主権通貨を有する政府にとって借入れは必要不可欠なものではないし、政府はキーストロークを使って常に債務を返済できるので、決してポンジー状態ではない。
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログの中で「B払い」という用語を使うことがあります。これは私の造語なので、ググってもd払いが出てくるだけです。ただ、使わせてもらわないと不便極まりないので、普通に使います。
こちらの記事で"B払い"って何かを説明していますので、記事の途中で「B払いって何やねんな☹️」ってなったらご覧ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
目次
本日のお題
早速ですが、本日のお題は、"MMTと言えば" のこちらです。
( ゚д゚)<ババン!
「主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ない。」
いやー、堅苦しい。すみませんね。ちょっと表現の正確性に全振りしたら、こうなってしまいました。ニュース記事とかだと、「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」くらいの書きぶりが多いですけど、それだとちょっと正確さに欠けています。ポイントは「自国通貨」かどうかではなく、「主権通貨」かどうかですから。
次回予告
それから、もう一つ、
さっきの「主権通貨建ての〜」を裏返すと、
「主権通貨建てでない国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得る。」ということになるわけですが、これがなぜなのかをちゃんと説明している記事とか動画とかって意外と少ないと思うんです。
三橋貴明さんとかでも「外貨建て国債はデフォルトしますよ。当たり前です。」みたいに「当たり前です」で済ませちゃってたりすることが多い印象ですが、ここの理解は主権通貨建て国債がデフォルトしないことの理解と同じくらい重要だと思います。
ただ、そこまで行くと長くなってしまうので、"なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか"については、次回にします。
今後の予定
それでは、「主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ない。」こちらの説明に取り掛かりましょう。
説明の仕方なんですが、「主権通貨とは?」から入って、次は「主権通貨建ての国債とは?」みたいに順を追っていくのも、まー、ダメじゃないんですが、長ったらしくてもっさい感じがします。
なので、まずは"百聞は一見に如かず"ということで、理屈をこねる前に、主権通貨建て国債の具体例として日本国債について日本政府が非自発的なデフォルトに追い込まれることがあり得ないことを見てみましょう。
そんで、次回記事で"なぜ外貨建て国債はデフォルトするのか"を理解してもらえれば、本丸の「なぜ主権通貨建ての国債を発行する政府が、その国債について非自発的なデフォルトに追い込まれることはあり得ないのか」が分かると思います。書いてみて補足が要りそうな感じやったら補足記事も書いて3部構成にします。
非自発的デフォルトとは
ただ、先に「非自発的なデフォルト」って何なのかを説明しておきます。
まず「非自発的」はなんとなく雰囲気で分かるかと思います。自分の意思ではなく、そうするしかないからそうする的な感じですね。
そして、「デフォルト」とは、広い意味では、借金返済等の債務履行が「約束どおりに行われないこと」で、例えば返済が1日遅れたとかも含まれるんですが、普通、デフォルトと言えば「債務履行を完全に放棄して、その債務を無かったことにしてしまうこと」を指します。破産申し立てみたいなものです。
キーワードは"ポンジー"
続いては、こちらの動画をご覧ください。
( ゚д゚)<みなさんも気ぃつけてください。「絶対儲かる」とか「元本割れ無し」とか「高配当を保証」とかを言い出したら、その投資話は100%詐欺です。
ポンジーかポンジーでないか
この詐欺の手口に由来して、いまある借金Aを返済するために新たな借金Bをして、その借金Bを返済するために借金Cをする・・・みたいなのを「ポンジーファイナンス」とか「ポンジー状態」なんて呼びます。
いったんポンジー状態に陥ると、A<B<C<…と金利なり返済期限なりがどんどん厳しくなっていき、FかGあたりで誰からも借金ができなくなり、デフォルト以外に選択肢がなくなってしまうことが大半です。
これが「非自発的デフォルト」の意味です。
ですから、ポンジー状態にならなければ、非自発的デフォルトに追い込まれることもありません。ポンジーかポンジーでないか、それが問題です。
日本政府はポンジーにならない
国債に関する支払には、元金の支払(償還)と、利息の支払(利払い)の2パターンがあります。
ただ、どちらも結局は、"政府が日銀預金を支払う取引" であることには変わりありませんから、問題は"政府がどうやって日銀預金を用意するか"です。
政府は、この借金A(既発国債)を返済するために、日銀に借金B(T-Bill)をお願いして日銀預金を用意させます。その後、政府は支払った日銀預金を回収するために借金C(借り換え債)を発行して、借金Bは返済されます。[4-3]で解説した政府支出のプロセスと全く同じ仕組みです。
日本政府はB⇄Cを往復するだけ
さて、政府はこの借金Cを返済するために借金Dをする必要があるでしょうか?
( ゚д゚)<分からん!
(´・ω・ `)<元気があってよろしい!正解は、借金Dなんかいらんのよ。政府は借金Cを返済するときには、また借金Bをして、借金Bをしたら借金Cをして、借金Bを返済するんやけど、その借金Cを返済するときには、また借金Bをするんよ。
つまり、日本政府は B⇄C と、往復するばかりで、いつまで経ってもA→B→C→D→・・・というポンジー状態になりません。ポンジーにならないわけですから非自発デフォルトに追い込まれることもない、というわけです。
補足
せっかくなんで、もうちょっと突っ込みます。
ポンジー状態では、金利なり返済期限なりが非自発的にどんどん厳しくなりますが、B⇄C往復は、どれだけ繰り返されても、[4-6]のとおり、金利は日銀が決めたとおりにしかなりませんし、返済期限はその国債を発行するときに政府が決めます。
つまり、今後、日本国債の金利や返済条件がいまより厳しくなることはあり得ますが、そうなるのは日本政府が自ら条件を厳しくすることを決めたときだけです。非自発的にそうなることはありません。
おまけ
書いた後で、こんな反論をする人もいるかもしれないなと思いました。
( ゚д゚)<返済期限も金利も政府が決めるにしても国債の残高はどんどん増えてしまうやないか。
(´・ω・ `)<それがどうかしたん?国債残高は増え続けるのが普通や。[4-2]をご覧くださいな。ちょっと余計なこと言わせてもらうけど、なんできみたちはそーゆー基本的なところをすべからく間違っとんの?
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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