本章では、次のトピックである政府支出、課税、金利設定、国債発行ーつまり、自国通貨を発行する政府の財政政策ーの検討に取りかかろう。なお、財政政策と金融政策を完全に切り離すことはできず、とりわけ国債発行の領域では不可能である。それゆえ、本章では中央銀行による金利誘導オペレーションを含めて論じることにする。
『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 215/553pp
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
恒例の手抜き回です。
おつかれさまでした。第4章「自国通貨を発行する国における財政オペレーション」は、前回記事の「4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか」までとなります。
本記事では、第5章に進む前に、第4章(4-1~4-12)のまとめをしておこうと思います。
4-1.基本的な原則
4-1.基本的な原則 - 国債乱発派のMMT解説
- 政府は、貨幣の計算単位を決定し、その計算単位によって課税する。
- 政府の支払方法は、保有している貨幣を譲り渡すというものではない。政府は、新しく貨幣を発行して、支払先に付与するという方法によって支払を行う。
- 政府は、自身が決定した計算単位建て(自国通貨建て)で売られているものであれば、いくらでも購入することができる。
- 政府と企業・家計との間の貨幣のやりとりは、銀行の仲介のおかげで成り立っている。
- 政府支出のプロセスでは、日銀当座預金と銀行預金が増える。
- 日銀は、翌日物金利をコントロールできる。
4-2.財政赤字が貯蓄に与える影響 その1
結論としては、基本的には、政府収支は赤字であることが普通だと考えるべきでしょう。
民間部門の全員が黒字になるためには、民間部門が全体として黒字でなければならず、民間部門が黒字になるためには、政府収支が赤字でなければなりません。
誰かが黒字になるためには、別の誰かが赤字にならなければならないことが避けられない以上、その赤字を引き受けるのは"負け組"ではなく、政府であるべきです。
4-2.財政赤字が貯蓄に与える影響 その1 - 国債乱発派のMMT解説
4-3.財政赤字が貯蓄に与える影響 その2
政府は、国債のB払いで支出します。なので、政府は、(日本円建てで売られていれば、)財・サービスをいくらでも購入することができます。
4-3.財政赤字が貯蓄に与える影響 その2 - 国債乱発派のMMT解説
4-4.財政赤字と国債金利 その1(債券の金利と価格)
債券金利=総支払額-債券価格
この数式を"債券の価格と金利の恒等式"と呼ぶことにします。これは、国債金利のことを理解するのに欠かせませんので、非常に重要です。
4-4.財政赤字と国債金利 その1(債券の金利と価格) - 国債乱発派のMMT解説
4-5.財政赤字と国債金利 その2(株価の仕組み)
このように、成行の買い注文が入ると株価は上がり、成行の売り注文が入ると株価は下がります。
但し、注意しておきたいことがあります。それは、成行注文で株価が上下するには、その成行注文で今現在の株価のところに貯まっていた指値注文が約定しきって無くなってしまうことが条件であるということです。
4-5.財政赤字と国債金利 その2(株価の仕組み) - 国債乱発派のMMT解説
4-6.財政赤字と国債金利 その3(日銀の国債金利操作)
日銀は、
- いくらでも買える
- いくらでも売れる
- 儲ける気が無い
という異次元の存在ですので、国債金利を思うがままにコントロールできます。よって、「いつか国債の価格が暴落して、金利が急騰するかもしれない。」みたいな心配には意味がありません。国債の価格・金利がどうなるかは日銀が決めます。4-6.財政赤字と国債金利 その3(日銀の国債金利操作) - 国債乱発派のMMT解説
4-7.財政赤字と国債金利 その4(国債の意義)
でありますから、政府から「国債買わない?」なんていうお誘いがあれば、メリットしか無いので、銀行はこれを断る理由がありません。政府も首尾よく日銀預金を回収できて万々歳となります。
これが国債発行の目的であり本質だ、というのがMMTの解答です。これのどこが"借金"なんでしょうか。
4-7.財政赤字と国債金利 その4(国債の意義) - 国債乱発派のMMT解説
4-8.財政赤字と国債金利 その5
なぜ彼らは、いつまで経っても自分たちの理論が間違っていることが理解できないのでしょうか。 それは主流派経済学の二大トンデモ理論
- お金のプール論
- お金のアバター論
を信じ込んでいるため、根本的な部分で貨幣というものを誤解していることが原因なのではないかと思います。4-8.財政赤字と国債金利 その5 - 国債乱発派のMMT解説
4-9.外国人の国債保有
ということで、外国人がたくさん日本国債を保有したら日本はマジやばい説はどうやら間違いで、外国人がたくさん日本国債を保有しても大してやばくはないみたいです。
4-9.外国人の国債保有 - 国債乱発派のMMT解説
4-10.国際金融のトリレンマ
MMTの回答は「国によってベストの選択肢は異なる。但し、最も政策余地を広げる選択肢が、為替レート固定を諦める(つまり、変動相場制を採用する)であることは間違いない。」です。
4-10.国際金融のトリレンマ - 国債乱発派のMMT解説
4-11.日本国債はデフォルトしない
つまり、日本政府は B⇄C と、往復するばかりで、いつまで経ってもA→B→C→D→・・・というポンジー状態になりません。ポンジーにならないわけですから非自発デフォルトに追い込まれることもない、というわけです。
4-11.日本国債はデフォルトしない - 国債乱発派のMMT解説
4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか
日銀がドル建ての日銀預金を発行できないのは、アメリカ政府に禁止されているからではありません。それが真珠湾攻撃と同じ意味を持つからです。
外貨建て国債を発行する政府は、その外貨を自前で発行できない以上、国債を返済するのに必要な通貨を輸出等で稼がなければならず、それに失敗すれば、「3、2、1、ポンジー!」からの非自発的デフォルトに陥ってしまいます。
4-12.なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか - 国債乱発派のMMT解説
それでは本日ここまで。
おまけ
本日のおまけはオススメ動画の紹介です。
IMF様の言う通り、最大限の政府支出を! さらに支出を積み増せ! [三橋TV第346回] 三橋貴明・高家望愛
安定の三橋TVです。見やすい。分かりやすい。
このIMFの積極財政推奨コメント、ほんとに全くマスメディアで見ないですよね。期待するだけ無駄なんでしょう。今後も情報発信がんばります。
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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