1つの部門の赤字は、別の部門の黒字に等しい
『MMT現代貨幣理論入門』kindle版 51/553pp
当ブログは、こちらの複式簿記を説明した記事を読んでいただいている前提で書いています。未読の方は是非ご一読ください。
当ブログは、私がこちらの書籍を読んで、理解したことや考えたことを記事にしたものです。
今回は手抜き回です。
おつかれさまでした。第1章「マクロ会計の基礎」は、前回記事の「1-8.ビルトインスタビライザー」までとなります。
本記事では、第2章に進む前に、第1章(1-1~1-8)のまとめをしておこうと思います。
1-1.金融資産と金融負債
貨幣は、"資産|負債の取引の記録"です。
資産|負債の取引とは、例えば、国債を発行すること、銀行から融資を受けること、等の一言でまとめれば「借入の取引」です。貨幣は誰かが誰かから借入をしたときに誕生します。
貨幣の本質は借用書である。借用書はその発行者にとっては金融負債であると同時に、その所有者にとっては金融資産である。よって、彼が所有している貨幣は全て、その彼にとっては金融資産であるが、その貨幣の発行者にとっては金融負債である。
1-2.内部資産と外部資産
1.経済主体は政府・民間・国外の3部門に集約できる。2.資産は内部資産と外部資産に大別できる。3.ある部門の純資産を動かすには、"内部資産"をどれだけいじくり回したところで無意味である。"外部資産"を手にしなければ、その部門が純資産を持つことはできない。
1-3.ストックとフロー
フローの動きは必ず純資産の動きと完全に一致します。つまり、黒字収支は必ず純資産の増加を伴い、赤字収支は必ず純資産の減少を伴います。
仕訳の借方に費用が入るとき、ストックとフローは必ずシンクロします。借方に費用ではなく、資産・負債・収益を入れても同じことです。ストックとフローは必ずシンクロします。
なぜシンクロするのか?という質問に対する答えは、「そもそも複式簿記の仕組みが、そうなるように設計されているから」ということになるでしょう。
1-4.マクロ会計の恒等式
国内民間収支+国内政府収支+国外収支=0
国内民間収支+国内政府収支-経常収支=0
この恒等式は「マクロ会計の恒等式」と呼んだり、「3部門会計の恒等式」と呼んだり、単に「恒等式」と呼んだりします。
この恒等式は超重要ですから、恒等式そのものだけでなく、恒等式が導き出される過程や恒等式が意味するところも含めて覚えていただきたいと思います。
1-5.収入と支出の関係
ここで私が言いたいのは、私の支出限界と収入には、ほとんど何の関係もないということです。
収入→支出?そんな因果関係は存在しません。
1-6.支出は収益の源泉
多くの経済主体は、自身の支出を自由に決定できます。
しかし、収益を自由に決定することはできません。
もし、私が自身の収益を増やしたいのであれば、どうにかして他者を説得し、私に対する支出を増やしてもらわなければなりません。
「まず誰かが支出をして、それが受け手の収益となる。支出限界と収益は関係が無いので、もし仮に収益がゼロであっても、支出することは可能である。誰かが支出をしなければ、誰も収益を得ることはできないのだから、『収益が先に立つ』という考え方は正しくない。支出が先(原因)で、収益が後(結果)である。因果関係の矢印の向きは、支出→収益である。」
1-7.景気とプライマリーバランス
好況はPBに黒字化の影響しか与えず、不況は赤字化の影響しか与えません。
ですので、景気が良いときには、PBが黒字化し、景気が悪いときには、PBが赤字化することになります。
1-8.ビルトインスタビライザー
景気の動きによって生じるPBの動きは、好況期においても不況期においても、景気を平常時へ近づけます。
この仕組みには、経済状況が過剰な熱狂、または過剰な落ち込みに陥ることを防ぐ景気安定化作用があります。
さらに、PB影響要素のうち、所得税、法人税、失業保険等は、政府の裁量によらず、自動的に働いて安定化に寄与するので、特に「ビルトインスタビライザー(自動安定化装置)」(Built-in stabilizer)と呼ばれます。
PB赤字にヒステリックな反応をするのはナンセンスだ。
PBはビルトインスタビライザーに影響を受けるんだから、不況期におけるPB赤字化は当然であって、むしろ健全なことだ。もしそうならなければ、または人為的に赤字化を阻害すれば、余計に不況が加速してしまう。
それでは本日ここまで。
おまけ
本日のおまけは安藤先生のYouTube動画です。
少子化問題の原因は、一言で言えば、20代~30代の貧困化です。つまり、結婚・育児をする人が減ったのではなく、結婚・育児をできる人が減ったのです。
10分足らずの動画で、少子化問題の原因がほぼ完ぺきに分析・説明されていると思います。ぜひとも視聴・拡散をしていただきたいと思います。
【政治】なぜ若者は結婚しないのか? - 少子化社会対策白書から見える現実 -
日本人は本当はもっと豊かになれます。そのためにはもっと多くの人々が貨幣と経済の仕組みを理解しなければなりません。
私たちが、そして次世代の子供たちが、貧困に怯えずに暮らせる日本を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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