彼らはオズの魔法使いのようなものだが、回しているそのハンドルは経済につながっていなかった。
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。
こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
目次
本日のお題
( ゚д゚)<いよいよ最後の質的緩和か。
(´・ω・ `)<うい。よろしゅう。
( ゚д゚)<うい。ちょっとその前に聞いときたいことがあんねんけど。
(´・ω・ `)<ん?何かね。恥ずかしがらずに言ってごらん。さあ、早く。さあ!
( ゚д゚)<誰やねんそれ。いやな、マイナス金利がウルトラトンチンカンやったやん?
(´・ω・ `)<うい。
( ゚д゚)<んで、量的緩和もウルトラトンチンカンやったやん?
(´・ω・ `)<ういうい。
( ゚д゚)<さすがに最後の質的緩和はちょっとくらいマシやったりせーへんのか?
(´・ω・ `)<そんなんするわけあるかいな。最後の最後までしっかりがっつりウルトラトンチンカンよー。そもそもな、あの人たち、貨幣とか経済の仕組みがどうなっとんのか分かってへんのよ。何がどうなっとんのかなんだかよく分からへんから、雰囲気だけで何するか決めて、当然うまくいかへんくて、なんでうまくいってへんのかも分からんくて、結局もう訳が分からんようになっとんのやけど、変なメンツにだけはこだわりよるから「よく分かりません」なんて言えへんくて、ひたすらごまかしながら突っ走っとんねん。いや、ごまかすために突っ走っとるって言った方が正確かの。こんなもん、ウルトラトンチンカンになるに決まっとるやないのー。遊びでやってんちゃうぞっちゅう話や。よーあんだけ何年もずーっと、ほんとはなんだかよく分かってないのに、分かったような顔で分かったようなことペラペラペラペラしゃべって、その場その場を取り繕うのばっかり一生懸命で、いかにも見た目だけ立派で中身スカスカのレポート垂れ流して。「人はパンのみに生きるにあらず」て言うじゃろが。自分がメシ食ってクソして寝たいがために日本中に迷惑まき散らして、あんなゾンビみたいな生き方してて何が嬉しいんかの。
( ゚д゚)<そかそか。なんか火ぃつけてもうたな。
(´・ω・ `)<おお、すまんの。ついつい。
ということで、本日のお題はこちらです。
【質的緩和とは】
(`・ω・´)<よろしゅう!
( ゚д゚)<まかしとき!
(`・ω・´)<ちゃうちゃう!ぼくが教える側よ!
( ゚д゚)<あらま!
質的緩和とは
《質的緩和》とは、日銀が市場で買い付ける金融商品の対象を国債以外にも広げることです。つまり、《量的緩和》は、ざっくり言うと、「買いオペの量を増やす」というものでした。それに対して、《質的緩和》とは、「買いオペの対象を増やす」というものです。
( ゚д゚)<対象?国債以外にもなんか買うよーってこと?
(´・ω・ `)<せやの。日銀さんが出しとる文書にこう書いとる。
資産価格のプレミアムに働きかける観点から、ETFおよびJ-REITの保有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
(´・ω・ `)<要するに「国債だけじゃなくてETFやJ-REITも買いまっせ」ちゅうことやな。実際はETFとJ-REIT以外も買っとんのやけど、金額の大きいところはこの2つじゃけー、まあええじゃろ・・・ところで、( ゚д゚)<ETFとかJ-REITてなんやねんしばくぞ。って顔しとんな。
( ゚д゚)<おう、分かっとんなら先にそれを説明せえ。ETFとかJ-REITてなんやねんしばくぞ。
ETFとは
《ETF》とは、読み方は普通にイーティーエフで、日本語にすると「上場投資信託」です。
(´・ω・ `)<つまり、「上場されとる投資信託」ってことやな。
( ゚д゚)<分からん分からん。上場も投資信託も分からん。
(´・ω・ `)<ほいじゃ投資信託から行こか。
投資信託とは
《投資信託》は、証券会社等が《ファンド》という団体を立ち上げるところから始まります。
ファンドは、
- 「受益証券」という証券を発行し、販売するという形でお金(出資)を集めます。
- 集めたカネは、株式や債券を売ったり買ったりして運用します。
- 受益証券の保有者(出資者)には、運用で出た利益の一部が分配金として支払われます。
- 出資者は、いつでも投資信託を解約して、ファンドに証券を買い取ってもらうことができます。このときの買い取りの値段は、そのときどきの運用成績によって上下します。
(´・ω・ `)<成績が良ければ、分配金がもらえるし、出資したときより高い値段で証券を買い取ってもらえるけー、おトクじゃの。
( ゚д゚)<成績が悪かったらどうなるん?
(´・ω・ `)<そしたら分配金が少なくなるし、出資のときより安い値段での買い取りになるけー、損してしまうの。
( ゚д゚)<ほんほん。なんとなく意味は理解したわ。プロにカネを預けて、自分の代わりに運用してもらうっちゅうこっちゃな。
(´・ω・ `)<雰囲気はだいたいそんな感じなんやけど、出資者は【カネを預けとる】わけじゃなくて、1口100円とかの【証券を買っとる】ってことに注意してな。
( ゚д゚)<細けえの。そんなんどっちでも似たようなもんじゃろ。
(´・ω・ `)<投資信託だけならええんじゃけどな。"預けたカネを返してもらう"って認識やと、たぶんETFの仕組みが分かりにくいのよ。ほいじゃあ、ETFに行こか。
上場投資信託とは
ETF(上場投資信託)も、ファンドが出資金を集めて運用するのは普通の投資信託と同じですが、ETFのファンドは、受益証券を一般向けには発行・販売しません。ETFファンドは、特定の大口投資家を入札等で選び、その選ばれた大口投資家にだけ証券を発行・売却します。
そして、その受益証券を買った大口投資家が一般向けに受益証券を市場で販売します。
( ゚д゚)<ファンドと出資者の間に「大口投資家」ってのが一枚噛むわけか。違いってそんだけ?
(´・ω・ `)<いや、もひとつ。ETFの証券は市場で一般投資家同士が売買できるんよ。ETFの証券を換金したいときは、ファンドに買い取ってもらうんじゃなくて、市場で別の一般投資家に売るんや。
( ゚д゚)<おけ。だいたい分かったわ。
(´・ω・ `)<投資信託・ETFのメリットデメリットとか、話のネタはいっぱいあるんやけど、お題とズレてまうけー、この辺にしとくかの。
( ゚д゚)<あと、J-REITはなんなん?そもそもこれなんて読むん?
(´・ω・ `)<ジェイリートやな。REITは、基本的な仕組みはETFと同じなんやけど、REITのファンドは株式・債券じゃなくて不動産を専門にしとるってとこが違う。Jは、JapanのJや。
( ゚д゚)<日本国内の不動産を売買するファンドの上場投資信託っちゅうことか。
(´・ω・ `)<まあだいたいそんな感じや。
質的緩和の影響
ここで《質的緩和》とは何だったのかを見直しましょう。
資産価格のプレミアムに働きかける観点から、ETFおよびJ-REITの保有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
これはつまり、「これから毎年、一般投資家がETF市場・J-REIT市場に日銀がやって来て、1兆円分・300億円分の買い注文を必ず出しますよ。」という宣言です。
質的緩和が開始された2013年におけるETF・J-REITの売買実績は、およそ32兆円・17兆円*1でした。そのうちの1兆・300億ですから、そこそこ太い金額です。
日銀のETF購入の仕訳
続いて、仕訳を確認します。
日銀がX銀行に口座を持つ一般投資家のAさんからETFを買うときの仕訳はこう↓なります。
日銀は、X銀行に日銀当座預金をB払いして、X銀行がその分だけAさんの口座に銀行預金を発行します(これもB払いです)。そしてETFがAさん→日銀に移動します。
この取引によって、日銀当座預金と銀行預金が新たに発行されて、それぞれの総残高が増えます。ETFは移動しただけですから、残高変化はありません。
株価が上がるだけ
質的緩和によって、次の2つが起きることが分かりました。
- 日銀当座預金の総残高増加
- 銀行預金の総残高増加
続いて、これらが経済や物価にどう影響するのかを考えてみます。
日銀当座預金総残高増加の影響
[9-4]のとおり、日銀当座預金の総残高が増えると翌日物金利が下がります。ただ、質的緩和は、量的緩和と比べると大した金額ではないので、この影響は無視できる程度です。
もちろん、[9-8]のとおり、日銀当座預金が増えても、物価への影響は特にありません。
銀行預金総残高増加の影響
質的緩和によって、ETFを銀行預金に交換した一般投資家は、銀行預金をいままでよりたくさん持っています。
(´・ω・ `)<さてここで問題です。
( ゚д゚)<ばっちこーい。
(´・ω・ `)<一般投資家はたくさん持ってる銀行預金で何をするでしょう?
( ゚д゚)<そんなもん知るかい。
(´・ω・ `)<じゃあ、この4択ならどや。
- おいしいごはんを食べる。
- かっこいい車を買う。
- すてきな家を建てる。
- もっかいETFを買う。
( ゚д゚)<これなら4かの。だって日銀さんが買うって言うとんじゃけー、絶対損することないもんな。ちょっとごはん食べるくらいならあるかもしれんけど、車とか家とかはもっかいETFで儲けた後でええじゃろ。
さっきの仕訳の後に、ファンドが追加で証券を発行して、それを(大口投資家経由で)Aさんが買う仕訳を追加してみます。(ファンドの預金口座もX銀行にあることにします。)
Aさんの手元にはETFが行って戻ってきて、結局、Aさんには何も起きていないことになります。
そしてファンドが追加で得た資金でさらに株式を買います。
すると、株価が上がります。
( ゚д゚)<ほんほん・・・で?
(´・ω・ `)<以上でございます。
( ゚д゚)<またかい。
(´・ω・ `)<またでございます。
( ゚д゚)<質的緩和って株価とか不動産の価格が上がるだけ?
(´・ω・ `)<うん。そんだけ。
( ゚д゚)<どんくらい上がったん?
(´・ω・ `)<TOPIXっていう、ざっくり言うと一部上場企業全体の平均値みたいな指数があるんやけど、それがこんな感じ。
( ゚д゚)<そこだけ見たら上がっとんの。
(´・ω・ `)<せやの。
( ゚д゚)<まあどうでもええわ。てことは、マイナス金利・量的緩和・質的緩和ってやってきたけど、3つとも全部物価と関係ないの?
(´・ω・ `)<いえすざっつらいと。
( ゚д゚)<異次元緩和ってインフレ率を上げるのが狙いじゃなかった?
(´・ω・ `)<まあ、ウルトラトンチンカンなんで。
( ゚д゚)<「あれ?なんでうまくいかないんだろう?やり方が良くないのかな?」とか思わんの?
(´・ω・ `)<むしろ(゚⊿゚)<ぼくの緩和のおかげでいまのデフレではない状態をなんとか保ててるみたいだね!これからもしっかり緩和しないと!がんばるぞい!*2って言っとります。
( ゚д゚)・・・Bなの?
(´・ω・ `)<それは私の口からはなんとも。
次回予告
本記事にて第9章はおしまいです。
次回より「第10章 結論ー主権通貨のための現代貨幣理論」に進みます。
( ゚д゚)<そか。おつかれさん。結論っちゅうことは第10章でおしまいかい?
(´・ω・ `)<『MMT現代貨幣理論入門』は第10章でおしまいやな。
( ゚д゚)<ほんほん。第10章まで終わったらどうするん?ブログやめてしまうん?
(´・ω・ `)<いや、[1-1]からもっかい書き直してみようかなと思うとる。ときどき自分で読み返して「ちょっとこれ違うんだよな…」とか「ここ、もっとこうした方が分かりやすいな…」って思う箇所もちょいちょいあるけー。
( ゚д゚)<ほーん。そかそか。ほいじゃあ、まだまだよろしゅうな。
(´・ω・ `)<うい。よろよろ。
おまけ
最近はじめて知ってなかなか役に立ってるエクセルの小ネタなんですが…
マウスのホイールをクリクリすると画面が上下にスクロールしますよね。
それをctrlキーを押しながらクリクリすると、ズームイン・ズームアウトになるんです。
( ゚д゚)<そんくらい知っとるわ。
(`・ω・´)<そしてさらにctrlキーとshiftキーを両方押しながらクリクリすると、左右にスクロールできます!
( ゚д゚)<なんやて!!!
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!
応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!
よろしくお願いします!