銀行の総資産と総負債が、各々400ドルになっていることに注目しよう。銀行は200ドルの貨幣をまさに創造したのだ。
『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 186/553pp
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
預金利息に関する疑問
銀行にカネを預けると利息がもらえます。
例えば、りそな銀行の普通預金の預金年利率は0.001%です。100万円を1年預けてたら、10円の利息がもらえるわけです。改めて計算してみたらあまりの少なさにビックリしました。10円て。
ところで、私たちが銀行にカネを預ける最大の理由は「現金だと管理が大変だから」だと思います。多くの人は銀行に管理手数料を払ってでも預かってほしいと考えるでしょう。
なのに、銀行は手数料を取るどころか利息を付けてくれます。
では、ここで問題です。
なぜ銀行は預金に対して手数料を取るのではなく、逆に利息を付けるのでしょうか?
マンキューさんに聞いてみよう
こないだ図書館でこんな本を借りてきました。マクロ経済学における超スタンダードです。すごいですね。スタンダードを超えています。
忙しくてなかなか読めないんですが、いつか
「マンキュー読めよ」
「読みましたよ」
「読んでないだろ」
「読んだし」
みたいなキャッキャウフフができたらいいですね。
ひととおり読んだら読書感想文の記事でも書こうかと考え中です。
で、この本には、「なんで預金に利息が付くの?」という問題に対してどういう回答してるかと言いますと・・・
残念ながら何にも書かれてありませんでした。ていうか、銀行預金に利息が付くことさえ書かれてませんでした。
「銀行は集めた預金を貸し出して利益を得ているから、その分け前を支払ってる。」とか言うのかなあ。
私の答え
さて、気を取り直しまして、なぜ銀行預金に利息が付くんでしょうか。
それは銀行が現金を預かるときの仕訳を書けば分かります。だいたいのことは仕訳を書くと分かるような気がします。
ここで気を付けたいポイントは、"銀行預金"は、預けた人にとっては資産ですが、預けられた銀行にとっては負債である、ということです。
では仕訳を書きましょう。
- 銀行は、現金(資産)が増えると同時に銀行預金(負債)が増えます。
- 顧客は、現金(資産)が銀行預金(資産)に振り替わります。
続いて、銀行と顧客ではなく、普通の個人同士をお金の貸し借りの仕訳を書いてみます。
そっくりですね。そうなんです。
銀行がカネを預かるという行為の実質は、カネを借りる行為なんです。カネを借りたら、利息が付くのは当たり前です。だから預金には利息が付くんです。
私たちは銀行にカネを預けているわけではありません。カネを貸してるんです。
なぜ銀行預金は銀行にとって負債なのか
以前の記事で、政府の通貨は「これを渡せば、同額の通貨を支払う」という政府の約束を示すものだと説明しました。負債というのは必ずこういうふうに、何らかの約束の証拠になっています。
それに対して、銀行預金は「預金者が要求したら、その預金と同額の現金を支払う」という銀行の約束の証拠です。ですから、銀行預金は、間違いなく銀行の負債です。
返すことを約束して他者からカネを受け取ることを、普通は"カネを借りる"と呼びますが、なぜか銀行では"カネを預かる"と呼びます(こどものお年玉を取り上げる親の言い訳みたいですね)。それで分かりにくくなっているだけです。
ちなみに
ちなみに、銀行が顧客から預かった現金をさらに日銀に預けると、現金は日銀にとって負債なので、
- 銀行は、現金(資産)が日銀預金(資産)に振り替わります。
- 日銀は、現金(負債)が日銀預金(負債)に振り替わります。
ちょっと様子が違いますね。
私たちが銀行に現金を預けるのは、実質的にはカネを貸す行為で、銀行側に資産|負債の仕訳が起きて、"銀行預金"という貨幣が生まれますが、
銀行が日銀に現金を預けたときは、日銀側に資産|負債の仕訳が起きず、負債が別の負債に振り替わるだけで新たな貨幣は生まれません。
つまり、銀行が日銀に現金を預けるのはカネを貸す行為ではありません。
それでは本日ここまで。
おまけ
本日のおまけは安藤裕先生のYouTube動画です。
〈コラボ企画〉第四弾★ハル山下(HAL YAMASHITAオーナー兼、エグゼクティブシェフ ) × 衆議院議員 あんどう裕「政府が今本当に行うべき政策」
こちらのシリーズは若干内容が今回記事からの『銀行の役割』シリーズのネタバレになっちゃうんですが、とても分かりやすく経済の仕組みを説明されていますので、シェアさせていただきたいと思います。
安藤先生の説明が分かりやすいのはいつもどおりなんですが、聞き役の山下さんがちょいちょいわざとらしい感はあるものの、いい感じで素朴な目線の質問をはさんだりしてくれてて、いままでのシリーズよりも相当とっつきやすくなっていると思います。
ぜひご覧いただいて、できれば周りの方へ拡散していただければと思います。
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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