我々には社会的なメタファー、すなわち私益最大化の論理に代わる「公益」が必要である。我々は、政府が果たす積極的な役割、および政府による我々の役に立つような貨幣の利用に焦点を当てなければならない。
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。
こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。
目次
本日のお題
( ゚д゚)<前回のあらすじ〜。
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(´・ω・ `)<政府はどんな財政政策をするべきかっていう話をします。
( ゚д゚)<はいお願いします。
(´・ω・ `)<と、その前に別の話をします。
( ゚д゚)<えええ。
(´・ω・ `)<うるさい。別の話をします。
( ゚д゚)<うそでしょ。
(´・ω・ `)<ペラペラペラペラペラペラ。
( ゚д゚)<シンジラレナーイ。
(´・ω・ `)<終わりました。本日ここまで。
( ゚д゚)<えええ、財政政策の話は?
(´・ω・ `)<ペラペラしゃべってもう疲れた。島倉千代子。本日ここまで。続きはまた次回。
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(´・ω・ `)<ちょいちょい。
( ゚д゚)<なんじゃい。
(´・ω・ `)<肝心なとこが全部ペラペラペラペラになっとるがな。
( ゚д゚)<うるせえ。島倉千代子とか言ってふざけとったバチじゃ。それより政府はどんな財政政策をやったらええかって話、はよ。
(´・ω・ `)<ういー。
ということで、今回のお題はこちらです。
【政府はどのような財政政策を行うべきか】
(´・ω・ `)<よろしゅうな。
( ゚д゚)<まかしときー。
(´・ω・ `)<ちゃうちゃうぼくが教える側よ。
( ゚д゚)<分かっとるわ。なめとんか。
(´・ω・ `)<まだヘソ曲げとんのかいww
結論
まずは、前回の冒頭でも紹介したものですが、結論から見ておきましょう。
政府は、それが公益に資する限り、実施可能な全ての財政政策を実施するべきである。
実施可能であるかどうかは、その政策に必要な実物資源が利用可能かどうかで決まる。
よって、財政政策に関する議論に必要な論点は、
- 公益に資するか。
- 実物資源は足りるか。
この2つだけである。
( ゚д゚)<やっとこれの中身を説明してくれるんか?
(´・ω・ `)<おう、よろしゅうな。
おさらい:財政の仕組み
これも前回の繰り返しになりますが、
[10-11]のとおり、財政とは、本質的には政府支出と徴税という2つの要素だけで構成されるものです。後から見直して思ったのですが、これはON/OFFというより▲/▼ボタンで捉えた方が適切ですね。
よって、「財政政策に関する議論」の内容は、必ずこの2つ↓のどちらかに当てはまるはずであり、
- 政府はどのような支出をするべきか
- 政府はどのような徴税をするべきか
この2つのどちらにも当てはまらないものは、どうでもいい"雑談"に過ぎません。
「べき」とは
ここで、「べき」という言葉なんですが、
「政府はどのような支出/徴税をするべきか」と言うとき、私は「べき」を【目的に対して手段が妥当である】という意味で使っています。
例えば、
( ゚д゚)<健康を維持したいなら、適度な運動を習慣化するべきだ。
みたいな「べき」の使い方です。
似て非なる使い方に【自分がそれを当然だと思っている】という自分の思想信条を述べるときの「べき」もあります。例えば、
(´・ω・ `)<ごはんを食べる前には「いただきます」を言うべきだ。
みたいな「べき」です。いま言っている「べき」はこの意味ではありませんので、ご注意ください。
「公益に資する」とは
さて、「べき」が「目的に対して手段が妥当であること」の意味だとすると、
「政府はどのような支出/徴税をするべきか」は、
「【政府の目的に対しての手段】としてどのような支出/徴税が妥当であるか」という意味だということになります。
( ゚д゚)<「政府の目的」て何じゃい。
(´・ω・ `)<そんなもん「世の中をより良くすること」に決まっとるじゃろ。ほいで、何らかの支出/徴税をすることで世の中がより良くなるんやったら、それは「公益に資する支出/徴税」って言ってええんちゃうかな。
( ゚д゚)<ほんほん。最初に言うてた「公益に資する」ってそういうことか。
(´・ω・ `)<せや。政府の目的は世の中を良くすること、つまり公益なんじゃけー、「公益に資する支出/徴税はやるべき。公益に反する支出/徴税はするべきじゃない。」ってことや。
( ゚д゚)<ほんほん。I have a question.
(´・ω・ `)<1つはさすがにちゃんと言えたの。
( ゚д゚)<あたぼうじゃ。このオタンコナスめ。
本当に必要な議論
(´・ω・ `)<で、なにかね?
( ゚д゚)<「世の中を良くする」って具体的に言いますと、どういうことなん?
(´・ω・ `)<そんなもん知るかい。
( ゚д゚)<えええ。
(´・ω・ `)<「どんなのが"良い"世の中なのか」なんて問いに正解なんかあるわけじゃろ。
( ゚д゚)<いや、そらそうかもしれんけどよ。「世の中を良くするような財政政策をやるべきやけど、どんなんが良い世の中なんか分かりません」じゃあ、話が進まんじゃろ。
(´・ω・ `)<おっしゃるとおり。
( ゚д゚)<なめとんか。
(´・ω・ `)<まあまあ、まだ続きがありますけー。
( ゚д゚)<お、なんじゃー。
政治の役割
(´・ω・ `)<これが唯一の正解ってのは無くても、ぼくら個人個人はそれぞれ「こういうのが良い世の中や」「公益ってのはこういうもんや」っていう理想を持っとるじゃろ?
( ゚д゚)<せやの。
(´・ω・ `)<じゃけー、その中のどれかを優先することで、それが正解かどうかは置いといて、"答え"を出すことはできるんや。「こういうのが良い世の中だ、ということにします。」ってな。
( ゚д゚)<ほんほん。でも、どれかを優先て、そのどれかはどうやって決めるんじゃ。
(´・ω・ `)<そこで出てくるのが政治ってやつよ。
( ゚д゚)<ほん。
(´・ω・ `)<国会で議員さんたちがあーだこーだ話し合いをして、法律作ったり、いろんなことを決めとるじゃろ。あれは要するに日本ちゅう国の理想をどこに持っていくかってことを決めとるわけや。つまり、「これが私たちの公益です」っていう"答え"を出すのが政治の役割よ。
( ゚д゚)<ほんほん。ほいだら、公益ってのは決まった正解があるわけじゃなくて、みんなで考えて決めるもんなんやな。
(´・ω・ `)<ああ、いや、政治体制ちゅうのは民主制だけちゃうけー、「みんなで決める」とは限らんぞ。日本では議会が決めとるけど、中国なら共産党が、アメリカやったらディープステートが決めとる。そこはいろいろよ。
( ゚д゚)<ほー、アメリカはディープステートさんが決めとるんか。
(´・ω・ `)<シッ、声がでかい。消されるぞっ。
( ゚д゚)<はいはい。もいっこ質問ええかの?
(´・ω・ `)<うい。なにかね。
雑談をやめただけでは良くならない
( ゚д゚)<何が公益なのかは政治で決めるんやったら、クソみたいなのが政権握っとったらどうするん?そんなのが決める"公益"とかクソじゃろ。
(`・ω・´)<いえすざっつらいと!
( ゚д゚)<いやいやいや、(`・ω・´)<ざっつらいと!じゃなくて。どうするんかて聞いとんじゃ。
(´・ω・ `)<クソみたいなのが権力持っとったらクソみたいな公益に向けた政策が実行される。ざっつらいとじゃ。どうしようもあるかい。
( ゚д゚)<えええ。
(´・ω・ `)<そしてこの国はご存知のとおり、クソみたいな政党が政権を握っとる。じゃけー、"雑談"をやめたところで、それだけやったら、クソ政策は相変わらず量産されて、ぼくらがどんどん貧しくなってくのは変わらへん。
( ゚д゚)<えええ。
(´・ω・ `)<てかな、やからこそぼくらに"雑談"をしとる暇なんか無いんよ。
( ゚д゚)<と言いますと?
目指すべきフェーズ
残念ながら、現実は厳しいものです。
たとえ私たちが"雑談"をやめて、真っ当な意味のある議論をするようになったとしても、クソみたいな政党が政権を握っている限り政策は変わりませんから、私たちの暮らしはこれまでと変わらずに貧しくなり続けることでしょう。
なぜなら、私たちの暮らしが良くなるためには、まだまだこれだけ↓やらなければならないことがあるからです。
- "雑談"をやめる。
- クソみたいなのを政権から下ろす。
- 「私たちは何を公益とするのか」を議論する。
- 各所から提案された政策を「3.の議論で決定した公益に資するか」という視点から議論する。
- 「公益に資する」と結論付けたら、その政策の実行可能性を調査検討する。
- 「実行可能」であれば、それを実行して、失敗して、反省しながら改善していく。
私たちが最終的に目指すべきは、6.のフェーズです。そしてもちろん6.に辿り着いたとしてもそれはゴールではなく、スタートです。そこから試行錯誤を繰り返しながら、やっと少しずつ私たちの暮らしは良くなっていくのです。
( ゚д゚)<ほんほん。ぼくらはいまどのあたりにおるんかの?
(´・ω・ `)<フェーズ0【雑談ばかりしている】や。お話にならん。
( ゚д゚)<ありゃー、先は長いの。
(´・ω・ `)<やからこそ、ぼくたちはさっさと雑談をやめなあかんのよ。まだまだまだまだやらなあかんことが山積みなんじゃけーの。
「公益に資するか」の議論とは
とは言え、「どうせクソみたいなのが政権を握っとるし、国民は雑談してばっかやし、実際のところは公益がどうとか言ってられるレベルじゃありません。おしまい。」ではあんまりなので、「その政策は公益に資するか」とは具体的にはどんな議論なのかを【山にダムを建設する】という政策を例にして考えてみたいと思います。
公益が1つだけの場合
例えば《便利な暮らし》を公益とする場合、ダム建設は明らかに公益に資するものなので、「この支出はするべきである」と言えます。
一方、《自然環境保護》を公益とする場合、ダム建設は公益に反することになるので、「この支出はするべきではない」と言えます。「ダム建設が必ずしも環境破壊になるとは限らない」という意見もあるかとは思いますが、その辺は今はいったん置いといてください。
公益同士が衝突する場合
このくらいであれば話は簡単なのですが、「公益は1つに絞らなければならない」という決まりはありません。むしろ、複数を同時に追求する方が普通です。
そこで、《便利な暮らし》と《自然環境保護》の両方を追求する場合を考えてみましょう。こうなると、ダム建設は「公益に資する面と反する面を併せ持つ」ことになり、公益同士の衝突が生まれて話がややこしくなってきます。
この場合、「便利が優先か、環境が優先か」と公益に優先順位を付けるための議論がさらに必要になってきます。
但し、この議論の結論は「どちらかを0、どちらかを100」とする必要はありません。優先順位を付けつつ下位の公益にも配慮を加えることも考えられます。例えば、「便利を優先してダム建設はするが、できるだけ環境保全が可能な工法を使う」等です。
公益と私益が衝突する場合
《便利》と《環境》のような公益同士ではなく、公益と私益が衝突することもあります。例えば、ダム建設によって村がダム湖に沈んでしまう場合です。
ここでも結局は優先順位の議論になります。一般には公益が優先されることが多くなると思いますが、「公益は何でもかんでも私益に優先する」というのは明らかに妥当ではありませんから、「どこまで私益に配慮するのが適当か」という議論が必要になるでしょう。
"良い"財政政策に必要なもの
さて、お気づきかもしれませんが、このフェーズ4【公益に資するかの議論】は主に法律学が扱う内容であり、経済や財政の話はどこにも出てきません。
また、その前段階であるフェーズ3【何を公益とするかの議論】でも、必要なのは哲学・倫理学または文化や歴史といった分野の知識であり、やはり経済・財政の話は出てきません。
経済学に出番が回ってくるのは、フェーズ5【実行可能性の議論】です。
経済学はそこで「カネはいくらでも支出可能である。なぜなら▲ボタンをポチポチと押すだけの話だから。」ということを示し、
そして何が本当の"実行可能性を制限するもの"なのかを示します。現状では「財源は?」とかいう"雑談"で議論を混ぜっ返すばかりで邪魔にしかなってませんが(´・ω・ `)
つまり、"良い"財政政策を考えようとするとき、まず必要となるのは「世の中・社会を良くしたい」という想いであり、次に必要となるのは法律学・哲学・文化や歴史といった分野の知識であり、経済学が役割を持つのはその後のことです。
いつぞやだったかは忘れましたが、安藤裕さんが「自分の中に何の哲学も持たずに、金融のことをいくらか他人より知ってるってだけで経済政策を語る議員がいるが、あーゆーのは話にならない。」みたいなことを言われていたような記憶があるんですが、私はその意見に完全に同意します。
次回予告
(´・ω・ `)<うし、キリがええけ、このへんで休憩にしよか。
( ゚д゚)<次は実物資源がうんとこどっこいしょっちゅう話か?
(´・ω・ `)<おう。もすこしあとちょっと♪ 言うてな。
( ゚д゚)<えっ?
(´・ω・ `)<お?
( ゚д゚)<いや、急にすごい勢いですべってくるけー、びっくりしての。
(´・ω・ `)<すべってへんわ。ワンチャンすべったにしてもそんなに勢いついてなかったじゃろ。
( ゚д゚)<まあまあ、恥ずかしいことちゃうけー。次に活かしていけばええんよ。それより、なんか最後の方で「何が本当の"実行可能性を制限するもの"なのか」とか言うてたけど、あれなんなん?
(´・ω・ `)<うっとうしいやっちゃの。それのことは次回で説明するけー、今日のところはさらっと流しといてええよ。
( ゚д゚)<ういー。
それでは本日ここまで。
おまけ
最近こちらのYouTubeチャンネルの動画をよく見ています。
登録者が8.6万人なので、すでに結構知られているチャンネルなのかもしれませんが、教習所が作ってるだけあって、運転テクニック動画が分かりやすいだけでなく安全運転第一で考えられているのが私は気に入りました。
特にこの動画の第1位に挙げられてたことにはハッとさせられました。
よろしければご覧ください。
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
( ゚д゚)<最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!
応援コメント、指摘コメント、お待ちしております!当ブログの拡散も大歓迎です!
よろしくお願いします!