
政府はいくらでも支出できるが、支出が多すぎるとかえって悪影響が生じる。だから、政府支出は少なければ少ないほど良い。
( ゚д゚)<エアコンは部屋の温度を自由に上げたり下げたりできるんやで。
(´・ω・ `)<ほんほん。
( ゚д゚)<でも、あったかくし過ぎたら気分悪くなるけーの。気ぃつけや。
(´・ω・ `)<ほんほん。
( ゚д゚)<せやから、エアコンの温度は下げれるだけ下げた方がええんやで。
(´・ω・ `)<なんでそうなるのwwww
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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